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漫才『アドバイス』

作者: 語黎蒼

ツ=ツッコミ

ボ=ボケ

2人「どうも〜、よろしくお願いしま〜す」


ボ「あ〜、もうどうしたらいいんやろ…」


ツ「え?どうしたん?」


ボ「友達がめっちゃ怒っててさ、どう謝ったら良いか分からんねん」


ツ「あ〜、そうなん?なら俺、似た相談よく乗ったりしてるから、良いアドバイスできると思うよ。話してみてよ」


ボ「ホンマに?まあ、一応心当たりはあんねんけどさ…」


ツ「そうなんや。じゃあ先ず、友達を怒らせた経緯を教えてくれやん?」


ボ「そうやなぁ…1週間前に俺の引越し祝いで、俺の家で友達2人と焼肉パーティーをしてたんさ」


ツ「なるほどな」


ボ「そんで焼肉パーティーも後半になった時に、肉をタレばっかじゃなくてレモンでも食べたいなって思ってさ」


ツ「まあ分かる分かる」


ボ「そんで皿にレモン入れようかと思ってたんやけど、皿がなくてさ」


ツ「引越したばっかりで、まだ箱から出してなかったんか?」


ボ「そうそう。探すのもアレやし、どうしようかと思ったら、海野ってやつが酔って寝てて、その海野が皿を持参しててさ」


ツ「勝手に使ったんか?」


ボ「うん」


ツ「それは君が悪いよ。勝手に使ったらアカンわさ」


ボ「でも俺も迷ったけど、一緒に食べてた河原ってやつが『 使ったれ使ったれ!』って言うからさ」


ツ「河原、悪いやつやな〜」


ボ「いや、本来の河原は悪い奴じゃないねん。河原も酔ってて気が大きくなってだけで、普段は気の利く優しい半魚人なんやで」


ツ「ん?」


ボ「まあ河原が言うならって…使った俺も悪いんやけどさ」


ツ「え?ちょっと待って!君さっきなんて言った?」


ボ「まあ河原が言うなら」


ツ「違う違う!その前!」


ボ「普段は優しい半魚人なんやで」


ツ「半魚人?!!河原って半魚人なん?!」


ボ「え?そうやけど、なんか問題ある?」


ツ「あるよ!君は半魚人とご飯食べてたんか?!」


ボ「そうやけど」


ツ「そうやけど、って?!え?その半魚人の河原ってどんな見た目してんの?」


ボ「まあ簡単に言うと、魚顔で肌は水色で、水掻きが手にあるくらいやな」


ツ「ホンマの半魚人やん!そもそも半魚人やのに肉食べるんやな」


ボ「半魚人も肉食べるよ!それは勝手な偏見やで」


ツ「でも半魚人って何食べるとか知らんしさ」


ボ「いや……あのさ、もう河原の話は良いやろ!俺は今、海野にどうしたら許してくれるか一緒に考えてほしいねん!」


ツ「そうやな…ごめん、じゃあ続き聞かせて」


ボ「そんで皿を借りた後もお酒とか飲んだりして、河原に『半魚人で海に住んでんのに河原って紛らわしいよな〜』ってイジったら、河原が『それは言わんといてよ〜!』って言って2人で一緒に笑ったりしてさ」


ツ「おもんな!」


ボ「そんでまあ、借りたまま返すのを忘れててさ」


ツ「それは怒るわ。勝手に借りて返すん忘れんのはダメやに」


ボ「でも1週間くらいやで?そんなことで怒るって皿なだけに器が小さくない?」


ツ「なにを、ちょっと上手いこと言うてんねん!日数とかじゃなくて、勝手に借りて返し忘れた!これについて謝ったら許してくれるはずや!」


ボ「そうかな?」


ツ「間違いない!それ以外に理由ないやろ?もう『勝手に皿借りてごめん!』って謝ったら許してくれる!」


ボ「ホンマに?ありがとう!でもなぁ…」


ツ「なに?なんか不満なん?」


ボ「不満とかじゃなくて、海野が怒って殴ってきたらどうしようって思ってさ…」


ツ「それは仕方ないよ!一発くらいは殴られるのを覚悟しとかな」


ボ「でもカッパって力強いって言うやん?それが怖くてさ」


ツ「え?ちょ、待って!待って!」


ボ「どうしたん?なんか謝る新しいアイデア浮かんだ?」


ツ「違うわ!君が皿を借りた相手ってカッパなん?」


ボ「まあ、海野はカッパやけど」


ツ「まずカッパが友達なのにも驚いたけど、カッパで皿って…もしかして君さ、頭の皿を借りパクしたんか?!」


ボ「まあそうやけど」


ツ「そんなもん怒るに決まってるやろーー!!カッパにとって皿なんて体の一部やぞ!皿を持参って言ってたけど、体の一部を持参とは言わんやろ!」


ボ「そうかなぁ?」


ツ「だいぶ話が変わってきた」


ボ「どういうこと?」


ツ「皿を勝手に借りたのが普通の人なら、俺がさっき言ったやり方で良かったけど。相手がカッパは話が全く変わってくる」


ボ「さっきので良いと思うけどな」


ツ「ええわけあるか!もう誠心誠意謝ってこい!土下座して殴られて来い!お前はそれだけのことをした!」


ボ「そうか…ありがとう、なんかスッキリしたわ」


ツ「もう直ぐに謝って来いよ」


ボ「うん、ありがとう。あっ、ごめん。もう一個相談に乗ってほしいんやけど…」


ツ「え?まだあんの?」


ボ「俺、今彼女とケンカしててさ」


ツ「そうなん…経緯は?」


ボ「彼女が毎日のようにビキニ姿でリビングを動いてて、それを言ったら口論になってさ」


ツ「すごい彼女やね」


ボ「まあ、人魚だから仕方ないんだけどさ、どうしたら良いかな?」


ツ「もうしらねーよ!!」


2人「どうも、ありがとうございました〜」

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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