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まゆとミチ

優羽に後輩が出来てから、数日がたった。

優羽はナルの教育に励んでいた。

優羽の後輩に対する態度はどことなくハルに似ていた。


「なんで便所掃除ぐらいちゃんとできねえんだよ」優羽が怒鳴った。


「すいません…便所掃除なんて今までした事なかったもんで…」ナルが謝った。


優羽がナルにトイレ掃除を頼んだが、優羽がトイレに行ったら、石鹸もトイレットペーパーもほとんどなかったのだ。


「した事なくてもこんぐらい分かんだろうが!」優羽はナルにまた怒鳴った。

「すいません!もう一度やり直してきます」ナルが言った。


「当たり前だろ」容赦なく優羽が言った。


「はぁ…」優羽はため息混じりにイスに座った。

ナルのあまりにもの要領の悪さに、何度も手を焼いていた。


こんな日が何日も続いていた。


次の日。


今日は仕事が休みだった優羽は昼過ぎに目を覚ました。


ちょうど一週間前の今日は希美とデートをしていた。それ以来、メールでのやりとりはしていたが、お互い昼と夜と別々の生活をしている為、なかなか電話は出来なかった。


優羽はなんだか疲れていた。

希美の声が聞きたかった。

優羽は携帯を手に取り、希美に電話をかけた。


プルルル…プルルル…プルルル…

「もしもし」電話から希美の声が聞こえた。


「あ、希美。おはよう」優羽が眠たそうに言った。

「優羽、もうお昼だよ。今起きたたの?」希美が笑いながら言った。


「うん、希美は何してたの?」優羽が聞いた。


「今日はこれからバイトだから、支度してたよ」希美が答えた。


「バイト何時まで?」優羽がまた聞いた。


「5時までだよ」希美が答えた。


「終わってから会える?会いたい。」優羽が言った。


「うん、大丈夫だよ」希美は終わったら連絡すると言って電話を切った。

優羽の疲れはどこかに吹き飛んで行った。


「あ、そうだ」優羽はベットから飛び起きると、急いでジムに行く支度をした。

希美に会う前に、ジムへ行って少しでも筋肉を付けてかっこよくしていこうと思った。


ジムではいつも以上に筋トレに励んだ。


「じゃ、そろそろ行くか…行ってきます。」ジムから帰って来て、希美に会う支度をした優羽は、いつも通り、父と母の写真に言った。


優羽は希美の働いてる姿を見たいと思い、少しだけ早く家を出た。


希美が働いてるデパ地下へ到着。希美を探した。希美はケーキが並べられたガラスケースの向こう側にいた。


「希美」優羽が希美を呼んだ。


「優羽!」希美がビックリして言った。


「ふぅ〜ん、そうゆう格好してやってたのかぁ…似合うよ!かわいい。」優羽は希美の格好をまじまじと見ながら言った。


希美は髪を二つに結びケーキ屋さんの格好をしていた。


「もう…」希美は恥ずかしそうに下を向いた。


「もう上がる時間だから、ちょっと待っててね」希美が言った。


「希美!こちらのイケメン君はどなた?」希美の後ろから女の子が顔を出した。


「あ、え〜と…………彼氏」希美が恥ずかしそうに言った。


「かかかか彼氏!希美の彼氏?!あんたいつの間に?!」女の子がビックリしていた。


「どうしたの?」また違う人が声をかけてきた。今度は男の子だった。


「ねぇ!聞いてよ!あんた!このイケメン君、希美の彼氏だって!」女の子が男の子に言った。


「あ、そうなんだ!初めまして。」男の子が優羽を見て挨拶をした。


「あ、初めまして」優羽も男の子に挨拶した。


「ちょっとあんた!もっと驚け!」女の子が男の子のおでこをピシっと軽く叩いた。


「あう…」男の子もたたかれた所をすりすりした。

優羽は思わず笑ってしまった。


「ねぇ!どこ行くか決まってるの?決まってなかったらみんなでどこかで話しましょう!ね?の〜ぞ〜み」女の子は何で私に隠してたのよ〜とゆう目で希美を見た。


「う…」希美は優羽の事を見た。


「いいんじゃない」優羽が言った。


「よし!決まり!じゃ、私達着替えてくるから、イケメン君!そこで待ってるように!」そうゆうと女の子は希美を引っ張って中へ入って行った。

「なんか騒がしくしてごめんね。じゃ、僕も着替えてくるから、そこで待ってるように!」男の子も中へ入って行った。


しばらくして、3人が出てきた。

「おまたせ!イケメン君!」女の子が言った。

「それじゃ、いつもの場所へ行くわよ!」


「いつもの場所って?」優羽が希美に聞いた。


「近くにあるお好み焼き屋さん」希美が答えた。

三人でよく来るとゆうお好み焼き屋さんに到着。

「いや〜ビックリ!あなた本当にイケメンね!」女の子が優羽の顔をまじまじ見て言った。


「まゆちゃんはホントめんくいだなぁ…」ボソボソと男の子が言った。


「うるさいわね。」まゆが男の子に言った。


「まゆとミチ君は同じ学校の友達なの」希美が優羽に二人を紹介した。


「そうなんだ。いつも三人一緒なの?」優羽がみんなに聞いた。


「そうね!大体一緒にいるわ。ミチは邪魔だけど」まゆが目を細めて、ミチを見ながら言った。


「まゆちゃん、そんな〜」ミチがまゆに言った。

「なんか楽しそうだね」優羽は笑いながら言った。


「名前はなんてゆうの?」ミチが優羽に聞いた。

「安積優羽」優羽は答えた。


「安積くんって僕らと同い年?」ミチがまた優羽に聞いた。


「うん、そうだよ」優羽が答えた。


「あら、そうなの。どこの高校行ってるの?」今度はまゆが聞いた。


「俺、高校は行ってないんだ」優羽が答えた。


「じゃぁ働いてるの?」ミチが聞いた。


「うん」優羽が答えた。

二人は優羽に興味津々だった。


「どこで働いてるの?もしかして、芸能人?」まゆが言った。


「いや、違うよ。」優羽は自分がホストとゆう事を言ってもいいのか迷った。希美をチラっと見た。


「優羽の仕事はホストなの」優羽の気持ちに気付いたのか、希美がみんなに打ち明けた。


「ホ、ホスト?!」まゆとミチが同時に言った。

「ちょっと!希美の彼ホストなの?!いつの間にそんな所行ったのよ!」今度は希美に注目が集まった。


「前の高校の同級生で、偶然ね..その..」希美がもじもじしながら優羽を見た。


「俺が告白して、付き合ったんだ」今度は優羽が希美の代わりに言った。

「そう。運命ってやつね。素敵!」まゆが二人を見ながら言った。


「ねぇ、お好み焼き焼かない?」ミチが口をはさんだ。


「もう!今いいとこなのに!ミチ焼いといて。」まゆが言った。


「ねぇ!イケメン君は希美のどこを好きになったの?」まゆが目を輝かせながら聞いた。


女の子はこうゆう話が大好きだ。


希美も遠慮がちに聞きたそうにしている。


「ん〜かわいいし、優しいし、すべて好きになった」優羽が答えた。


「きゃー、希美!このイケメン君、希美にベタボレじゃない!」まゆがはしゃいで言った。


希美は恥ずかしそうに、しかし嬉しそうだった。

「イケメン君!希美は以外とモテるから、気を付けた方がいいわよ。ちょっと目を離すと他の男にとられちゃうわよ。」まゆが言った。


「えっ!?まじで?」

優羽は不安になった。


「そうよ。学校でも希美を狙ってる獣が何人もいるわ」まゆが言った。


優羽は不安な顔で希美を見た。


「そんな人一人もいないよ。大丈夫だよ。もう!まゆ!変なこと言わないでよ。」希美が優羽の不安を取り除こうとして言った。


「ごめん、ごめん。イケメン君、大丈夫よ!何かあったら私が希美を守るから!」まゆがまかせろとゆう感じで優羽に言った。


「うん、お願いね」優羽は心からお願いした。



「ねぇ、安積くんがナンバーワンホスト?」ミチが話を変えた。


「いや、違うよ。」優羽が答えた。


「あら、こんなにイケメンでもナンバーワンじゃないの?」まゆが聞いた。


「俺の先輩がナンバーワンなんだけど、俺なんかより全然かっこいいよ」優羽が言った。


「ん〜よし!今度行くわ!」まゆが言った。


「えっ!?ダメ。」ミチがとめた。


「ミチには関係ないでしょ。イケメンが居るって聞いたのに見なきゃ損よ!」まゆが言った。


ミチは少し不安そうにしていた。


「ねぇ!食べよ!私おなかペコペコ。」希美がまゆとミチを見て笑いながら言った。


「そうね、食べましょ」まゆが言った。


みんなでわいわいと話をし、お好み焼きを食べた。

優羽は同年代の人とたくさんしゃべれて嬉しかった。


「今日はごめんね。なんか騒がしかったでしょ?」希美が言った。


ミチとまゆとは店の前で別れた。


優羽は車で希美を送っている途中だった。


「いや、楽しかったよ。なんか、自分も高校生になったみたいだった」優羽が笑いながら言った。

「あと、希美の友達に会えて嬉しかったよ。」


「そう、なら良かった。」希美は笑顔で言った。

「希美?」優羽が呼んだ。


「ん?」希美が返事をした。


「俺はいつも希美の事、思ってるよ。誰にも渡すつもりないから。」優羽は先ほど、まゆが言っていた事を気にしているようだった。


「さっきまゆが言った事気にしてるの?その事なら本当に大丈夫だから。もし、そうだとしても、私は他の男の人の所になんて行かないから。ね?」

優羽は以外とやきもち焼きだと希美は思った。


「うん…分かった…」まだ不安気な優羽。優羽は希美となかなか会えない分心配だった。


「ねぇ、希美。次会う時はうちに来ない?」優羽は真剣に言った。家に行くとゆう事はそれなりの覚悟が必要だ。

次と言ったのは、希美に心の準備をさせる優羽の優しさだった。


「う、うん…」希美のドキドキが優羽にも聞こえそうだ。


希美のアパートに到着した。


「優羽、ありがとう。」希美がお礼を言った。


「うん、またメールする。おやすみ」優羽が言った。


希美は車を降り、家へ帰って行った。



本当は今すぐにでも希美を抱きたかった優羽。

優羽も自宅へと帰って行った。


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