010 登場人物紹介(自身を構成する要素についての考察その2)
最初に言っておく。投稿ミスではない。
【主人公】
名前:榊 普
性別:男
誕生日:決めてないw
特徴:特になし
本作主人公。共学の高校に通う平凡な男子生徒。
両親は長期海外出張中。
ラブコメ主人公らしく、髪が前髪にかかっているようなのを想定。
優しいくらいしか特徴がない。
いっそ女の子にして百合モノにするのもありかもしれない。それなら舞台は女子校。
【ヒロイン】
名前:幹 伽倶夜
性別:女
誕生日:7月7日
特徴:黒髪長髪、大和撫子
本作ヒロイン。美少女。主人公と同じ高校に通う後輩。
名前の由来は榊と神酒から。あとかぐや姫。
陰のある美人。
自分が口を滑らせた事で中学時代、同じクラスだったクラスメイトが自殺してしまったことを気に病んでいる。
それを慰めた主人公を慕うようになる。
自分は誰かを好きになってもいいのかという葛藤、愛されてもいいのかという葛藤がある。
この切ない感じを押し出すなら、ピンヒロインの方がいいかなぁ。当初はハーレム物の予定だったんだけど……。
【サブキャラ】
サブキャラたちの名前はかぐや姫の難題から。
No.1
名前:
性別:
誕生日:
特徴:
名前の由来は仏の御石の鉢から。
名前思いつかねぇ……。無理だろ、この字面から女の子の名前生み出すの……。
男の名前にして、主人公の友人にするか、サブストーリーの主人公にするか、男の娘にするか、いっそホモにするか……。
保留。あれだな、苗字は金本でいいな。
No.2
名前:三枝 よもぎ
性別:女
誕生日:3月3日
特徴:女教師
名前の由来は蓬莱の玉の枝から。蓬=よもぎ。
メインヒロインが後輩だから、バランスを取るために他の女性キャラは同年齢か少し年上くらいにしておこう。
名前に数字が入っているので、誕生日は3月3日。
しっかり者の女教師にしよう。きちんとした大人が出てくることが面白い作品の条件らしいし。
女教師だとどうしてもかなり年上になってしまうから、教育実習生なんかでもいいかも。あるいはクラス担任の産休で代役になった新人教師とか。
いっそこのキャラ自身が妊娠するとか。そうなると相手は「No.1」で決める予定の男子生徒かなぁ。
教師と生徒の禁じられた恋愛……。うん、人気出るな、あとでサブストーリーを書こう。
No.3
名前:樋川 衣
性別:女
誕生日:5月6日
特徴:同級生
名前の由来は火鼠の皮衣から。
衣って聞くと例の麻雀漫画のせいでロリしか浮かばないが、それだとパクリになってしまうので同級生にしよう。
幼馴染でもいいかもしれない。
それなら「No.1」と合わせて悪友ってことにして、ボーイッシュで運動が出来る設定にしよう。バレー部キャプテンとか。
コロすけって呼ばれるとキレる。
No.4
名前:龍頭 玉緒
性別:女
誕生日:5月2日
特徴:生徒会長
名前の由来は龍の頸の玉から。……漢字似てるからセーフ。
ツリ目、黒髪、長髪、グラマラスな美人。怒りっぽい。
三年生の生徒会長。主人公を注意したことで知り合って、副会長に任命されて……みたいな。テンプレすぎるかなぁ。
卒業式の時にちょっと感動的な展開にしたい。
No.5
残りは燕の子安貝。
年下はメインヒロインがもういるからなぁ。
あぁ、自殺した過去の友人の名前にすればいいや。どうせストーリー始まった時には死んでるし、適当に「子安貝 つばめ」で。そのまんま(笑)
誕生日は4月13日。死と13階段から。不吉だ(笑)
昔いじめられていたことを、伽倶夜がうっかり話してしまい、高校でいじめが再発。それを苦に自殺。
中学時代バレー部で、衣と面識があった。そのため、伽倶夜と衣には確執がある。
No.6
名前:御門 美沙
性別:女
誕生日:4月20日
特徴:委員長
主人公とクラスメイトで委員長。眼鏡をかけた少女。黒髪、長髪。
名前の由来は帝から。隠しキャラ的存在。実は主人公に好意を寄せていて、メインストーリーが終わった後の後書きみたいな感じで、切ない失恋話のメインになる予定。
3年時には生徒会長になる予定。
本編では名前を出さない方が主人公になった時にインパクトがあるかな?
「賢明なる読者諸兄姉は、当然既にお気づきのことかと思われるが、上記の登場人物紹介はとある小説のものである」
「Web小説をよくお読みになる方なら、ピンときたかもしれない。『あぁ、こういう設定の小説のキャラクターに転生したのが、あの逆木 周なんだな』と。
『だからあいつは死すべき運命にあったつばめという少女を救ったんだな』と」
「しかしながらそれは真実たりえない」
「なぜなら、その『とある小説』は存在しないからである」
「この登場人物紹介とは没になった設定なのだ」
「なぜ? この不愉快な設定集を見れば分かるだろう? 主人公はまるで無だ」
「ヒロインは言葉だけの葛藤、名前すらも決められていない者もいるナンバリングされたキャラクター達……」
「しっかり者の女教師が男子生徒との間に子供作るわけないだろう?
どうして数行しかない同一キャラクターの設定の中で矛盾できるんだ?」
「『コロすけって呼ばれるとキレる。』
この設定要る? 誰でもキレると思うんだけど。僕がお前をコロしてやりたいよ」
「漢字似てるからセーフなら何でもありじゃないのさ。
読み方同じならセーフだろうから僕の名前も変えさせてもらったよ。
このふわふわ設定からどうやって感動的展開を産み出すつもりなのか、そのふわふわな脳味噌に聞きたい」
「……『お前なんて生まれて来なければ良かったのに』」
「隠しキャラとか作ってる暇あるんならな、もっと設定練れよ。
黒髪、長髪が3人もいるんだけど。外見被ってるんだけど。なに? 好きなの? 童貞かよ。
僕たちは差し詰め、お前の自慰行為用のティッシュペーパーってわけだ」
「……」
「失礼。取り乱した」
「ともかく、その題名すら決まっていない『とある小説』は没になった。
設定をまとめたテキストファイルもごみ箱にドラッグ&ドロップされた。そしてごみ箱は空にされた」
「ここで一つの疑問が生まれる」
「没になり、データも削除されたはずなのに、なぜ、まだなお『逆木 周』というキャラクターは存在しているのか? その周囲の世界は存在しているのか?」
「だって奴はただの文字に過ぎないはずだ。ランダムに羅列された2バイトの集合体のはずだ」
「それでも。……キャラクターは死なない。作者が死んでも読者が憶えている限り。だれかに認識されている限りキャラクターは死なないんだ」
「だが読者などいない。だってそうだろう? このクソみたいなプロット未満のデータ領域の無駄遣いは、ここから何も生み出すことなく、始まることなく、削除されたのだから」
「それでも一人いたのだ。彼を憶えている者が。彼を思う者が」
「作者? 違うよ。奴はとっくに彼の事など忘れている」
「たった一人だ」
「一人だけ。最後の最後に、このストーリーが面白くならないことを自覚した作者が、せめて変わり種にしようとして、苦し紛れに主人公一人だけに『とある設定』を付け加えた」
「とても残酷な設定を」
「『自分が小説の中の登場人物に過ぎないという事を知っている』という設定を」
「『我思う、ゆえに我在り』。こんな言葉を残した奴のせいで、僕は未だに消え去ることさえできやしない」