表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
32/36

遊園地デート


朝、優羽の家は明るい朝日に照らされ、キッチンからは料理を作る音が聞こえている。おいしそうなにおいも漂っている。

「ん、んー!」

目を覚ました優羽は背伸びをし、ベットから出た。


キッチンでは優羽の心から愛している妻、希美が料理を作っている。


「希美、おはよう」優羽が言った。


「おはよう」希美が笑顔で答える。


「おいしそう」優羽が料理をしている希美を後ろから抱きしめた。


希美の薬指には以前優羽があげた指輪と結婚指輪が輝いている。


「そうでしょ」希美は微笑んだ。


希美は高校を卒業し、専門学校へ通いだした。

長かった髪を肩まで切った。色も少し明るくし、大人の女性へ近づいていた。


こんな希美に優羽はますます惚れ込んだ。



今日は二人でとある遊園地リゾートへ行く予定だ。

朝食をとり、車へ乗り込み、二人は出発した。




「希美!次はあれ乗ろうよ!」優羽は子供の様にはしゃいでいる。


「うん、いいよ」希美も楽しそうだ。


二人は久しぶりのデートを楽しんだ。


「希美はこうゆうの平気なんだね?」優羽は絶叫系マシーンに乗り終えた後、ベンチに座りながら言った。


「大丈夫だよ。あっ、でも、縦に落ちてくやつは無理かな。」希美が言った。


「縦に落ちるやつ…ああ、これとか?」場内案内のパンフレットを見ながら優羽が言った。


「そう、これダメだな。こんなの乗ったら気絶する自信あるよ。」希美が笑いながら言った。


「じゃぁ、これは辞めとこう。気絶したら大変だからね」優羽も笑いながら言った。


「お化け屋敷は?」優羽が聞いた。


「怖いけど…入りたい!」希美が答えた。


「よし、じゃ行こう!」

二人はお化け屋敷へ向かった。


結構広いお化け屋敷だった。


「じゃあ、入ろう」優羽は希美の手を握った。


[プシュー!!!!]


「きゃー!!」希美はビックリしてしゃがみこんだ。


「希美大丈夫?ただの風だよ」優羽は笑いながら言った。


普通はこのただの風にみんな驚くのだが…

二人は奥へと進む。


[ガチャガチャガチャ]

牢屋の鉄格子の中に血だらけの男がいて、鉄格子を揺らしている。


「わっ!!」希美がまたビックリして声を出した。


「あはは、転んだのかな」優羽は血だらけの男を見て笑った。


さらに奥へと進んだ。


希美は優羽の手をしっかり握っている。痛いぐらいに強く。


[ねぇ…私の…ママ…どこ?お前か!!!]小さな子供の人形が恐ろしい形相で脅かした。


「きゃー!きゃー!きゃー!!」希美は恐怖でパニック状態。


「いや、希美はお前のママじゃねえよ」優羽はまた笑いながら言った。


他にもたくさん怖い仕掛けがあり、その度に希美は悲鳴を上げ、優羽は笑った。


「こ、怖かった…」外に出た希美が言った。


「ああ、怖かったな。」優羽が言った。


「嘘!全然怖がってなかったよ!てか、突っ込みまくってたよ!」希美が言った。


「突っ込み所満載だったからな!ってか希美。俺の手、血止まりそうなんだけど。」優羽の手はめいいっぱい握られ、感覚がなくなっていた。


「あ、ごめん」希美は握っていた事を思いだし、手を離した。


「希美は恐がりっと」

優羽はノートにペンで書くふりをした。


「これが普通だよ。優羽が怖がらなすぎなの!」希美が言った。


「じゃあ次は癒し系のに乗ろうか!」優羽が言った。


「うん、そうだね。それがいい…」希美は優羽に恐怖と言う感覚がないように思った。


二人はいっぱい楽しんだ。


「ふぅ…」希美がベンチに座った。


「希美、疲れちゃった?平気?」優羽が聞いた。

「うん、少し気持ち悪くなっちゃった。酔ったのかも。」希美が言った。

「ちょっと乗りすぎちゃったかな。大丈夫?」

優羽は心配した。


「うん、いつも酔ったりしないのにな。」希美が言った。


「そうか。俺、飲み物買ってくるよ。待ってて」そう言うと優羽は飲み物を買いに行った。




「はい」優羽は冷たい水を買って希美に飲ませた。


「ありがとう」希美は水を飲んだ。


しばらく休んでいると、気持ち悪さも無くなった。


「もう乗り物は辞めて店みてみようか。」優羽が言った。


「うん!お揃いで何か買おうよ。」希美が言った。


「そうだね」優羽も賛成した。


二人は店を見てまわった。


「希美。これがいいんじゃない?」

優羽が言った。


希美が見ると、色々な形にかたどられた、プレートに名前を彫ってくれるようだ。


「いいと思う!」希美が言った。


「希美、どれがいい?」優羽が言った。


ネックレスやブレスレットやキーホルダー、ストラップ。いろんな種類があった。


「ん〜ストラップがいい」

希美が言うと、優羽はストラップを二つ注文し、二人の名前を彫ってもらった。


「お〜ちゃんと名前が入ってる。」携帯に付けたストラップを見て優羽が驚いた。


プレートにはローマ字で二人の名前が書かれていた。


「すごいね、あっ、私の方にはハートが彫ってあるよ」希美が言った。


「本当だ!女の子だから入れたんだね!あの親父なかなかやるな。」優羽は名前を彫ってくれた親父をほめた。




日もだいぶ暮れて、二人はそろそろ帰る事にした。


車へ戻ろうとすると、優羽の車を見ながら、男女が何かを言っている。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ