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第三十一話 試験(3)

 ジーン達が転移してきたのは森の中だろうと推測される。周りは木で囲まれていてるが、閉塞感は感じない。

 目の前には泉があり、とても心地よい空間だと自然に身体が感じ取る。


「……落ち着く場所だね」


 すぅ~っと新鮮な空気を感じながらミィが言う。


『うん。僕、ここ好きなんだ』


 前に一度着たことのあるミカもそれに同意する。


「ミィちゃんにも気に入ってもらえて嬉しいわ」

 

 うふふと笑いつつ水の大精霊が言う。ここは水の大精霊が生まれた場所らしく、一番落ち着く場所なんだとか。


「場所も決まったことだし、試験を始めるぞ」


 火の大精霊が強力な結界を張りつつ言う。火の大精霊からの試験は激しいものではないようだが、念のためということだろう。


「私たちはあっちでお話ししてましょうか」


「は、はい。分かりました」


 水の大精霊は、ミィを連れて結界から出ていく。ミカはジーンと一緒に試験をするので、ジーンのそばに近づいていく。


「……よし! まずは、何をすればいい?」


 ジーンは気合を入れ直し、火の大精霊へと問いかける。


「うむ。先ほども言ったが、俺の試験では二つの力を身に着けてもらう」


『圧倒的な火力と、攻撃範囲だったよね』


「そうだ。ジーンもミカも、大規模殲滅を目的とした魔法を扱えないんだろ?」


「そうですね。全力でも半径数十メートル程度が限界です」


『僕は百メートルで、二人だったらその二倍か三倍かな? でも、この前の戦いだと村全体を守らなきゃいけなかったし、火属性は木とか建物に燃え移っちゃうからあんまり使えなかったんだよね』


「……二人はまだ魔力を扱いきれてない、ということだな」


 そう言うと、火の大精霊は手を広げて魔力を集めていく。すると、数秒もしない内にふわふわと浮く火球が出来上がった。小さい太陽のようだ。


「これを爆発させれば数キロは焼け野原だな。しかも敵味方を判別するし、味方への被害もほとんど出さない」


「……これが大規模殲滅魔法、ですか?」


 ジーンが聞く。火の大精霊は握りつぶすようにして火球を消してから答える。


「ついでに、今の技術を使えば圧倒的火力も手に入るぞ」


 どやぁ、と自慢するように火の大精霊が言うが、確かに凄まじい技術なので何も言えないし改めて尊敬してしまったジーンとミカ。


「俺が教えるのは魔力の扱い方だ。これに磨きがかかれば、もっとお前たちは強くなれる。さて、まずは魔力の圧縮だな。とりあえず、今できる範囲までやってみろ」


 二人は火の大精霊に言われるがままに魔力の圧縮を始める。 


「……これが、俺の限界、です」


 特に属性の込められていないジーンの魔力は、白っぽい色をしている。形も不安定で、先ほどの火の大精霊が見せた物とは精度に大きな差があった。


『僕も、出来ました……』


 ミカの魔力も同様に白っぽい色であったが、形は安定していて、球の形であった。


「ミカは、安定はしているようだが失敗を恐れて圧縮する魔力の量が少ないようだな。ジーンのように不安定もいいからもっと魔力を足していけ」


『は、はい』


 するとミカの魔力が球体を維持できなくなていき、ほぼジーンと同じような状態になる。


「ふむ。技量はほぼ同じくらいだな。後どのくらい維持できる?」


「後、一、二分……かと」


『僕も……』


「うーむ、これくらい何時間でも出来るようになるのが一先ずの目標だな。暴発してもいいから、そのまま維持し続けてくれ」


 既に息が上がり始めているジーン達に火の大精霊が言う。こうしてジーン達の試験が始まった。



「それで、ミィちゃんはずっと封印されていたんだね……」


 ジーン達から少し離れた場所で話をしていた水の大精霊が言う。ミィが自分のことを話したようだ。


「はい、家族のことを考えたらちょっと寂しいですけど。でも今はジーン達もいますし、辛くはないんです」


「うふふ、ジーン君達が好きなんだね」


 改めて言われて少し恥ずかしくなったミィは頬を紅くする。


「いつでも困ったら言ってね。あんまり大きなことには力は貸せないけど、相談くらいならいつでも歓迎だから」


「あ、ありがとうございます」


 その後も、いくつか世間話をしていたミィ達。その中でミィが薬を作っていることを話したら、水の大精霊が提案をした。


「薬の事なら私に任せて! 日常で使うものから戦闘で使えるものまでいっぱい教えてあげる」


 こうしてミィも修行? が始まっていった。

イッチー「次回、修行が終わり成果を見せるジーン達の話だ」

チャチャ「え、もう終わっちゃうの?」

イ 「そうみたいだな」

チャ「こうゆうのって、ちょっとずつ成長してくのを読むのが楽しいんじゃないの?」

イ 「そんなこと言われてもな、書くのはあいつだし」

チャ「あぁ、あいつね。なら、もしかしたら全然違う話にもなる可能性も」

イ 「無きにしも非ず、だな」

チャ「当然、私達の話も書くだろうしね」

イ 「おい、変なプレッシャーはかけんなって。まぁ、少しぐらい書いて欲しい気持ちもあるが」

チャ「というわけで、」

イ 「次回、ジーン爆死!?」

チャ「お楽しみに」

ジ 「おい! 勝手に殺すな!」



ミーチャ「イチャイチャが気になって全然話が入ってこないわ……」

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