第六百七十四話『奇跡とくれば愛にゃん⑨』
第六百七十四話『奇跡とくれば愛にゃん⑨』
《あきらめてこそにゃん》
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「ついでながら」
「うん?
なんなのわん?」
「もう、
お察しかとは思いますけど、
私が、ですね」
『気まぐれ』
「なのも」
『愛』
「だから、
に、ほかなりません。
ですので、
今後もなにかと、
ムカッ、
とくることが」
『あるかも』
「……いえ」
『必ずある』
「と確信していますので、
そうしたあかつきには」
『こうなったのも、
すべては身の不運。
遠い前世からの、
宿命なのわん』
「とかなんとか、
自分にとって」
『一番あきらめやすい理由』
「を見つけて、
でもって、
即、あきらめて、ですね。
まるで、
何事もなかったように、
これまでどおり、
いえ、
それ以上、
でもかまいませんので」
『よろしく、
おつき合いのほどを』
「と願ってやみません。
……などと、
いい分けじみた」
『言葉の羅列』
「を並べなくちゃ、
いけなくなるくらい、
ホントにホント、
残念ながら、
こればっかりは、
どうしようもないのですよ。
はい」
『ちっ』
「——と思わず、
舌打ちなのわん——
やれやれ。
アタシったら、
なんたるドジを。
いっくら、
友だち、とはいえ、
よりにもよって、
ミリアんの欠点を、
たとえ一つでも」
『あって当たり前』
「とさせる」
『つまんない口実』
「を与えるきっかけを、
造っちゃうなんて。
……あっ、そうだ」
くるりっ。
「——って、
大の親友に、
お顔を向けて、と——
ねぇ、ミアン。
んれって、
人間でいうところの」
『アタシも、
焼きが回ったかなぁ』
「になるのわん?」
「ふぅぅむ」
『焼きダンゴ』
「にゃるもんを、
食べさせてくれたら、
あるいは判るのかもにゃあ」
《ネコにゃもん。『気まぐれ』は当然にゃ……つづくのにゃん》




