第六百六十一話『どっちが先に着いたのにゃん』
第六百六十一話『どっちが先に着いたのにゃん』
《考えることはおんにゃじにゃん》
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『はぁはぁはぁ。
ど、どぉ?
間に合ったのわん?』
「おや?
ミーにゃんじゃにゃいの。
てぇっきりのきり、
に、
ここには、
来にゃいもんとばかり」
「を引っくり返して、
参上したのわん。
脇目もフらずに、
ぶっ飛んできたのわん。
なもんでアタシにも、
おやつを」
「おやつにゃって?」
《ひょっとして、あれにゃん?》
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『よもぎダンゴ』
「の最新版にゃら、
とぉってものても、
に、
おいしかったにゃんよ。
——そうにゃん。
ネコとはいえ、
『ごちそうしてもらった』
のにゃもん。
『お礼』
くらいはいわにゃいと——」
くるりっ。
「ミムカにゃん、
ありがとうにゃん」
「これはこれは。
おほめにあずかり、
光栄にございますです。
はい」
「ちょ、ちょいと待つのわん。
ってことはもう」
「さっき、
お約束したとおりにゃん。
ミーにゃんの分まで、
ぺろり、
と、
たいらげちゃったにゃんよ。
にゃもんで、
心ゆくまで安心してにゃん」
『うわん!』
「どうして、
んなにも早くっ」
「するしかにゃいんよ。
にゃあんせ」
『生菓子』
「にゃもん」
『ちょっとの遅れが命取り』
「って、
はた、
と気がついてにゃ」
『痛んではいけにゃい』
『風味を、
そこにゃってもいけにゃい』
「を念頭に走っていたら、
いつの間にやら」
『光弾』
「とにゃっててにゃ。
気がついたら、
ミムカにゃんの元へ、
到着してたのにゃん」
「……なぁんだ。
アタシと同じかぁ。
——アタシとミアンは、
『イオラの命を、
分け与えられてる』
こともあって、
なにをやるにしても、
実力伯仲。
モチ、光弾の速さだって。
んなら先んじたほうが、
早く着くのは、
当ったり前の前なのわん——
ちぇっ」
『とほほのほ』
「なのわん」
がくっ。
《ミーにゃん。『お疲れさま』でしたのにゃん》




