第六百八十九話『危険とはいつも隣(とな)り合わせにゃん⑦』
第六百八十九話『危険とはいつも隣り合わせにゃん⑦』
《ミリアにゃんのご指名にゃんよ》
∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽
「ミアン殿」
「んにゃに?」
「これって」
『ヒト種族』
「がいうところの」
『貧乏くじを引いた』
「なのだろうか?」
「まぁまぁ。
——と肉球で、
『落とした肩』
に、
ぷにぷに、
にゃん——
そう力を、
落としにゃさんにゃ」
《ネコの慰めが功を奏して、ミロネにゃんも復活にゃん》
∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽
「だいぶ間があって」
『忘れられてる』
「かもしれませんので、
念には念を入れて、
今一度」
『ねっ。ミロネさん』
「とオレにフられても。
確かに困難であったのは、
まぎれもない事実だ。
なにしろ相手は霊樹。
幹や枝から、
自然放出される霊波は、
かなりの強さを持つ。
そして」
『枝分かれ』
「する数が多ければ多いほど、
霊波は拡散する。
もしも、それぞれの」
『枝の先端が指し示す方角』
「が一緒なら」
『霊力波による乱気流状態』
「などという、
天空の村においても、
まれな異常現象だって、
生まれないともかぎらない。
そして今回、
奇しくもそれが起きた。
にもかかわらず、
ミーナ殿は、
モノの見事に突破した。
この結果を鑑みるに」
『保守空間』
「に務め、常日頃」
『無理難題を押しつけられる』
「立場のオレからしても」
『その成功には敬意を評する』
「価値がある、とするのが、
妥当だろう。
……したがって」
「んにゃ」
『みんにゃあ!
盛大にゃる拍手を、
お願いにゃあぁん!』
ぱちぱちぱち。ぱちぱちぱち。
《割れんばかりの、としておこうにゃん》
∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽
「ふふっ。
ほら、見てよ。
ミーナ君ったら、
あぁんなにも」
『うれしそうな顔』
「して」
「ふぅぅむ」
「どうしたの、ミアン君。
向こうとは対照的に」
『うかない顔』
「なんかして」
「ミクリにゃん」
『あのまんまにゃら、
いいのにゃけれども』
《一抹の不安を覚えたもんで、つづくのにゃん》




