表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/19

15話

楽しかったなー

今まで、遊びに行こーって誘われなかったのに。


私はいつもより軽い足取りで家に帰る。

7月の暑さもいつもは辛いこの上り坂も、気分が良いとここまで違うんだな。


カラオケで早坂さんと一緒に歌ったのも楽しかったし、みんなにうまーいっていっぱい言われて結構本気で歌っちゃったな。

プロみたいって言われた時は、

まあプロですから?

と、言いたくなるくらい楽しかった。

そんな冗談を言えるような自信はどこにもないんだけどね。



そんな、楽しい気分になっているのは私は恋する乙女だからだ。

私がアイドルだって知っても今まで通り友達でいてくれるのが嬉しかったり、

レッスンをした後の帰り道も一緒に帰るってだけで元気が出てきたり、

大変な仕事があっても愚痴を聞いてくれて、面白い事があると山本くんに話したくなって…

恋ってここまで人を変えるんだな。


公園に差し掛かった時、小学生が楽しそうに遊んでるその奥のベンチで自分の好きな人と恋のライバルが一緒に話しているのを見つけてしまう。


脳の中に悪魔がやってくる。

話を聞こうぜ。

天使もやってくる。

ダメだよ。でも、聞きたいね。今回はいいんじゃないかな?


あれ、両方悪魔のような…


じゃなくて、ごめんなさい。

聞いたらダメだと思うけど、怖いよ。

あんな誰が見ても綺麗で人気な人と私なんかじゃ…


不安になってしまい、謝りながら近くに寄る。


「今日買ってもらった服、大事に着ますね」


「響くんのファッション残念だからなぁー。センスがほんの少しもないじゃん。」


「そんな事ないっすよ。めっちゃ才能あると思いますよ。」


「お姉ぇさんがこれから選んであげるね。

私、君の事好きになっちゃったから。」


美希さん、告白してる…

山本くんも楽しそう。

自分の好きな人の幸せそうな顔を見て辛いって感じるなんて。


恋って幸せなだけでなくて辛いんだな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ