お姉ちゃん
目覚ましの音で目が覚めた。
どうやら昨日の夜、つい習慣でアラームをセットしてしまったらしい。今日は日曜日だっていうのに、9時に起きてしまった。
まあたまには日曜の朝に早起きもいいか。
そう思い、私はベッドから上半身を起こすと。
目の前にお姉ちゃんが居た。
正確には部屋の角に斜めに置かれている化粧台の鏡に向かって、化粧をしているであろう姉の後ろ姿が目に入った。
どっか遊びに行くのかな?
「お姉ちゃん、朝早いね。どっか出かけるの?」
反応はなし。無視かよ。
……いや、微かに鼻で笑ったような声が聞こえる。よく見ると肩も震えている。
不思議に思い、ベッドから化粧台の鏡を覗き込む。
「うっわ!何これ!」
鏡には、寝癖で頭がボワンボワンになった私が写っていた。
なるほど…これを見て笑ったのか…。
ていうか昨日どんな体勢で寝たんだ私…。
「はぁ…髪洗お……」
そう言いながら、私はベッドから降り1階のリビングに向かおうとした。
が、部屋を出る直前になぜか違和感を覚えた。
あれ?
…あれ?
んんんんん?何かおかしい。……?
何気なく姉の方を振り返ると、まだ肩を震わせて笑っている。
………人の寝癖がそんなに面白いか。さっきから顔も見せないで……。
「はぁ…気のせいか…。」
私は階段を降り、リビングに行った。
1階に着くと、とてもいい匂いが私の鼻の前を通った。
「卵焼きかな…?」
台所を覗くと、母が朝ごはんを作っていた。
「あ、美穂、おはよ。今日早いね。いつもは昼まで寝るのに。」
「うーん。目覚まし間違えてセットしちゃったから早く起きちゃった。」
「そっかそっか。てか寝癖酷いよ。」
「それ言わないでよ〜。さっき部屋でお姉ちゃんにも笑われたのに。」
私はそう言って、洗面台に向かおうとした。が、
「え?どういうこと?」
母親に呼び止められた。
「いやだから、さっき部屋でお姉ちゃんに笑われたんだって。この寝癖で。」
「…お姉ちゃんなら…8時くらいに出かけていったけど…。」
?
……????
ん?何を言ってるの?
「えー?何言ってんの?さっきだってお姉ちゃんが部屋で」
「部屋で…」
部屋で…
その瞬間、全てが繋がった。
私はすぐさま母の手を握ると、一目散に玄関に向かった。
途中で2階からドンドンという大きな音と、
「ぎゃははははハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!!!!」
という姉の笑い声が聞こえたが、無視して外に出た。
息を切らしながら、私と母は家の前の通りに出た。
通りを歩いている人にジロジロ見られているが、今はそんなこと言ってられない。
私は呼吸を整えると、ゆっくりと家の方を振り返った。
1番先に視線が行ったのは、私とお姉ちゃんの部屋だった。
その理由は、
"お姉ちゃん"が、、、
居たからだ。
窓にべったりと。
べば、へばりついて。
じっくり、と、顔を見せて。
朝、部屋にいる時は、1度も見ることがなかった。
その顔をわ、私は、見た。
見てしまった。
見てしまった。
お久しぶりのぶり大根です(激寒)




