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蒼きギャロップ  作者: 印藤ゆう
11/24

馬房2   脚質

デ:「さぁ。やってきたよ、レッド。二回目の僕たちの出番だよ」

レ:「そうだな、デイズ」

デ:「では、今回は脚質について説明しようと思います」

レ:「うん? ミーたちのボスが大変なことになっているようだが、いいのか?」

デ:「それはまぁ、本編だからね。本編で語られないことを説明するのがボクたちの仕事だよ」

レ:「うむ。ユーがそう言うなら……、ではレッツゴーといこうじゃないか」

デ:「ではさっそく、脚質とは何か説明したいと思います。脚質とは、ボクたち競走馬がレースに於いてどんな走り方をするかというものです」

レ:「つまり、スタートからゴールまでどのポジションで走るかということだな。で、脚質の種類は全部で四つ――『逃げ』、『先行』、『差し』、『追い込み』がある」

デ:「そうだね。先頭を取って逃げきる『逃げ』。馬群の前の方で走って勝ちを狙う『先行』。中団から後方で前を窺う『差し』。馬群の最後方にいて最後の直線に賭ける『追い込み』が存在します」

レ:「この脚質――戦術を駆使して、騎手とミーたち競走馬は1着を目指すのだ」

デ:「うん。でもボクたち競走馬には、それぞれに得意な脚質があります。例えば、逃げが得意な馬もいれば、追い込みが得意な馬もいます」

レ:「そのとおり。どんな強い馬でも、得手不得手がある。つまり、『逃げ』が得意な馬が『差し』や『追い込み』という戦術を取ったとしても上手く走れないのだ」

デ:「そうだね。ボクは『先行』と『差し』が得意だけど、『逃げ』はあまり得意じゃないし――」

レ:「ミーは最後方からの『追い込み』、これしかない。前から行こうなんて考えられない」

デ:「こんなふうに、馬の気性、性格に合わせて得意な脚質が異なるのです」

レ:「まぁ。中には『自在』という、とんでもない競走馬も存在するがな」

デ:「そうだねー。『自在』とは、『逃げ』、『先行』、『差し』、『追い込み』。どの戦術を取っても勝ったことがある競争馬に与えられる脚質評価だよね」

レ:「まぁ、そんなヤツはごくごく稀だがね」

デ:「そうだね。でも、圧倒的強さを以てどんな競馬もこなしてみせる馬もいるんだよねー」

レ:「そういう器用で強い奴は、ミーは大っ嫌いだがな!」

デ:「はい。では、お時間となったようなので、次回またお会いしましょう」


   ※デ:サマーデイズ   ※レ:レッドドレイク

                                 次回、馬房につづく

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