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『組織』のありかたと運営方法についての私見

作者: 橋本洋一

まず始めに、『組織』と『集団』の違いから論じたいと思います。


『組織』とはある程度の『秩序』と『規則』があり、加えてメンバー各々が『共有した思想』を持っていることが大前提です。この三つの要素を備えていなければ、『組織』とは言えないのです。


対して『集団』とは文字通りただ集まっているだけの存在です。『群れ』と言い換えてもいいでしょう。無秩序で不規則、手前勝手の思想を持っているだけのチームですね。


ですから、『集団』の寿命は短いです。『秩序』がないからまとまらないし、『規則』がないから統率がなく、『共有した思想』がないから自分のやりたいようにやる人間がたくさん出てきます。集団をやめる人間なんかは最たるものですね。やめるくらいなら最初から参加しなければいいのにと思いますけどね。


だから、複数人で何かを始めようとする場合は『集団』にならないように『組織』作りを心がけるべきです。前述した三要素をきっちりと定めておくことが肝要です。そうすれば『組織』は長命となるでしょう。


まあはっきり言って、三要素は一から創るのは面倒くさいです。しかし、何かを始める際は基礎が必要なことは論じるまでもありません。数学でも建築でも基礎がなければ応用へとつながりません。応用とは『組織の発展』を同義です。


では、『組織』を創ることで、個人的なメリットとはなんでしょうか?


自分の長所を他者との競争で伸ばすため? 自分の作品を評価してもらえる場を増やすため? 単に人と関わりたいため? 


それらは全て正しいと思います。しかし僕はそれよりももっと重要なメリットがあるはずです。私見ですけど、僕は『組織』がもたらすメリットは『社会性』を身につけることだと思います。


『社会性』とは社会に対して自分をアピールすることと社会は自分を必要としてくれることを実感するための能力です。それを磨く為に『組織』は必要なのです。


『組織』をやめる人間は『社会性』が欠如しているとは言い切れませんけど、普通の人間と比較して、『社会性』が乏しいと判断されても仕方がないでしょう。まあ脱サラしてラーメン屋を開いたり、独立して起業したりといった例は見過ごすことはできませんが、それはごく一部の才能のある人間の一例でしかありません。ほとんどの人間は辿り付ける能力はなく、能力があってもチャンスを掴めないのです。


だからこそ、『組織』が必要なのです。凡人が単なる助け合いではなく、補うことで自分自身を高める場として、『社会性』を見につけるために、僕たちは『組織』に属するのです。


それでは、『組織』を運営していくために必要なことはなんでしょうか?


『組織』は二通りの運営方法があります。一つは『独裁』。もう一つは『合議制』。


これも説明は不要でしょう。絶対的なリーダーもしくは優れた複数の人物の判断。どちらが良いとは言えません。一長一短がありますから。


この二つの運営で特に大切なことを私見を交えて論じます。


『独裁』に必要なのは『罷免権』です。罷免とは『組織』から追放することを指します。我が国の総理大臣も国務大臣の『罷免権』を持っています。それくらいリーダーには必要不可欠な権利なのです。リーダーは個人ではなく『組織』を重んじるべきで、どんなに親交のある人物でも『組織』のためにならないと判断したら罷免をするべきなのです。


『合議制』に必要なのは『多数決を重んじない』ことです。いくら大勢の人物の賛成でも少数の反対を無視することは避けるべきです。A案とB案でA案が選ばれても、B案を取り入れたC案を折衷するべきなのです。それに多数決を取ることで少数派の不満が高まる危険性があるのです。


そして二つの陣営の共通する必要不可欠な事柄は『敵を作らず、仮想敵を作ろう』です。


敵の多い『組織』は長く続かないのです。引き抜きや切りくずしが多方面が起こったら『組織』の運営どころではありません。


しかし『組織』では『仮想敵』は必要です。それはメンバーの目標を定めるのに役立つからです。目標がなければ何一つ達成できませんから。


肝心なことは周りの『組織』と仲良くして、その上で『仮想敵』を作ることです。その分野の一位を『仮想敵』と定めるのが一番理想的です。決して排他的にならないことが『組織』が長持ちする秘訣となるでしょう。


『組織』は原始共産制社会から古代奴隷制社会の過渡期に生まれたと推測されます。『組織』を創ることで奴隷とされた人々はいるでしょう。『組織』の犠牲になった人もいるでしょう。


しかしそういった悲劇を乗り越えてでも、『組織』は必要なのです。


何故なら、人は一人で生きていけないからです。


僕みたいな『社会性』の欠片のない人間でも、こうして生きていけるのは、僅かな『社会性』を必要としてくれる『組織』があるからです。自分が生きていける『組織』を感謝していかねばなりません。


『組織』は『学校』だったり『会社』だったり『国』だったりします。あるいは『世界』かもしれません。


だからこそ、『集団』ではなく『組織』を創ることを心がけましょう。


無秩序よりも秩序を。


不規則よりも規則を。


そして皆に認められる思想を持ちましょう。


それこそが『組織』を大きくする一歩なのです。


その一歩はいつか、『世界』を平和にする道標となるかもしれません。


それを信じて、今日も僕は『組織』に属します。


読んでくださりありがとうございます

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