第六百三十三話『もちっとネコを知ってにゃん』
第六百三十三話『もちっとネコを知ってにゃん』
《長いこと一緒に暮らしているのにゃよ》
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「ミーにゃんに、
ちと」
『おうかがいする』
「のにゃけれどもぉっ!」
《にゃあんて不意打ちを食らわしてみましたのにゃん》
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『うわわん!』
「——いつにない、
『油断したすきをねらって』
の急降下爆撃的質問が、
よもや、
『良い子』
で名高いアタシの身に、
降りかかってくるなんて——
ちょ、ちょいと待つのわん
んまだ、
心の準備ってもんが」
「ミーにゃんミーにゃん。
んにゃにも、
身がまえる必要にゃんて、
さらさら、にゃいんよ」
『ほっ』
「んれを聞いて、
たちまち」
『心すこやか』
「となるくらい、
安心したのわん。
ならば早速」
べたあぁっ。
「……にゃあんて」
『床の上に、
とろけたって、
かまわにゃいのにゃん』
「と誰がいったのにゃん?」
《ネコ相手とはいえ、聞く耳ありそう、にゃ態度で頼むにゃん》
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「質問」
『ぜんざい』
「には」
『焼きおモチ』
「んにゃら」
『ミーにゃんの繊細』
「には」
『にゃあにがお似合いにゃん?』
《はてさて。『ミーにゃんのお答えはいかに?』にゃん》
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「へっ?
んなこと、
急にいわれたってぇ。
ええと、
ええとぉ……」
『はっ!』
「という間に」
『ひらめいたのわん!』
「にゃはやっ!」
《たずねるのもひらめくのも『不意打ち』とはにゃん》
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「なにを隠そう」
『アタシの繊細』
「には……ズバリっ!」
『ミアンのがさつ』
「がお似合い。
ぴぃったりたり、
なのわん。
誰がなんといったって、
んれにかぎるのわぁん」
『あのにゃあ』
「んれって」
『ひらめき』
「じゃにゃくって、
たにゃの」
『思いつき』
「にゃんよ」
《毛つくろいに余念のにゃいネコのどこが『がさつ』にゃん?》




