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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

騙されて***を失う世界#1

作者: 弐ル

#1 恋の病から発展する欝END

 

 ありきたりな欝話。

 フィクションかノーフィクションかは

 神のみぞ知る。













 その女の子は彼を愛していた。

 愛故に全てを捧げた。

 身体も、心も、信頼や感情も。


 お金を。


 ------------------------10



「わりぃ...ちょっと金貸してくんね?」

「え、良いけど 幾ら?」

「1万」

「うんっ いいよ!」

「わりぃな あんがと」


 始まりと終わり。



 ----------------------9




「やべぇ...事故った...。」

「え!?大丈夫っっ!!?」

「ああ 俺は大丈夫なんだけど...

 相手が..さ...。」

「もしかして...人身事故!!?」

「あぁ..そうなんだよ....

 それで..金を請求された...。」

「...幾ら?」

「500万」

「500万!!? どうすんのよ!!?」

「どうしよう..まだ相手は骨折だけで済んだけど そんな金ねぇよ..俺...」

「....分かった。今すぐは無理だけど私もバイトするから一緒に少しずつ返してこ?」

「いいのか...?」

「いいわよっ だって私は君の彼女だもん。嬉しい事、幸せな事、不幸な事。全て一緒!分かち合うのが、彼氏彼女じゃない?」

「...本当にすまねぇ...!!」

「うんっ!これから頑張っていこ?」

「ああっ!!!」


 こうして2人はドン底ながらも

 確かな愛を糧に、永遠と寄り添い合いながら未来へと歩むのだった。 〜Happy End〜




 ------------------8











「いいわよっ だって私は君の彼女だもん。嬉しい事、幸せな事、不幸な事。全て一緒!分かち合うのが、彼氏彼女じゃない?」

「...本当にすまねぇ...!!」

「うんっ!これから頑張っていこ?」

「ああっ!!!」


 そして数ヶ月後。



「取り敢えず完済出来て良かったね!」

「ああっ!! ってか、あんな金どうやって手に入れたんだ?」

「まぁ うん ちょっとねっ..」

「まさか 風俗とか行ってねえよなっ!!」

「ううんっ!!そんなんじゃないよっ!!!友達に借りたんだっ」

「お前..大丈夫かよっ...。」

「大丈夫!!少しずつ返してるしっ!だいたい風俗とか絶対に嫌。

 君以外に身体見せたくない、触られたくないもん。」

「ああ...悪かった疑って。」

「だから心配しないで」



 ---------------------7




 電話が鳴る。彼からだ。



「なあ...折り入って悪いんだけど」

「どうしたの?」

「やっぱさぁ...。俺達別れない?」

「え...? 何..言ってんの...?」

「正直...お前飽きたわ。」

「は...?え..ちょっとふざけないでよ!!!!」

「ふざけてねぇよ」

「私何のために君を尽くしてたのよ!!トラブルの時だって借金の時だってっ!!!!」

「あぁ...悪かったな。」

「悪かったって...あんた...」

「ま そういう事だから じゃな」

「ねぇ ちょっ-----」


 電話が切れた。


 突然の事だった。一瞬で消えた。

 私の心が。 今、私はどんな顔で

 笑ってる? 私はどんな顔で泣いてる?


 あぁ..やっぱり。


 泣きながら笑ってる。 目が死んでるけど。


 愛故に。




 愛故に愛故に愛故に愛故に愛故に愛故に愛故に愛故に愛故に愛故に愛故に愛故に愛故に愛故に愛故に愛故に愛故に愛故に愛故に愛故に愛故に愛故に愛故に愛故に愛故に愛故に愛故に愛故に愛故に愛故に






 愛故に。




 ------------------------6



<昨日、殺人罪として@@@@容疑者が逮捕されました。

 動機を伺うところ、「当然な事をした」とその一言のみを繰り返し呟いてる模様です。詳しい動機を現在取調べ中の事です>


 Bad End








 -----------------------5


 ねぇ?これって「騙されて***を失う世界」だよね。


 これって騙されてないよね。


 それじゃあ 別の時間軸に行ってみようか。



 -------------------------4




 電話が鳴る。彼からだ。



「なあ...折り入って悪いんだけど」

「どうしたの?」

  「金..金かしてくれねぇか?」

「は...?何言ってるの...?」

「やられた...詐欺にあっちまった...」

「え...?嘘..。」

「マジだ。 1000万」

「1000万...無理よそんな金...」

「頼むっ...!!じゃねえと 俺、殺される...!!」

「殺されるって...何よそれ...。」

「なぁ...助けてくれよ...」

「でもそんな金...」

「お前...顔も可愛いしスタイル良いからさ風俗とか働かねぇか?」

「は???風俗!!?嫌よ!!絶対!!!」

「俺の知り合いで高収入の風俗知ってんだ..そこで働いてくれよ」

「絶対に嫌!!この身体は君だけしか触られたくない!!」

「今はそんな事言ってる場合じゃねぇだろ!!!!! 俺死んじまうんだぞ!!!!」

「でも...」

「でもじゃねぇよ!!!いいから行けよ!!!!」


 電話が切れた。


 今 私はどんな気持ちだろうか。

 自分なのに自分が分からなくなった。

 彼氏の命。お金。風俗。

 何よこれ...。



 -------------------------3



 へぇ君は新人の@@@@ちゃんかぁ 可愛いねぇ。


 ありがとうございます。


 お 照れてちゃんなのかな 指名して正解だったなぁ へへへ


 い いえ そんなっ


 へへへ...じゃあ早速始めようか...。


 --------------------------2



 気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い。

 汚された。

 彼だけの物だった身体が汚された。


「おおっ!!めっちゃ稼いでんじゃん!!あんがと!これからもこの調子で頼むわ!!!」



 ------------------------1









 私、どれぐらい稼いたんだろ。

 私、どれぐらい彼に会ってないんだろ。

 私、どれぐらい彼に貢いたんだろう。

 私、どれぐらい汚れたんだろう。




 電話をかける。



「ねぇ...私達最近会ってないね」

「ん?ああ そうだな。




 で?」




「で?って何よ...。」

「いやお前は黙って稼いで来いって。」

 電話が切れた。





 --------------------0



 今日もお店に行く。


 道中。



 笑いながらカップルが歩いてる。

 羨ましいなぁ。










 私も【その隣】に居たかったなぁ。









【それ】を見た時からだろうか。


 私は、どれだけの価値があるだろうか。

 私は、どれだけ稼げるだろうか。





 私は、自分を知ってるだろうか。


 おじさん。お金。風俗。性欲。



 私は、ちゃんと愛されてるんだ。







 皆に。



 あぁ...今日も楽しい1日が始まるんだ。


 騙されて自分を失う世界


 〜End〜


皆様も気を付けてね。

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