0084
結局、テスト期間一杯掛かった焼き鳥作り。
後は砂肝の煮付けだの皮の塩焼きだのを散々作った後、地鶏カラアゲを大量に作る事になる。
卵も新鮮なのをわざわざ買い付けに行き、小麦粉もオーガニックなのを入手した。
油も料亭で使うような物を仕入れ、ひたすらひたすらカラアゲにしては倉庫行き。
アツアツのまま倉庫に入れてあるから、食べたい時には何時でも食べられる。
あれは10個ずつ紙皿に載せてラップで倉庫に入れたから、紙皿も大量に消費した。
ラップも何本使ったか分からないぐらいだし。
後は密閉容器にゆずを半分に切った物を満載にしておいた。
50個ずつ半分にして容器に入れたけど、10箱で容器が尽きたから終わりになった。
もっと大量に仕入れておかないと、小物を入れるのには密閉容器がちょうど良いからな。
テストの事なんかもう、すっかり忘れて日々発注しまくっていたんだけど、テストの事で担任に呼ばれる事となる。
「お前、進級出来ていたんじゃないのか? 」
「単位が問題って言われたからさ」
「だからそれは優遇措置が成されているだろうに、活用すれば良かったのにな」
「単位が無ければ今すぐ大学入試も可能なんだし、そんな国の制度には素直に従うさ」
「お前、そこまでなのか? 」
「去年の入試問題とか、よくやっているけど」
「とんでもないな。そこまでの実力がありながら、単位で先に進めないとは」
「そろそろこの国も飛び級を実装して欲しいよね」
「そうだなぁ。そうすればお前は一躍大学生か」
「まあいいさ。のんびり学生生活を楽しむよ」
「ああそれでな、テストの点なんだが、公表したほうが良いか? 」
「いや、出さないでくれ」
「そうか、そう言ってくれると助かるぞ。確かに丸一年だから本来は関係無いんだが、留年だから出来て当然とか言う輩が居てな」
「クラスの平均点って事にしておいてください」
「それで良いならそうしよう」
それで変な騒ぎにはならなかったものの、すっかりライバル宣言の彼が自慢気にしていた。
どうでも良かったので素直に負け宣言したうえに、崇めるように思いっきり持ち上げておいた。
それでどうやらライバル圏外になったようで、もう変なちょっかいも無いだろうと思われる。
そういや、金の使い道を見つけた。
矢なんだけど、何も工房に発注しなくても市販の品を買えば良い事に気付いたんだ。
確かに性能は劣るけど、魔法が絡めば一番安い矢でも人は殺せる武器になる。
そしてつらつらとサイトを見ていくと、12本5000円って矢を見つける。
どうにも練習用っぽい矢だけど、使い捨てにするならこれで充分だろう。
そんな訳で発注しようと、本数の所に『1億セット』と書いてメールを送ったんだけど、イタズラだと思われたようだ。
なので口座の額のコピーを同封して再度送ったところ、可能な限りの生産で何とかして欲しいと逆に頼まれる始末。
前金で5000億でどうかと言っただけなのに。
とりあえず在庫の1万セットを送ると言われ、巷の貸し倉庫を借りて準備した。
トラックを連ねて運ばれて来て、5000万の現金と交換で品物を受け取ろうとしたけど、カード払いになった。
それと言うのも現金での持ち運びは何かと無用心で、大抵の払いはカードが主流の世の中。
もちろんオレは札束を手に持って裏路地を歩いても問題無いが、一般人はそうはいかない。
仕方なくデビットカード払いにして交換で品を受け取り、全部倉庫に入れておいた。
これからもまだまだ受け取りになると思うが、貸し倉庫は月額10万、年払い100万で100年分の前払いをしている。
1億になるかと思ったが、長期割引で半額にすると言うから2棟借りて1億払っておいた。
だから大抵の品の受け取りに困る事は無い。
例えば神様との取引とかさ。
あんなイレギュラーはもう無いと思うけど、またあったとしても貸し倉庫での取引になるだけだ。
それにしても金が減らないと思い、他の買い物を考えてみる事にする。
使わないと減らない金だが、使わずに貯める趣味は無い。
てな訳で残り7000億の使い道をつらつらと考えているうちに、ついつい番号当てに流れてしまう。
減らすはずが増やす方向に流れたのは、裏サイトの50桁って訳の分からないサイトを見たからだ。
1口1ドルでどれだけ買っても構わないって触れ込みで、当選したら650単位進呈と書かれてあった。
この単位と言うのは裏方での大口取引用の通貨の事で、1単位が1万ドルに相当する。
すなわち650単位と言う事は650万ドルって事になり、日本円で6億5000万って事になる。
それにしても50桁でそれは安すぎると思っていたら、何口当たってもその額の支払いとあった。
つまり、よくある当選者山分け方式ではなく、何口当たっても1口当たりそれだけもらえる方式のようだ。
そういや1年の放置でなし崩しになっていたサイトだけど、勇者召喚に巻き込まれたと書いて、会員全員に10桁から16桁まで5回分送っておいた。
なので必然的に学校名はバレた訳だけど、特に探りが入っては来なかった。
あれもそろそろ追加で送っとこうと、この裏の50桁の番号を会員全員に送っておいた。
さあ、みんなで稼いでみよう。
【長期休載謝恩セール・裏50・94215013457415468452245876974512350120346875401284】
誰がどれだけ買うかは知らんが、2億口とかになったら当選金はとんでもない額になるんだけど、本当に払えるの?
てか1口1ドルって事は、1億ドルで1億口だよな。
そうだなぁ、とりあえず30億口買っておくか。
3000億を外貨換算して30億ドルにして、30億口購入申込をやっておく。
後は掲示板を見れば良いか。
~☆~★~☆
【世紀の】ロットール協会vs預言者68【対決】
428 不労所得
キタキタ、遂に来たぜ
429 甘い汁
久々の大勝負
不可抗力での停止は仕方が無い
て言うかくじの予想ばかりしていて、
不慮の事態の予測がやれなかったと思われ
430 課金フェチ
それだったら申し訳無いなぁ
だけど今回のでかい稼ぎ
あり金勝負は当然だよな
431 猫の手
>428
何が来たの?
432 不労所得
もちろん、会員用に50桁
433 猫の手
え、もう出てるの?
434 不労所得
既に1000万口、つまり1000万ドル投資
435 甘い汁
今までの稼ぎを注ぎ込んだ
1500万口、1500万ドルは15億円
436 課金フェチ
みんなやるなぁ
なら僕も1000万口で10億円だね
437 猫の手
え、会員ってみんなお金持ちなの?
438 不労所得
今まで何度稼がせてもらったか
だから皆、必然的に持ってるのさ
439 甘い汁
そうそう、オレなんてもう
毎回限界まで買ってるからさ
440 不労所得
>439
頼むからそれ止めて
毎回当選金が酷く安い
441 課金フェチ
ああ、それは言える
442 預言者
こっそりと
30億口購入
443 不労所得
うはぁぁぁ
さすがは本家
444 甘い汁
うげ、やっぱり凄いな
てかさ、30億口×6億5000万円
=いくらだ
445 統計フェチ
>444
195京円
1.95京ドル
1.95兆単位
446 不労所得
協会倒産のお知らせ
447 甘い汁
ありそうで怖い
~☆~★~☆
さて、八百長対策に現地で細工しますかね。
矢と番号を糸で繋げば、どんな八百長も効果を発揮しない。
どのみち番号は見えてんだ、それに合わないってのは八百長さ。
そうして否応無しに50桁が決まり、当選口数45億口になったそうな。
日本だけで45億口全部が当選となり、全員に650単位ずつ送金される事になる。
あれから追加で10億口買い、合計40億口になっていたんだけど、他の者はともかくオレへの送金が無い。
260京円分の当選金は本当に払われるのかいささか疑問になってきた。
『支払いはどうなっている』
『何口だったかな』
『40億口だ。2.6兆単位、今すぐ払え』
『どういう裏になっている』
『裏も何も無い。予想して買っただけだ』
『済まないが1人当たりの上限金額が決まっていてね、1億ドル分はすぐに送金しよう』
『後出しでやれると思うんだな』
『ちゃんと告知しておいたはずだよ』
『裏で来るならこちらも裏に依頼しよう。彼なら確実だ』
『誰でも不可能だよ』
『ブツッ』
よし、ようやく資金が尽きてくれたか。
これであの組織も潰せるな。
ロットール協会関連の口座から何から全て、接収の名目で回収していく。
260兆単位の負債に比べれば、全ての資金と資産合わせても足りない額。
暗示全開で全てを売却して金にして、全てを倉庫に回収しておいた。
いきなり勝手に売られた土地や資産と思うだろうが、回収だから文句は言わせない。
『まだ足りないがまあいいだろう』
『おのれ、何をした』
『回収を頼んだだけだ。ではな』
『待て、金を返せ』
『悪いが当選金だ』
『おい、貴様、金を……ブツッ……くそぅぅぅぅ』
~☆~★~☆
989 不労所得
本当に倒産したっぽい
990 甘い汁
払ってくれて良かった
991 預言者
足りなかった
992 不労所得
>991
ぶははは、買い過ぎ
それで倒産かよ
993 預言者
資産、資金、全て強引に回収
専門要員に頼んで7割
後は勘弁しよう
994 不労所得
>993
うわぁ、容赦ねぇぇ




