表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/36

ナンバーワン


「ホスト!?俺が!?」二十歳になったばかりのハルがそこにはいた。


「そうだ!ホストはいいぞ〜。学校の進路にホストがないのが不思議なぐらいだ。」ハルの父だ。

「いや、ねえよ。」ハルが突っ込む。


「ちょっとあなた。まだ晴久をホストにしようとしてるのね。もう辞めてよ。晴久は頭がいいのよ。今の大学を卒業したら良い会社に就職して幸せになるのよ。」ハルの母だ。


「いやいや、晴久は俺に似て顔がいい!女にもモテる。ホストにしなきゃもったいないぞ」

ハルの父が言った。

ハルの父は今はもう引退しているが、元ホストナンバーワンの実績を持つ。

今、自分の店を作っている所だ。


「だめです。ハルは普通の子なんです。」母は譲らない。


「梨花子〜。梨花子だってホストの俺を好きになったんじゃないかぁ。俺の店に晴久がいれば絶対繁盛するんだよ〜。」

父が梨花子に甘えながら言う。


「晴久!晴久はどうなんだ!普通に大学卒業して、普通に就職して、普通に結婚するのか?」

父がハルに言った。


「いや、それが一番ベストじゃねえのか?」

ハルが父に突っ込む。


「晴久!ホストはモテるぞ。モテモテだ!両手に華だ!それにやりがいだってあるぞ!ナンバーワンになった時なんて最高だぞ!」

父が言った。


「あなた。子供にそんな下品な事教えないでよ!」梨花子が怒る。


「モテモテ…両手に華…」ハルはモテモテで両手に華の自分を想像した。

「おやじ!俺はホストになるぞ!俺はモテたい!女のいない人生なんてクソだ!」ハルが父に言った。


「晴久!良く言った!さすが俺の息子だ!そうだぞ!女のいない人生なんてクソだ!」父も言った。

この親子、似たもの親子。


「はぁ…もう何を言っても無駄ね。盛り上がっちゃってるわ。」梨花子はもう何を言っても無駄だとゆう事が良く分かっていた。





「俺、弥生晴久。よろしく」

オープニングスタッフ同士自己紹介をした。


「七瀬一馬だ。お前、社長の息子らしいな?」一馬が言った。


「ああ、まぁそうだ。」ハルが答えた。


「そうか、よろしくな」一馬が手を差し出した。

「ああ、よろしく。」 ハルが一馬の手を握りながら言った。


「お前、ホストやってたの?」一馬が聞いてきた。


「いや、初めてだ。お前は?」ハルが言った。


「俺は少しやってた。おい!俺がナンバーワンになってやる。」一馬がニヤリとしながらハルを見た。


「いや、俺がナンバーワンになる」ハルもニヤリとしながら言った。


「じゃぁ、勝負しようぜ。負けたら坊主だ!」一馬が言った。


「望む所だ」ハルもその勝負に乗った。


二人は初日から気が合った。




「ご来店ありがとうございます。ハルです。お名前お伺いしてもよろしいですか?」

ハル、初めての接客。ハルの性格上、緊張はしていなかった。


「みどりです。」みどりが答えた。


「みどりさん、かわいいお名前ですね。お隣よろしいですか?」ハルが聞いた。


「どうぞ。」


ハルはみどりの隣に座っりみどりを見た。


「うわっ、超タイプ」

思わず声が出てしまった。30代ぐらいでセクシーなお姉様とゆう感じだ。ウエストはキュっと引き締まり、巨乳だった。

「あはははは!急に何よ〜もう!」みどりはハルが驚きながら急に言ったので面白かったらしい。

「あはは、すいません、つい」ハルはが言った。

「ふぅ〜ん、ハルって言うの。いい男じゃない。私もハルの事タイプよ。」みどりはハルを上から下までじっくり見ながら言った。


「え!?まじで?!じゃあこれからホテル行こうか」ハルが冗談を言う。

「あははは!まだ会ったばかりじゃない。ハルっておもしろい」みどりはまた笑っている。


「ねぇ、みどり!何飲む?」







「ちくしょう…何で…」控え室にハルがいた。

頭を抱えている。


ガチャリ。控え室のドアが開き、一馬が入ってきた。


「ん?あれ?ハル。なんでここにいんだ?」一馬が驚いて聞いた。


「チェ、チェンジだ。」ハルが答えた。まだ頭をかかえた状態だ。


「チェンジ?!何で!?さっきいい感じじゃなかった?!」一馬が聞いた。


「あいつ…あんなに楽しそうにしてたのに…俺の年聞いた途端、私年上が好きなの、チェンジ。とか言ったんだぜ!なぜだ!?なぜなんだ?!?」ハルが一馬にせめよる。

「ちょ、わっ、分かったから」一馬はハルを落ち着かせた。


「いいかハル。客が来たらどうゆうのがタイプそうか、良く観察するんだよ。それで、上手く聞き出しながら話を合わせて、そいつ好みの男を演じるんだよ。お前、どうせ自分からベラベラしゃべって、相手の好みとか全く考えなかったんだろ。」一馬が言った。


「うっ…で、でも、あいつ俺の事タイプって言ったぞ!」ハルがムキになって言った。


「顔がタイプでも、中身が違うって事があんだよ」一馬が的を得た答えを言った。


「うっ…」ハルは言い返せない。


「これじゃぁ、俺ぶっちぎりでナンバーワンだな」一馬が笑いながら言った。


「な、なんだよ!ちょっと経験者だからって!見てろよ!俺ホストをマスターしてやる!ナンバーワンになるのは俺だ!」ハルが言った。


一馬はハルを見て笑った。



それからハルは男磨きに専念した。女性に関する本はすべて読んだ。

人間の心理などの本も読んだ。以外に知らない事ばかりだった。

一緒に働いているスタッフ達の観察もした。

女性への振るまい方や目線や声のトーン。細かい事までチェックした。

毎日鏡とにらめっこをして演技の練習もした。





「また会いたい。」

外まで送り、タクシーに乗せる前に、見つめながらささやくように言ったハル。


「私もよ。次もハルが相手してね。」女性は頬を赤らめ、ハルを愛おしそうに見つめて言い、帰って行った。


[よし!いいぞ俺!やっぱり俺って天才だな]

ハルはガッツポーズしながら心の中で叫んだ。


ハルは努力の成果が目に見えて分かった。


それから、ハル指名の客も日に日に増えて行った。





「お前調子いいな」一馬がハルに言った。


「おお、まあな!お前もなかなかじゃねえか。」ハルも言った。


「なぁハルよぉ。お前最近おんなのおっぱい触ってるか?」一馬が言った。


「あ〜、触ってねえなぁ。」ハルが言った。


二人は仕事が忙しくそれどころではなかった。


「はぁ〜触りてえなぁ」一馬がため息混じりに言った。


「あぁ。触りてぇなぁ。」ハルもため息混じり。


「俺達、仕事すげえがんばってるよな?」一馬が言った。


「そうだな。寝る間も惜しんでがんばってるな」ハルが言った。


二人は顔を見合わせ、ニヤリと笑った。


「行こうぜ!おっぱぶ」一馬が言った。


「行こうぜ!がんばってる俺たちにご褒美だ」ハルも賛成だ。


二人は仕事を抜けだし、おっぱぶへと向かった。




「いらっしゃいませ。ようこそおいでくださいました。こちらへどうぞ。」女性は席へと案内した。


「おいハル楽しみだな」一馬がうきうきしながら言った。


「おう、待ち遠しいな。早く来ねえかな」ハルもうきうきしている。


バカ丸だしの二人。


「いらっしゃいませ。桃香と申します。」


「百合と申します。」


「お隣に座らせていただきます」

二人はそう言うと、桃香と言う女性は一馬の横に、百合と言う女性はハルの横に座った。


「お名前は?」百合がハルに聞いた。


「ハルだ」ハルが答えた。

「そうですか。ハル様はこうゆう所は初めてでございますか?」百合が聞いた。


ハルが百合を見た。


「お前…すげえいい女だな」ハルが百合をまじまじと見ながら言った。


「そうでございますか?ありがとうございます。」百合が答えた。


「お前、いくつだ?」ハルが聞いた。


「22でございます」百合が答えた。


「ふぅ〜ん、お前年上と年下どっちが好きだ?」ハルがまた聞く。


「百合はどちらでも好きでございます」百合が淡々と答える。


「そうか。男いんのか?」ハルはまたまた聞いた。


「いえ、おりません」淡々と答えてた百合が少し動揺した。


「………」

ハルはこの女を自分の物にしたいとゆう感情に襲われた。一目惚れだ。


「ハル様。他にご質問は?」百合が優しくほほえんだ。


「いや、ない。」ハルが言った。


「そうでございますか。では、次は百合が質問する番でよろしいでしょうか?」百合が言った。


「ああ」ハルが返事をした。


百合もハルに全く同じ質問をした。


二人は他にも少しおしゃべりを楽しんだ。


ハル達が座っている席にいきなりカーテンを引かれた。


「ハル様。失礼いたします。」そう言うと百合がハルの膝の上に乗った。

そして服を脱ぎブラジャーを外した。


ハルの目の前に百合のおっぱいがあった。


ハルはそれを揉んだ。


百合はトロンとした目でハルを見つめた。


そして、百合の顔を自分の顔に引き寄せキスをした。


「ハル様…こうゆう事はいけません…」百合がビックリしながら言った。


「知らねえよ…」ハルはそう言うと、百合にまたキスをした。


「…………」二人は見つめ合った。


そして、さき程よりも激しくキスをした。


こうしてハルと百合は出会った。









評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ