第六百九十七話『はしくれにゃん』
第六百九十七話『はしくれにゃん』
《おハシくれにゃん、といってるんじゃにゃいんよ》
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「——ほぉ。
むぅっ、
とした顔で口をつぐんだ。
いい返したいが、
それをやったら、
またさらに突っこまれる。
ゆえに、
『黙っているしかない』
か。
気の毒なことだ——
ミスト殿。
もうそれくらいにしておけ」
「ミロネ、お願い。
見逃して。
あと、
ほんの少しでいいから。
わたしとしてはね。
この際、
せめて」
『たましい』
「を注ぎこんだ、
と」
『自分に胸を張っていえる』
「くらいまで、とことん」
「やるのはやめとけ、
といっている。
たましいが、
どうのこうのとか、
いっているが、
まるで芸術家気取りだ」
『霧の都』
「では」
『ぶっ壊し専門』
「の貴殿が、いつから」
『作品を造る側』
「に回った?」
「最初から、よ。
いぃい? ミロネ。
そもそもの話」
『創造』
「なるモノはね。
既存のモノを」
『破壊』
「することから始まるの。
となれば、
わたしのお務めも、
れっきとした芸術の一環。
となれば、
わたし自身だって、
どぉ少なく見積もっても」
『芸術家気取り』
「をはるかに超えて」
『芸術家のはしくれ』
「くらいには、
なるんじゃないかしら。
これはもう、
ご立派すぎるほどの」
『作品を造る側』
「のひとり、よ。
そうじゃなくって?」
《んにゃら破壊神のミーにゃんも芸術家……つづくのにゃん》




