第六百十一話『へったくれもにゃいのにゃん』
第六百十一話『へったくれもにゃいのにゃん』
《こっちが本筋の筋にゃお話にゃんよ》
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「そうね」
『ただそれだけのこと』
「よね。
うんうん」
『ただそれだけのこと』
『ただそれだけのこと』
「っとぉ」
『ただそれだけのこと』
「ではあるのだけどぉ。
それでもっ。
あぁんな」
『力技』
「をこれでもかこれでもか、
って繰り出してくるさまを、
毎日毎日、
えんえん、
と見せつけられてる、
こちとらにしてみれば」
『まったくもう。
あぁんなの、
神秘も、
へったくれも、
ないじゃない』
「との結論に達したって」
『なぁんのフシギもない』
「でしょ?」
《んにゃ。にゃあんもフシギじゃにゃいのにゃん》
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「にゃあって。
ミーにゃん」
「うんうん。
まさしく」
『我が意を得たり』
「なのわん。
んで、ミアンは?」
「モチ。
聞くまでもにゃいのにゃん。
にゃあんせ」
『ウチは化けネコ』
「んなら」
『アタシは、
イオラの樹に咲く花の妖精』
「にゃのに……ぶふっ」
『神秘も、
へったくれも、
にゃいもんにゃあ』
「そうそう。
きゃはははっ」
「にゃはははっ」
「ほらほら。
イオラも笑って。
きゃはははっ」
『……あなたたち、って』
《イオラにゃんはあきれ顔で、フィーネにゃんの元へ、にゃん》
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「……なぁんて笑ってばかり。
ねぇ、フィーネちゃん。
ひとりの母親として、
ワタシは、
どうしたらいいのかしら」
「聞くまでもありません。
イオラお姉さま」
「というと?」
「ご一緒に」
『笑えばいいと思います。
はい』
「あら。
そのセリフ、
どこかで聞いたような……」
「お姉さま」
『小さいことを、
気にしてはいけません』
《んにゃら、気にしにゃいもんで、つづくのにゃん》




