第六百六話『しっくりくるのにゃん』
第六百六話『しっくりくるのにゃん』
《にゃもんでウチもミーにゃんのおそばにいるのにゃん》
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「ねぇ。
今度は、
わたしが質問してもいい?」
「どうぞ」
「さっき、いってたわよね」
『ドナ。さよなら』
「じゃ」
『悲しみを含んでいるようで、
キラい』
「とかなんとか」
「ええ」
「あれがダメなら、
なんていえば、
いいのかしら?」
「そりゃあ、よく使われる」
『出かけてくるわね』
「もしくは」
『行ってきまぁす』
「あたり、であれば」
「なぁるほどね。
もっともな意見だわ」
「でしょ?」
「とはいってもね。
わたしには」
『さよなら』
「のほうが、
……なぁんていうかぁ、
……そうそう」
『しっくりくるの』
「どうしてよ?」
「あなた相手に」
『あらためて、
いうまでもない話』
「なのだけどぉ。
ここは」
『霧の都』
「つまり」
『霧の見る夢』
「の中、であって、
そして、
わたしたちは、といえば」
『霧の妖精』
「という、
霊体の中でもとりわけ」
『神秘で希薄な存在』
「なのよ」
『ふふっ』
「あなたって、
ホント、好きねぇ」
「えっ」
「ご自分を」
『神秘』
「呼ばわりするのが」
「あら。悪い?」
「悪くはないのだけどぉ。
実際に、
ここでやってることを」
『考えたらねぇ』
「だったら」
『考えなきゃいいのよ』
《にゃあるほろぉ、って、一理あるもんで、つづくにゃん》




