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犬が西向きゃ尾は東

「はぁー…」

大きなため息をついたのも何時ぶりだろうか。本当に久しぶりな気がする。それくらいの事が起こったのだから仕方ない。

10分前…




「…それってどういう意味だよ…?」

突然妹から告白の様な物を受けたのだ。当然の反応である。いや。ある筈だ。

「は?家族としてって意味だよ。何顔赤くしてんの?バッカじゃねーの。」

そういう事か…と納得したかったのだが…

「お前めっちゃ顔赤いぞ。」

「!!」

顔を赤くしていきなりそっぽ向くもんだからなんとも言えない。どうしたもんか。

「う…うっさい!」

「は……はぁ?」

うーん。こう見てみると俺の妹は案外ツンデレ気質なのかもしれない。付き合う人が出来たら大変だろうな…

と、突然

「ら…来週の日曜日!ちょっと行くとこあるから!お兄ちゃんも着いてきて!分かったか!」

なんでそんなに偉そうなんだよ…青葉がなんか言ってきそうだが…

「へいへい。分かった分かった。何時くらいからだ?」

「9時半」

はっや!?なんでそんなに早く行かなきゃ居ないんだよ!という気持ちは心の奥にしまいつつ…

「分かった。んじゃその日は予定空けとくな」

「当たり前でしょ!」

なんなんだよ…



と言った具合で。妹にツンデレ属性がある事が分かったところで少し考える。たしかに最近美久に構う事はなくなってはいた。もしかすると寂しいのかな……でもそれで寂しいなんて言うような奴じゃないはず。

ふと時計を見ると10時を過ぎていた。そろそろ寝なければ……そう思いながら布団に入る。次の日の目覚めは意外と良かった。




1人の妹を持った兄の朝は早い。毎朝6時ピッタリに置き、着替える。その後リビングで朝飯を作り奴(妹)の部屋まで届けなければならない。もうなんか面倒だし目玉焼きで良いか。

朝飯を作りながらテレビを見るとちょっと怖いニュースが。

「ベットで寝ていた来栖くんは既に息を引き取っていました。」

どうやら俺と同じ高校生が亡くなったそうだ。安楽死だろうか。と思っていると…

「今日の天気です。まず熱中症に気おつけましょう!」

青葉……やばそうだな。

朝飯を作り終えてすぐ、青葉の家に向かう。あいつの事だからエアコンガンガンにしながらゲームでもしてるだろうか。

いつも通りチャイムを鳴らす

『…!?厚生!?ち…ちょっと待って…』

何をそんなに焦ってるんだ…

五分ほどした後…

ガチャッとドアがご開帳。

「入るぞー」

ドアを開けた瞬間。飛んでもない暑さの熱風が家の中から出てきた。おいおいマジで青葉大丈夫なのか……?何だか不安になってリビングまでかけ出す。

「おい青葉!大丈夫か!?」

その目の前にいたのは、

だらーんとTシャツ1枚を着ているだけの青葉だった。

「な…お前…服着ろ!!」

「着たの!というかさっきまでは寝癖もやばくて!来る時は言ってよ!!」

「ごめん!でもその格好は風邪ひくぞ!?というか来るって昨日言ったし普通に毎日同じ時間に来てるよね?」

「なんか今日早かったじゃん!というかなーにさ。心配してくれてんの?」

俺はさも当然のように

「当たり前だろ。彼女なんだから」

沈黙。

なんかもどかしい…凄くもどかしい!

「ありがと…」

ボソッと呟いたその言葉に俺はハートをぶち抜かれた訳だが。

今日は朝ごはんは目玉焼きが食べたいとの事なのでさっきも作ったし手馴れたもん。そして飯を食い終わり…

「よし!将棋するぞ厚生くん!」

ドンッと将棋盤を置く青葉。

「良いけど…俺そんなに将棋やった事ないし弱いぞ?」

「返って結構だよ!」

こいつ…自分が勝てると思ってる奴としかやらないやつだ…

「それじゃ…いざ尋常に…」



「「勝負!!」」



「なんで勝てないのぉぉぉ!!」

結果は10試合中10勝0敗で俺の圧勝となった。だって青葉。攻撃しかしないで防御全くしないからな。馬鹿なヤツだ。

「もう知らん!帰って結構!」

なんだコイツ…

「明日学校だからな?」

青葉は「分かってますよぉー」とだけ言ってまたダラダラしだした。全く世話のやける奴だ…




家に帰るとまたも美久が仁王立ち。

「…今度はなんすか」

「今日も行ったんだ」

当たり前だろう。あいつ俺がいないとヤバいし…

隠す必要も無いはずだ。

「あぁ。行ってきたがそれが何か?」

妹の顔を見ると…

「!?な…泣くなよ…?」

「泣いてないし!お兄ちゃんのばか!」

ひ…ひでぇ!!こいつひでぇ!!

「そ…そんなこと言わんでも…」

「ぐすっ…」

というかこいつ情緒不安定過ぎない…?

「…し…かった…」

「へ?何?」

ほんとに小声で言うもんだからよく聞こえなかった。すると。

「もう知らん!でも日曜は絶対だからね!」

はぁー…とまたため息。2日連続なんてのも久々かもしれない



よし。寝るか。もう時間も時間だし勉強もここらで終わりにしよう。

着信音がなる。もうビビらんぞ。

誰からだろうか。と。青葉か。

「もしもし?」

『あー!もしもし?』

「どうしたよ?」

『いや。来週も毎日来てくれるの?』

そりゃ…と言いかけて思い出す。日曜日は妹との約束があった。

「いや。日曜日は行けない。予定がある。」

『ほう?予定とは?』

「妹が買い物に付き合って欲しいんだとよ。」

しばしの沈黙のあと…

『…へぇー?』

『へぇーーー???』

こ…怖ぇ!!俺が何したって言うんだ!!

『なんだい?私よりも妹の方が大事で大好きと。』

「そんな事言ってないだろ…」

『そんなふうに聞こえるの!!』

理不尽過ぎる…

「んじゃあ言っておこう。俺が宇宙で1番好きなのはお前だ。毎日帰ったあともずーっとお前に会いたくてウズウズしてるくらいな。で妹も大事な家族なんだ。」

『…そんなに恥ずかしいセリフ良く言えるね…!!こっちまで寂しくなってきたじゃん!』

「というかお前は早く寝ろ。」

『へいへい。んじゃぁね!日曜日は楽しんでー。』

プツッ

俺があいつの事が好きなんて犬が西向きゃ尾は東。当たり前だろうに。そう考えながら今日も眠りについた。

というか妹はなんで泣いたんだろうか……考えれば考えるほど謎は深まるばかりであった。

どうも。ずんだです。2話ですよ!2話!という事で。実はですね。この2話。全然アイデアが出なくてですね。ちょっとヤバかったです。お風呂様に救っていただきました。ありがたや。そして何より!1話上げたあとにですね!なんとブクマが着いたんですね!ありがとうございます…!!PVも100超でした。ありがとうございます。さぁ。今後どう進んでいくのか楽しみにしていてください!

次回は新キャラ結構出す予定です!それではっ!

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