第六百八十二話『敵に見せるつもりにゃん③』
第六百八十二話『敵に見せるつもりにゃん③』
《待ちに待った大トリ、ミリアにゃんの出番にゃん》
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「そういうお方、
だったなんて」
『あなたもまた、
「敵に後ろを見せる」
おつもりなのですね』
「そうにゃんそうにゃん。
ミリアにゃんのいうとおり」
『あんたもまた敵に、
「お尻を見せる」
つもりにゃん?』
「んにゃらウチと一緒に」
たったったったったっ!
『ああっ!』
「なんということでしょう。
理由も判らないまま、
私の元から離れていく、
どちらのお尻からも」
『愛』
「が感じられないなんて。
……そして、
それはとりもなおさず」
『逃げられた』
『またひとりぽっちに戻った』
「などという、
笑うに笑えない、
冷酷なる事実が」
『私に突きつけられた』
「にほかならないのです」
《まぁ笑えにゃいにゃろうにゃあ》
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『理由も判らないまま』
「とか思わず」
『口走って』
「しまいましたけどぉ」
『負け惜しみ』
「とか、
そういうんじゃなくって、
私としても」
『いつか、この日がくる』
「って、
うすうす気がついては、
いましたよ。
ホントにホントですよ」
『やめなくちゃ』
「と思ったのだって、
何度あったか、
知れやしません。
でもね。
なぁんとなぁく、
な感じに」
『こうなったら、
行けるとこまで、
行っちゃえぇっ!』
「って、
突っ走りに、
突っ走ってしまって。
気がついたら、
愛の化身な自分ですら、
もはや、
どうにも
とめられなくなって……」
『はあぁ』
「自分ながら、
知らず知らずのうちに、
ため息をもらすほど」
『とても口には出せないマネ』
「なるもんを、
ちとやりすぎたようですね」
《ひどすぎるマネにゃもんで、ウチも口に出せにゃいのにゃん》




