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魔王との対峙
目の前に魔王がいる。
俗に言う最終決戦。
……いやぁ、勝つって分かってても緊張するなぁ。
魔王が放つオーラに多少ビビりつつも歩を進める。
今まで戦ってきた敵と違い、軽装。そこから余裕が垣間見える。
燕尾服を身に纏う老紳士。見た目は優しそうだがオーラが違う。
装飾が物々しい椅子に鎮座しこちらを見据えていた魔王が不意に口を開く。
何を言うのか、その場にいた全員が何をする訳でもなく、魔王をただ見つめている。
「……さあ、始めようか」
その一言でこの場を支配してしまうかの様だ。
「流石に簡単には勝たせてもらえないっぽいね」
柄にもなく冷や汗を垂らし、震える声を誤魔化しつつそう発するのが精一杯だった。
例えこれが、僕の勝利が決まった戦いだとしても。
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