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プリンス様

百合の一件があり、その後のハルと百合は平穏な日々を送っていた。


「ハルさん、百合さん元気ですか?」

控え室で休憩をしていた優羽がハルに聞いた。


「ああ、元気だ…元気すぎて困ってる。」ハルが笑いながら答えた。


「困るって?」優羽が聞いた。


「あいつ俺の事なかなか寝させてくれねえんだよ。」

ハルがニヤっとした。


大人の事情ってやつ。


「うらやま…あっ、ゆ、百合さん仕事行ってるんですか?」優羽はうらやましいとつい言いそうになってしまった。


「いや、行けばあいつに会うからな…つねに後輩達とは連絡取ってるみたいだけど。」ハルが言った。


「そうですよね。あいつ、あれで引き下がったんですかね?」優羽がハルを見た。


「あれで終わりだとは思わねえな。まぁ、何されても俺にはかなわねえよ!」ハルが優羽に心配するなとゆうそぶりをした。

コンコン。ガチャリ。


「優羽さん、指名はいりました。お願いします。あ、ハルさんもいますね。ハルさんもあいてたら呼んでほしいって客が言ってます。」


二人は指名されたテーブルへと行った。


「イケメン君!」見たことある顔ぶれだった。


「あ!マジで来たの!?」優羽は驚いた。

そこには、まゆとミチと希美がいた。


希美は申し訳なさそうに座っていた。


「だから行くって言ったじゃない!」まゆが言った。


「ダチか?」ハルが優羽に言った。


「はい。この子がまゆちゃんで、この子が希美。俺の…」


「女か」ハルが小指を立て小声で言った。


「はい。それと、誰だっけ?」優羽がミチを見ながら意地悪を言った。


「ミチだよ!」ミチは突っ込んで言った。


みんな笑った。


「俺の先輩のハルさん」今度は三人にハルの事を紹介した。


「イケメン君!あなたの先輩超かっこいいじゃない!あの、こちらへ座って下さい!」まゆがはしゃぎながら言い、ハルを自分と希美の間に座らせた。


優羽も希美の横に座った。

「優羽急にごめんね」希美が優羽を見ながら言った。

「ん?いいよ」優羽は優しくほほえんだ。


まゆがじ〜っとハルを見ている。

「いや〜世の中にこんなかっこいい人がいたのね。」まゆが信じられないとゆう顔で言った。


「まゆちゃん、元気いいな」ハルが笑いながら言った。


「いや希美〜この方、笑顔も超素敵よ!プリンスよ!」まゆが希美に言った。


「も〜まゆったら」希美が笑いながら言った。


「君が希美ちゃんかぁ。」ハルが希美を見つめた。

希美はハルに見つめられ、赤面した。


「なかなかかわいいらしいじゃねえか」ハルが優羽にこっそり言った。

優羽は照れた。


「希美!顔真っ赤よ!これはイケメン君危ういわね」希美が優羽に言った。


「えっ!?」優羽はギクっとした。

たしかに、ハルに見つめられ、赤くならない女はいないだろう。

だか、優羽はハルに少し嫉妬してしまった。


「赤くなんてなってないよ!」希美がまゆに言い返した。


「あの!プリンスって呼んでもいいですか?」まゆがハルに元気良く聞いた。


「プリンス?!まぁ、悪くねえな」ハルが笑いながら言った。


まゆはキャキャとはしゃいでいる。


「私、イケメン君を見たときには衝撃を受けたけど、プリンス様は即死だわ!」まゆが言った。


「まっ、優羽もなかなかだが俺にはかなわねえよ!」ハルが自信満々に言った。


「まゆちゃんはホント、イケメン好きだなぁ……」ミチがぼそぼそ言った。

「そこ!うるさいわね」まゆがミチに言った。


「君は…ポチだっけ?」ハルもミチに意地悪を言った。


「ミチです!もぅ、絶対わざとだ。」ミチが言った。


またみんな笑った。


「もしかして、お前、こんな所に来るなん、こっちか?」ハルはミチにオカマかとゆう仕草をしながら言った。


「違いますよ!僕はまゆちゃんの付き添いで…その…何てゆうか…」ミチがもじもじしながら言った。


「来なくていいって言ったのに、付いて来たんです。」まゆは目を細めてミチを見ながら言った。

「だって、まゆちゃんイケメンにはすぐ付いてくじゃん」ミチが言った。

「ああ。お前まゆちゃんに惚れてたのか…ごめんな。俺取っちゃったみたいで」またまたハルが意地悪を言った。


「と、と、取られてなんてないです!ねぇ、まゆちゃん?」ミチがまゆに言った。


「いえ、いえ、取って下さいプリンス様。」まゆがハルに言った。


「あはは!優羽、こいつらマジうけるなっ!」

ハルは大爆笑だ。


「おい!カマ!好きな女を物にできねえなんてみっともねえぞ!」ハルがミチに言った。


「い〜え!僕はオカマではないし、それに振り向いてもらえるように努力してます!」ミチが否定した。


「お前の努力は無駄な努力だ!どうせまだ童貞だろ?だから、みんなにカマって呼ばれるんだよ!」ハルがまたミチに言った。

ハルはミチいじりを楽しんでいる様だ。


希美と少し遠慮がちにイチャイチャしていた優羽は童貞と聞いて、反応してしまった。その言葉にはとても敏感になっていた。


「誰にもカマなんてよばれた事ないですよ!」ミチが言った。


「い〜や!お前はカマだ!俺が男にしてやるぞ!」ハルが言った。


「えっ!?」ミチが驚き、期待をしている顔だった。


「優羽の様におっぱ」


「あ〜!!!」


ハルが言い終わらないうちに優羽が叫んだ。


みんなビックリした。


「み、みんな!今日は来てくれてありがとう。お、俺、おごるからどんどん好きなの頼んでよ」優羽は挙動不審で言った。


「ど、どうしたの?」希美が言った。


「イケメン君、なんだか挙動不審よ!」まゆが言った。


ハルはおなかを抱えて笑っている。


「い、いや、楽しくて、騒ぎたい気分だな。アハハ」優羽はごまかそうとしている。


「プリンス様、おっぱって何ですか?」ミチが聞いた。


「おい!そこ!黙れ!」優羽がミチに言った。


優羽はおっぱいパブに行った事は死んでも希美にはバレたくなかった。


「ほ〜ら!まゆちゃん!な、何飲む?ミチは?食べ物は?どんどん頼んでね!」優羽は話の路線を変えるのに必死だった。

「イケメン君!何でもいいの?やったぁ〜!」まゆが騒ぎだした。


なんとか話を変えられた。


「はぁ…」優羽はホッとし、希美の横に座りなおした。


「優羽?」希美が不思議そうに見ていた。


「あっ、何も気にする事ないからね!さぁ、希美のはどれにしようか?」

みんなとても楽しんだ。最初はハルに嫉妬していたミチだが、次第にミチもハルの事をプリンス様と呼ぶようにまでなっていた。

ハルは女だけではなく、男からも好かれるオーラのようなものがあった。

「みんな気を付けて帰れよ!」あっとゆう間に時間が過ぎ、外まで送りながらハルが言った。


「プリンス様!とっても楽しかったです!イケメン君もありがとう!」まゆが言った。


「うん」優羽が答えた。

「希美、俺まだ仕事が残ってるから送ってやれないんだ。ごめんね。」優羽が希美に言った。


「大丈夫だよ。お仕事がんばってね!それと...次は優羽のお家行くね...」希美が恥ずかしそうに言った。


「希美...」優羽はニッコリ笑った。


「希美ちゃん、優羽はいい男だよ。」ハルが希美に言った。


「はい」希美は嬉しそうに答えた。


優羽も嬉しかった。


こうしてみんなは帰って言った。


「ハルさん!ありがとうございました。」優羽は自分の友達と仲良くしてくれた事と、先程、希美に言った事と両方に感謝して言った。


「ん?ああ。たまにはああゆうのもいいもんだな!」ハルが笑顔で答えると控え室へと戻って行った。


この日、優羽にとって、とても楽しい日になった。そして、先程希美がうちへ来ると言った。

希美は心の準備ができたようだった。

希美の答えを待っていた優羽は、後はつっぱしるだけになった。


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