第六百十三話『ムキにもにゃるのにゃん(前座(ぜんざ)編)』
第六百十三話『ムキにもにゃるのにゃん(前座編)』
《縦と横。どっちムキにゃらいいのにゃん?》
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『はっ!』
「なぁるほろぉ。
アタシが」
『こらこら。
んじゃなくって』
「とかなんとかいったら、
しめた、とばかりに、
すかさず」
『ムキィィッ!』
「とかするつもり、
だったのわん。
んでもね。
こうみえても、
アタシはかつて」
『迷探偵』
「と呼ばれたミーナ」
『んな、
ちょこざいな手に、
まんまとはまって、
たまるか、なのわん』
「とばかりに」
『先手を打って』
「アタシ自身が」
『ムキィィッ!』
「どぉ? ミアン。
今度という今度こそ、
ぐぅの音も出ない」
『にゃん』
「……代わりに、
ネコよろしく、な感じに」
『小さくてカワイい鳴き声』
「なんて、
あげられてしまったのわん。
もはや万事休す。
なもんでこの際」
『責任を取って』
「との意味にもなる、
って固く信じることから、
これまで禁断とされてきた」
『一度ならず二度までも』
「を、
あぁっさりのさり、
と打ち破る、
まさに」
『奇想天外』
『空前絶後』
「な、とんでも妙策」
『またもや、
先手を打って』
「でもって」
『お話の続きを始めるのわぁん』
《と『先手を打って』されたもんで、……つづくのにゃん》




