第六百五十七話『おかたづけにゃん』
第六百五十七話『おかたづけにゃん』
《かたじけにゃいのにゃん》
∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽
「オモチャ箱の中身をね」
『はてはてはて?
一体どんなもん、
入れたんだっけ?』
「なぁんて」
『はちきれんばかりの好奇心』
「でもって、
これでもかこれでもかぁっ、
って」
『鬼は外ぉっ!』
「みたいに、そこら中」
『ぶちまけた』
「までは、
名誉ある」
『大変よくできました』
「が記された」
『はなまる採点』
「だったなぁ、
って自分で自分を」
『ほめてやりたいのわん』
《イオラにゃん、怒ってにゃかった?》
∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽
「んでもね。
あとがいけないのわん」
『ついうっかり』
「したのか、んれとも」
『めんどう』
「だったのか。
どっちなのかは、
忘れちゃったんだけどぉ。
とにかく、
どっちかが理由で」
『かたづけない』
「まま、
遊びに行っちゃったもんで、
当然ながら、
帰ってきてからも、
惨状は変わらず。
なもんで、
アタシの前に、
立ちはだかって、
ぴぃぽぉぴぃぽぉ、
やかましく鳴ってる」
『黄色ランプだけの信号機』
「という一風変わった、
お化けになったイオラに、
どっかの星の昔風な感じで」
『かたじけない』
「って、
わびてみせたら、なんと。
ランプのすぐ下が、
お口みたいに開いて」
『かたづけなさい』
「の一言で」
『かたづけられた』
「もんで、
アタシとしても」
『かくなるうえは、
しょうがないのわん』
「とばかりに」
『かたづける』
「しかなかったのわぁん」
『んで、おしまいにゃん?』
「んで、おしまいなのわん」
《どうやら、このおしゃべりも無事『かたづいた』ようにゃん》




