第六百五十六話『めくるめく物語にゃん』
第六百五十六話『めくるめく物語にゃん』
《みんにゃがみんにゃ、芸術家ににゃるのにゃん?》
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「みんながみんな」
『自分勝手』
「になったとしたら」
『どんな世の中になる』
「と思われますか?」
『はいっ!』
「では、ミムカさん」
『フィーネ先生!』
「喜ばしくも」
『個性の時代、到来』
「にございますですよぉっ!」
《ひょっとして、『学校物語』にゃん?》
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「なので今こそ」
『芸術』
「に腕を磨く絶好のチャンス、
とばかり、このミムカ。
本物そっくりのくり、な」
『ミリアのロウ人形』
「でも制作し始めようか、と、
こしたんたん、
と、ねらっておりますです」
「私そっくりの、ですか。
でもどうやって?」
「はてさて。
どうやって、
にございますですかね」
じろっ。じろじろっ。
「——まさか、
ロウを私に、
なんて——
じょ、冗談ですよね。
ミムカさん」
『はい』
にっこり。
『少なくとも今は』
「にございますですが」
『きゃああぁぁっ!』
《ちょいと目をはなしたスキに『ホラー物語』にゃん》
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「……なぁんて。
ミムカさん。
ホントにホント、
冗談は顔だけに」
「したら」
くるりっ。
「——と、
『フり向くタイミング』
があるとすれば、
まずは、ここに、
ございますですよね——
こぉんな顔に、
なりましたですが」
『きゃああぁぁっ!』
「私のミムカさんが」
『のっぺらぼう』
「にぃっ!」
ばたっ。
ぶくぶくぶく。
「なぁんとまぁ、
お口から泡を吹いたまま、
気を失って、
おしまいになられるとは。
——自分で化けてて、
こぉんなことをいうのも、
なんなのに、
ございますですが——
ミリア、
あなただって」
『れっきとした霊体』
「ではありませんですか。
なのに、たかが」
『のっぺらぼう』
「ごときで、このザマ。
まったくもって、
情けないにも、
ほどがありますですよ。
……ああ、それと。
ミムカは」
『ミムカのミムカ』
「であって」
『私のミムカさん』
「にございませんです。
あしからず」
《またもや目をはなしたスキに『お説教物語』にゃん》




