1-8 Party Play side
さて、今回は初めてのパーティプレイですね。
今までは個人的な見解だったので一人称で書いていましたが、すこし変えています。
オムさんが栞、ナツが捺希、おカミさんがすみれ、ブックさんが昴ですよ?皆さん覚えてます?(笑)
☆
「一旦立て直しましょう!安全エリアまで下がって下さい!」
後ろからの昴の掛け声で一旦退避する。ボス部屋には安全エリアという場所が存在し、そこで休憩や作戦会議が出来る。一見簡単そうに見えるが、1度1人が安全エリアへ入るとボスはリセットされるという仕様なのでまた1から攻略を開始しないといけない。
「あーもう!ヒール追いつかない!ナツ被弾し過ぎ!」
「おかしいな〜。あそこはこう、ガキンといってズバッと行けると思ったんだけどな。」
「今回はオムさんがタンクを引き受けてくれているので防ぎながら、というより安全なところから二刀で切り込むことを主体に考えた方がいいかもしれませんね。」
「もうブックさんが焼き払っちゃえばいいんじゃない?」
「それじゃ私達のプレイヤースキル上がらないから却下!私は美しくて最強なの!!」
「まあお2人はプレイヤースキルは高い方だとは思いますが、初のフィールドボスなので達成感的にはお2人が頑張った方がいいのは確かですね。」
2人をなだめながらにこやかに方針を示していく昴。
「わかった。ちょっと考える。」
こう言って捺希とすみれはどこの攻撃がダメージが大きいのか、隙ができるのかと振り返り話し合う。
そんな2人を意外と真面目なんだな。と少し見直す栞である。
『すみません。お2人とも本当にプレイヤースキルは高いのでもう少しお待ちいただければと。』
『あ、全然。大丈夫です。』
『ときにこの場をお借りして、ですがもしかしてオムさんはタンクがメインではないのではありませんか?』
『あ、はい。普段は回避と手数特化の忍者ですね。』
『やはりそうですか。』
そう言って少し考え込むブック。この間にも捺希とすみれは攻略法を模索している。
『オムさん。詮索しているようなので少し気が引けるのですが、ひとつお伺いしてもよろしいでしょうか。』
『え?なんですか?』
『オムさんはワールドランキング6位のAbyssさんなのではないでしょうか?』
『あ、えっと、はい。多分そのAbyssです。』
『やはりそうですか!お名前を見てあれ?とおもっていたのですが、ソロプレイが中心とのお話もあって実はずっと気になっていたのですよね!いやー、そんな高位のプレイヤーの方とご一緒できるとは恐悦至極です!』
あまりの驚きに興奮の色をもはや隠せていない昴。そんなに驚くことかな、と微妙な表情の栞。
『掲示板では謎のプレイヤーとして素性が知れていないとのことでしたので詮索しては申し訳ないかな。と思っていたのですがどうしても気になってしまって。』
『全然隠してるとかではないので大丈夫ですよ。私はただプレイ時間が長いだけなので。』
『またまたご謙遜を。あ、そろそろおカミさんが煮詰まるころなのでよければ助言があればご教授お願いしますね。』
こうして通話表示が消える。それとほぼ同時にすみれが大声をあげる。
「あー!わからなくなった!とりあえずタンクのダメージ見てるのにナツばっかり回復するのは大変!!」
「あーもうわかったよ。被弾しなきゃいいんだろ?全部カウンターぶち込んでやるよ。」
「くらうなっつってんでしょ!」
「さて、じゃあ方針も決まったところでオムさんはなにかありますか?」
いや、方針今ので決まったの?と疑問を隠しきれない栞である。さらにニコッと紳士スマイルを向けられながら名指しを受けた為3人の視線が集まる。
「あ、えっと、その、あの、なんだっけ?あ、そうだ。」
このように緊張するとテンパって何言うか分からなくなってしまうのにももう慣れ始めた3人ではあるが、さすがに捺希もすみれもまだ気を遣っているので黙って言葉を待つ。
「女王蜂って、実際何戦もやってみないとわからないんだけど、実は攻撃には7通りのパターンがあって、次の攻撃が決まってるんですよね。なので、見極めとしては女王蜂のHPバーが3割削れた辺りで繰り出してくる攻撃が突進なのか突き刺しなのか、範囲攻撃なのかで絞ることができて、さらにその次の攻撃でパターンが絞れるので先回りしてダメージを稼いだり被弾を避けることができたりするんですけど、その後7割を切ったあたりで絶対に広範囲で大ダメージの針を飛ばしてくるので、これに関しては発射直後に背後に回ってよければノーダメで済ませることができるんですよね、そしたらあとはまたパターン攻撃に戻るので同じことの繰り返しになるから意外と簡単に倒せるモンスターだな。って思ってるんですけど、でもこの情報ネットにはまだ上がってないから変だな。とは思っていて、なのでソースは私の体感なのでもしかしたら間違ってるかもしれないので信じすぎるのも良くないかと思うんですが、試してみる価値はあるんではないかと思います。」
とりあえず伝えたいことを伝えた栞。この話を黙って聞き続けた3人の表情はポカンとしていたり苦笑いだったり。さすがの昴でも咄嗟に言葉が出てこない様子で、目だけが笑っている。
「あ、えっと、だからね、その・・・。」
「めっちゃしゃべるじゃん。」
食い気味にすみれに突っ込まれる栞であった。




