第六百十六話『静かに時が流れていくのにゃん』
第六百十六話『静かに時が流れていくのにゃん』
《ミーにゃんのそばにゃと考えられにゃい異常気象にゃんよ》
∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽
『こらああぁぁっ!』
どっがああぁぁん!
『大変なのわぁん!』
どっがああぁぁん!
《と納得の波乱万丈にゃもんで、お話の続きを始めるのにゃん》
∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽
「ドナ。
あなたが今、
いったように」
『わたしたちのお務め』
「って、
仲間の妖精がこしらえた」
『創作品』
「を、そりゃあもう」
『片っぱしから、
ぶちこわす』
「こと。
あなたとわたしのように、
どんなに」
『見た目』
「が違ってたとしても、
作業それ自体が」
『荒っぽい』
「なのは変わりないわ」
「まぁね」
「そして」
『なぜ、
こんなことをするのか?』
「といえば、
これまた、
あなたのいったように、
実は、
霧の妖精たちが」
『新たな作品を創り出す、
そのスペースを設けるため』
「にほかならないの。
いい換えれば、
わたしたちの」
『壊す荒っぽさ』
「があってこそ」
『創り出す静けさ』
「もまた、
生み出されってわけ。
そうよね?」
「ええ」
「こういった事実や」
『日常の暮らしぶり』
「などを踏まえて、
全体として鑑みるに、
ここ」
『霧の都』
「は」
『静かに時が流れている』
「ゆっくりとやさしく。
霧の妖精たちの命もまた、
時の流れにそって、
静かに、
そして、
ゆるやかに流れていく。
ドナ。
わたしにはね。
そんな風に、
感じられてならないの」
「その点については、
わたしさまも、よ。
ミスト」
《ウチ、にゃあんか『おネム』したく……つづくのにゃん》




