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自由奔放な猫の如く  作者: 黒田明人
4.軽率の代償
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新展開?

  

(先輩、助けてください……やれやれ、仕方ありませんね)






 悠々自適のはずのオレが何故か、急遽別の世界に派遣される事になった。

 新クラブの設立をしたばかりで何かと忙しいうえに、今年の秋にはこの世界初の修学旅行が待ち構えていると言うのに。

 いや、人生初と言うべきか。

 前の人生では修学旅行に興味を見出せず、全部パスしたから初めてになる。

 本来なら今回もパスするところ、しがらみが出来たから参加してみようと思った次第。

 まあな、転移スキル持ってて、わざわざ遅い移動方法使って別の場所に行く意義が理解出来なかっただけの事だ。

 そりゃ以前も全くそういう経験が無いとは言わないけどさ、矯正目的の紛争地帯への出向なんかとは意味合いが違うと思うんだよな。


 とりあえず夏休みの40日を活用して何とかしてくれと神様に頼まれ、オレはそれを承諾した。


 世界の時は可能な限り遅くするから何とか行ってくれないか、とまで言われたら断れないよな。

 今回の出向は勇者召喚と言う訳ではなく、ある世界に誘致した存在代行って事になる。

 どうやら誘致者がまともに機能せず、シナリオが破綻しそうだと言うのだ。

 対象は神様の教え子の世界のようで、待遇は悪くないはずだと言われている。

 とりあえず目処が付いたら戻って構わないので、ひとまずの道筋を付けて欲しいと言われた。


 とは言うものの、オレにとっても初体験になるケース。


 安請け合いは出来ないと相手の世界の管理とも話し合い、この世界での40日が400年になる世界速度で何とかして欲しいと言われる。

 つまり時間的猶予は400年あり、その時間内で道筋を付けてくれれば後は何とかなるらしいのだ。

 しかしな、うちの神様はともかく、この管理ってオレを全く信用してないのがよく分かるんだけどな。

 そりゃ管理にとって世界内存在などは塵芥ちりあくたと変わらない存在かも知れないけどさ、少なくとも神様推奨の相手だよ。


 《酷い波だ……そうなんですよね。この子はどうにも世界内存在を軽視する癖がありましてね……好きにやって良いんだろうな……くすくす、それで良いですよ……飽きたら勝手に帰るから……くすくす、お任せしますね》


『お前、名前はあるのか』

「コウ」

『先輩の推奨相手だから信用するが、本当にやれるんだろうな』

「さてな、初体験だから分からんぞ」

『それじゃ困るんだよ。いいか、失敗は許さんからな』

「今まで何度失敗したんだよ、アンタ」

『喧しい。お前は言われた事だけしていれば良いんだ』

「はいはい」


 あーあ、神様の知人じゃなかったら、ここまで言われたら特異点送りにするところだぞ。

 どうにも派手に上から目線なのが気に入らんが、神様の頼みだから仕方が無い。

 精々、下手に出てやろうかね。


 ~☆~★~☆


 そんな訳で今、オレは世界に誘致されています。

 それにしても、何をやらせられるかと思えば、ダンジョンマスターとはな。


 この世界ではダンジョンと言うのはいわゆる死神のような役割との事。

 すなわち死者の管理のようなお仕事で、誘致して殺すのが役割らしい。

 それをしないと人口爆発で人類滅亡になってしまうらしい。

 早い話が間引きな訳だけど、人族同士の戦争で人が減るのはよろしくないらしい。

 それと言うのも魔王の存在もあるらしいけど、魔族の王だから人族の王と同じ立ち位置になる。

 つまり、魔王との戦いはそのまま人族同士の戦争に等しく、そんな事になったら遥か昔に伝えた勇者召喚をやりかねないとの事。

 それを今されると厄介なので、うっかり戦争にも出来ないというのが理由らしい。

 本来ならこのサイズの惑星なら人口が数倍になったところで余裕なのだが、この世界には魔物の存在があるが為に耕作面積にも限界があり、人口調整をしないとその限界を容易く越えてしまうらしい。

 つまり大っぴらに殺せる仕事というので、オレは外面はともかく内面は嬉々として参加したって訳だ。


 そんな訳で世界について色々知る事になり、その目的のままに活動を開始する事となった。


 この世界には他からも誘致者が居て、それらが協定を結んで何もしないから困っているとか。

 つまり殺し合いをやらずに話し合いで休戦協定を結んで、お互いが悠々自適に暮らしているらしいのだ。

 そりゃ元日本人に殺し合いをしろと言うほうが無謀だが、そういうシナリオだから仕方が無いと言われてもな。

 しかしここの管理って日本人を理解してないんだよな。

 知識チートされるから地球の技術の記憶を封じてあると言った時、この管理はバカかと思ったのさ。


 そりゃそんな記憶を封じたら争いなんかは起きねぇよ。


 各々の技術の記憶に格差があれば、作れる者と作れない者に分かれてしまう。

 その技術格差が争いの火種になると言うのに、その封鎖の解放を要請するも断られる始末。

 結局、うちの神様経由で承諾には至ったけど、中々に前途多難を思わせる。

 かくして100人の誘致者の中のイレギュラーとして、オレの派遣体験は始まったのである。

 挿入された記憶のままに、玉座に座って肘掛けのところにあるボタンを押す。


『ダンジョンマスターとして承認されました』


 これで良いはずだ。

 ダンジョンマスターが居ない状態で玉座に座り、このボタンを押す事でこの迷宮のヌシになる。

 だから一般の冒険者がダンジョンマスターになる場合もあるらしいが、大抵はすぐに討伐されるらしい。

 それと言うのも安直に欲望に走って討伐隊が組織されて倒されるのが常との事だけど、それはこの世界の人特有の事とか。

 元日本人はその逆で、なるべく殺さない方向で経営されているらしい。


 ダンジョンに生命体が侵入すると、時間当たりで微細ではあるもののダンジョンポイントが得られるとか。

 元日本人達はその微細なポイントを、ちりも積もれば山となる方式で集めて質素に暮らしているらしい。


 ダンジョンポイントというのはダンジョン経営に無くてはならないモノであり、たくさん貯まればダンジョンの改造はもとより、階層を増やす事も可能になる。

 オレは初期サービスとしてそのポイントを5000貰ってのスタートになる。

 この数値は他の誘致者と同じポイントらしいが、各々は難易度だけはやたら高い中身の無い迷宮を作り、浅階層に侵入する生命体から得られるポイントで地味に暮らしている。

 もっとも、その難易度が高くて簡単な仕組みってのをオレも採用した。


 Name  コウ

 Class DM

 Level 1

 DP 5000


 製作コスト


 下級 1~

 中級 100~

 上級 1000~

 霊獣 10000~

 幻獣 50000~


 抹殺対象 人族・魔物・魔族


 赤子 1

 一般 10~

 戦士 20~

 剣聖 500~

 勇者 1000~

 DM 1万~(殺したら相手の持つDPは接収出来る)


 DP ダンジョンポイント 1時間当たり(HP+MP)÷10000 端数切り上げ・生命体の死亡(HP+MP)÷10

 DM ダンジョンマスター 迷宮との契約者であり、制御の為のコアの所有者となる・他DMに殺されると全てを奪われるが、自分のダンジョン内で殺されても24時間後に復活する


 こんな感じになっているので、ポイント稼ぎが大変と思っての事だ。

 実は世界にとって迷宮の数が多すぎるらしく、それで余計にまともに動けないようになっているのだとか。

 早い話が団地のようにぎっしりと、迷宮が大陸に詰まっていると言えば良いか。


 広大な大陸に100ならまだ良かったのに、誘致者とは別に現地採用のマスターもかなりの数で存在しているらしい。

 失敗した策の結果など消してしまえばいいものの、残したまま100人の誘致なんかやるもんだからテリトリーが狭くて仕方が無い。


 もちろん共食いよろしく他のダンジョンマスターを殺しても構わない事になっているので、ひとまず誘致の100人から消していこうと思った。

 迷宮の階層を増やすと消費されるダンジョンポイントだけど、それは面積に比例される。

 当初は入り口からマスタールームまで一本道しかなく、そこから広げたり階層を増やしたりして営業開始となる。

 その為、準備期間が設けられていて、オレはその準備期間をフルに活用して迷宮をカスタマイズし、偽装ステータスの表記にして近隣の街に行く事にした。


 まずやるべき事は宣伝だと。


 はっきり言って他の99人の誘致者と、オレとは地力が全く異なる。

 ただの世界内存在が誘致されている奴らは最初はレベル1からに対し、オレは既に4桁のレベル持ちだ。

 だから侵入してきた他のダンジョンマスターなど瞬殺も可能だろうと思っている。

 普通はダンジョンマスターが他の迷宮に簡単に侵攻しないと思うよな。

 それが現地採用ならいざ知らず、元日本人の意識のままに誘致された存在達だ。

 だからこそ迷宮はあれども争いが少なく、団地状態になっている訳だ。


 そんなオレの迷宮も街の近くにあり、近隣には誘致された者達の迷宮がいくつもある。

 とりあえず近隣の迷宮を何とかしようと、簡素でありつつも攻略困難な迷宮を構築した。


 入り口を入ればいきなり縦孔があり、それは地下5階層ぶち抜きになっている。

 つまりオレの迷宮は下から攻略するのが正解なのだ。

 ただ、初期ポイントでやれる事は少なく、それぐらいしかやれなかったと言うべきか。

 その代わり、空でも飛べない限り、そう簡単にはクリア出来ないこの迷宮。


 早い話が玉座の間まで縦孔が5つあり、それぞれは交互に繋がっている。

 5階層とは言うものの、それぞれの面積は非常に狭いのだ。

 階層構築に500ポイントを消費し、階層面積に比例する消費ポイント。

 単位はメートルのようで、1メートル各で1ポイント消費らしい。


 5階層に増築で2000ポイント消費し、それぞれの階層の広さは20メートル角で400×5で2000ポイント消費。

 これで殆ど消えた事になるが、後は2メートル角の縦孔と連結孔をフロアぶち抜きで設置するだけだ。

 それとは別にダミーの階層を繋ぐ縦孔も随所に拵え、最下層は完全に水没している。。


 世界に空を飛べる魔法はあるようだけど、入り口から玉座の間まで飛び続けるなど無理な事。

 最下層で水中で上への正解ルートを探せないと窒息するか溺れてしまう事になる。

 階層の環境変化に500ポイント消費しての完全水没階層なんだけど、そこまでやって残りポイントは500ポイントと思ったら大間違い。

 階層ぶち抜きが1つ5ポイントであり、ポイントの許す限り孔を明けまくったから残りポイントは無いのだ。


 さて、宣伝といきますかね。

  

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