ナンバーワン
「ホスト!?俺が!?」二十歳になったばかりのハルがそこにはいた。
「そうだ!ホストはいいぞ〜。学校の進路にホストがないのが不思議なぐらいだ。」ハルの父だ。
「いや、ねえよ。」ハルが突っ込む。
「ちょっとあなた。まだ晴久をホストにしようとしてるのね。もう辞めてよ。晴久は頭がいいのよ。今の大学を卒業したら良い会社に就職して幸せになるのよ。」ハルの母だ。
「いやいや、晴久は俺に似て顔がいい!女にもモテる。ホストにしなきゃもったいないぞ」
ハルの父が言った。
ハルの父は今はもう引退しているが、元ホストナンバーワンの実績を持つ。
今、自分の店を作っている所だ。
「だめです。ハルは普通の子なんです。」母は譲らない。
「梨花子〜。梨花子だってホストの俺を好きになったんじゃないかぁ。俺の店に晴久がいれば絶対繁盛するんだよ〜。」
父が梨花子に甘えながら言う。
「晴久!晴久はどうなんだ!普通に大学卒業して、普通に就職して、普通に結婚するのか?」
父がハルに言った。
「いや、それが一番ベストじゃねえのか?」
ハルが父に突っ込む。
「晴久!ホストはモテるぞ。モテモテだ!両手に華だ!それにやりがいだってあるぞ!ナンバーワンになった時なんて最高だぞ!」
父が言った。
「あなた。子供にそんな下品な事教えないでよ!」梨花子が怒る。
「モテモテ…両手に華…」ハルはモテモテで両手に華の自分を想像した。
「おやじ!俺はホストになるぞ!俺はモテたい!女のいない人生なんてクソだ!」ハルが父に言った。
「晴久!良く言った!さすが俺の息子だ!そうだぞ!女のいない人生なんてクソだ!」父も言った。
この親子、似たもの親子。
「はぁ…もう何を言っても無駄ね。盛り上がっちゃってるわ。」梨花子はもう何を言っても無駄だとゆう事が良く分かっていた。
「俺、弥生晴久。よろしく」
オープニングスタッフ同士自己紹介をした。
「七瀬一馬だ。お前、社長の息子らしいな?」一馬が言った。
「ああ、まぁそうだ。」ハルが答えた。
「そうか、よろしくな」一馬が手を差し出した。
「ああ、よろしく。」 ハルが一馬の手を握りながら言った。
「お前、ホストやってたの?」一馬が聞いてきた。
「いや、初めてだ。お前は?」ハルが言った。
「俺は少しやってた。おい!俺がナンバーワンになってやる。」一馬がニヤリとしながらハルを見た。
「いや、俺がナンバーワンになる」ハルもニヤリとしながら言った。
「じゃぁ、勝負しようぜ。負けたら坊主だ!」一馬が言った。
「望む所だ」ハルもその勝負に乗った。
二人は初日から気が合った。
「ご来店ありがとうございます。ハルです。お名前お伺いしてもよろしいですか?」
ハル、初めての接客。ハルの性格上、緊張はしていなかった。
「みどりです。」みどりが答えた。
「みどりさん、かわいいお名前ですね。お隣よろしいですか?」ハルが聞いた。
「どうぞ。」
ハルはみどりの隣に座っりみどりを見た。
「うわっ、超タイプ」
思わず声が出てしまった。30代ぐらいでセクシーなお姉様とゆう感じだ。ウエストはキュっと引き締まり、巨乳だった。
「あはははは!急に何よ〜もう!」みどりはハルが驚きながら急に言ったので面白かったらしい。
「あはは、すいません、つい」ハルはが言った。
「ふぅ〜ん、ハルって言うの。いい男じゃない。私もハルの事タイプよ。」みどりはハルを上から下までじっくり見ながら言った。
「え!?まじで?!じゃあこれからホテル行こうか」ハルが冗談を言う。
「あははは!まだ会ったばかりじゃない。ハルっておもしろい」みどりはまた笑っている。
「ねぇ、みどり!何飲む?」
「ちくしょう…何で…」控え室にハルがいた。
頭を抱えている。
ガチャリ。控え室のドアが開き、一馬が入ってきた。
「ん?あれ?ハル。なんでここにいんだ?」一馬が驚いて聞いた。
「チェ、チェンジだ。」ハルが答えた。まだ頭をかかえた状態だ。
「チェンジ?!何で!?さっきいい感じじゃなかった?!」一馬が聞いた。
「あいつ…あんなに楽しそうにしてたのに…俺の年聞いた途端、私年上が好きなの、チェンジ。とか言ったんだぜ!なぜだ!?なぜなんだ?!?」ハルが一馬にせめよる。
「ちょ、わっ、分かったから」一馬はハルを落ち着かせた。
「いいかハル。客が来たらどうゆうのがタイプそうか、良く観察するんだよ。それで、上手く聞き出しながら話を合わせて、そいつ好みの男を演じるんだよ。お前、どうせ自分からベラベラしゃべって、相手の好みとか全く考えなかったんだろ。」一馬が言った。
「うっ…で、でも、あいつ俺の事タイプって言ったぞ!」ハルがムキになって言った。
「顔がタイプでも、中身が違うって事があんだよ」一馬が的を得た答えを言った。
「うっ…」ハルは言い返せない。
「これじゃぁ、俺ぶっちぎりでナンバーワンだな」一馬が笑いながら言った。
「な、なんだよ!ちょっと経験者だからって!見てろよ!俺ホストをマスターしてやる!ナンバーワンになるのは俺だ!」ハルが言った。
一馬はハルを見て笑った。
それからハルは男磨きに専念した。女性に関する本はすべて読んだ。
人間の心理などの本も読んだ。以外に知らない事ばかりだった。
一緒に働いているスタッフ達の観察もした。
女性への振るまい方や目線や声のトーン。細かい事までチェックした。
毎日鏡とにらめっこをして演技の練習もした。
「また会いたい。」
外まで送り、タクシーに乗せる前に、見つめながらささやくように言ったハル。
「私もよ。次もハルが相手してね。」女性は頬を赤らめ、ハルを愛おしそうに見つめて言い、帰って行った。
[よし!いいぞ俺!やっぱり俺って天才だな]
ハルはガッツポーズしながら心の中で叫んだ。
ハルは努力の成果が目に見えて分かった。
それから、ハル指名の客も日に日に増えて行った。
「お前調子いいな」一馬がハルに言った。
「おお、まあな!お前もなかなかじゃねえか。」ハルも言った。
「なぁハルよぉ。お前最近おんなのおっぱい触ってるか?」一馬が言った。
「あ〜、触ってねえなぁ。」ハルが言った。
二人は仕事が忙しくそれどころではなかった。
「はぁ〜触りてえなぁ」一馬がため息混じりに言った。
「あぁ。触りてぇなぁ。」ハルもため息混じり。
「俺達、仕事すげえがんばってるよな?」一馬が言った。
「そうだな。寝る間も惜しんでがんばってるな」ハルが言った。
二人は顔を見合わせ、ニヤリと笑った。
「行こうぜ!おっぱぶ」一馬が言った。
「行こうぜ!がんばってる俺たちにご褒美だ」ハルも賛成だ。
二人は仕事を抜けだし、おっぱぶへと向かった。
「いらっしゃいませ。ようこそおいでくださいました。こちらへどうぞ。」女性は席へと案内した。
「おいハル楽しみだな」一馬がうきうきしながら言った。
「おう、待ち遠しいな。早く来ねえかな」ハルもうきうきしている。
バカ丸だしの二人。
「いらっしゃいませ。桃香と申します。」
「百合と申します。」
「お隣に座らせていただきます」
二人はそう言うと、桃香と言う女性は一馬の横に、百合と言う女性はハルの横に座った。
「お名前は?」百合がハルに聞いた。
「ハルだ」ハルが答えた。
「そうですか。ハル様はこうゆう所は初めてでございますか?」百合が聞いた。
ハルが百合を見た。
「お前…すげえいい女だな」ハルが百合をまじまじと見ながら言った。
「そうでございますか?ありがとうございます。」百合が答えた。
「お前、いくつだ?」ハルが聞いた。
「22でございます」百合が答えた。
「ふぅ〜ん、お前年上と年下どっちが好きだ?」ハルがまた聞く。
「百合はどちらでも好きでございます」百合が淡々と答える。
「そうか。男いんのか?」ハルはまたまた聞いた。
「いえ、おりません」淡々と答えてた百合が少し動揺した。
「………」
ハルはこの女を自分の物にしたいとゆう感情に襲われた。一目惚れだ。
「ハル様。他にご質問は?」百合が優しくほほえんだ。
「いや、ない。」ハルが言った。
「そうでございますか。では、次は百合が質問する番でよろしいでしょうか?」百合が言った。
「ああ」ハルが返事をした。
百合もハルに全く同じ質問をした。
二人は他にも少しおしゃべりを楽しんだ。
ハル達が座っている席にいきなりカーテンを引かれた。
「ハル様。失礼いたします。」そう言うと百合がハルの膝の上に乗った。
そして服を脱ぎブラジャーを外した。
ハルの目の前に百合のおっぱいがあった。
ハルはそれを揉んだ。
百合はトロンとした目でハルを見つめた。
そして、百合の顔を自分の顔に引き寄せキスをした。
「ハル様…こうゆう事はいけません…」百合がビックリしながら言った。
「知らねえよ…」ハルはそう言うと、百合にまたキスをした。
「…………」二人は見つめ合った。
そして、さき程よりも激しくキスをした。
こうしてハルと百合は出会った。