1-12 オム&栞 side
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「ふふふん♪モッフモフ!モッフモフ!♪」
「お前さぁ、ほんとダメだよたかりは。」
女王蜂討伐の帰り道。制作は戻ってから街の工房でする事になった。それにしてもこの2人の戦闘の切り替えは凄かったな。ちょっと聞いてみようかな。
『すみませんブックさん。』
『はい。なんでしょう?』
『あの、さっきのここからが見ものって話しなんですけど。』
『あぁ。あれはですね・・・。』
ここからはなんとも言えないお話だった。
ナツさんは基本的にカッコよく。というのが抜けず集中力も前半は基本的にのらりくらりと様子を見ていて決めに行くような考えがない。しかし、学習能力がものすごく高く、考えと方向性、やるべき事が合致した時に集中力も高まれば初心者とは思えない熟練度とセンスを見せる言わば天才タイプらしい。
『まあ当の本人は器用貧乏だからね。とおっしゃってましたが。』
あと、普段は本当に集中していないのでよくやらかすとのこと。
そしておカミさん。本人はヒーラーが得意かつ、自分に合っていると思っているようだが、とても攻撃的な性格なので攻撃系のセンスが抜群。人手もいないこともあり普段から攻撃も兼任しているヒーラーとのこと。それもナツさんとのコンビだから出来ることなんだろうけど。あと、ヒーラー主体でやっていることもあり周りがとても良く見えていて、攻撃からヒールの切り替え、状況判断に優れる万能型でヒーラー単体にしておくのはもったいないので。とのことらしい。
ちなみに、これをそのまま本人に告げると照れるらしい。普段から「崇めな?」という割には褒められるととても可愛らしい一面を見せる魅力的な方ですよ。と教えてくれた。
『そんな感じなのでナツさんには時間かけて戦闘に集中していただいて、おカミさんにはフラストレーションを溜めていただいてから解放していただければ上手くいくのですよ。』
『なるほど。』
『なので本日はオムさんが来ていただいて良かったです。タンク専門の方ですとナツさんの持ち味は消えてしまいますので。』
確かにそれもそうだな。あれだけ防御回避を二刀長剣でできるなら4人パーティーだと純タンクなどいない方がマシだ。その分DPSがいた方が戦闘も早く済むに違いない。
『まあでも初見の女王蜂の攻撃を二刀長剣で受けきれ、というのも酷ですので。今回はバッチリ全てのピースがはまった形でした。まさか数時間で女王蜂を倒すとは私も思っていませんでしたよ。』
そう言うとまたニコッと微笑みかけてくるブックさんだった。聞いてて思ったけどこの人に聞いたら全部誇張して褒めちぎって教えてくれるんじゃないの?
そして街についた私たちは工房で女王蜂のマフラーを作り、解散した。
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「ふぅ。」
ユニユニをログアウトし、今日は昼間からずっと戦闘をしていた疲れを癒すため自宅のお風呂に浸かることにした。
「それにしてもパーティプレイって初めてやったけど戦闘楽なんだな。みんないい人だったし。」
緑熊周回のことよりもやはり最後の初パーティプレイの印象が強い本日。暴言とか無かったしほぼ初対面の私にも分け隔てなく接してくれた。みんなそうならいいのにな。
たまにチェックしているユニユニの掲示板でもよく見るけど、ギスギスして解散したパーティも多いみたい。
「人は見かけによらないな〜。」
まあアバターなんですけどね。あの2人からは会話の節々で陽キャ感が滲み出ている。昔も今も苦手とする人種のはずなんだが、なぜか嫌な気持ちにはならなかったな。
「それに、最後助かったとかまたお願いとか言われちゃったしな。人のためになにかして感謝されると気持ちいいな〜。こんな気持ち久しぶりかも。」
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「あれ、メッセージ届いてるわ。なんだろ取引?」
お風呂から上がり寝る準備を済ませた私は端末のユニユニアプリのアイコンに通知マークが付いていることに気がついた。
なお、このアプリだが、ゲーム内のメール機能を見ることが出来たり、イベントの予約や、なんと掲示板機能まで付いている。ユニユニでは某ちゃんねる系掲示板ではなくこの掲示板が主流である。
「だれだろ。」
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オムさんへ
今日は急に誘ったのに来てくれて
ありがとうございました。
女王蜂の綿毛の件すみません。
カミにはキツく言っとくので許してね。
この埋め合わせは必ず!
絶対また誘うのでその時はよろしくです!
Nuts XIII
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「ほんと、人は見かけによらないな。」
《第1章 Unique・Union・Online 完》
第1章ではそれぞれの始まりやゲームのことについて作者含め皆さんに覚えてもらおうという章にしました。
その中で主要人物4名の人となりやキャラ設定(メタい?)も描けていたかな、とおもいます。
楽しんでいただけていたら幸いです。




