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自由奔放な猫の如く  作者: 黒田明人
2.放置の対策
47/476

0047

 

 オレ達は少し早めに学校に着き、クラスをまたいで今後の話し合いをする。

 今日は家に戻って親を説得すると息巻いている。

 そんな話をメールチェックしながら聞いている。

 テラパイプのセッティングの件で作業員が来るってメールが入っていた。

 専用機も追加で3台注文をして、そろそろ届くってメールも入っていた。

 ナンバーズの14桁でも送ってやろうと、増えた会員と合わせて全員に数値を送る。


 ~~~~~


 362 当たり屋


 入会してメール送ったのに音沙汰なし

 これ、詐欺じゃねーの?



 363 不労所得


 >>362


 あー、時期が悪かったな

 今な、年末年始休暇中だ

 年末にな、3回分のメール受けたんだ

 オレ達会員は今、そいつを買っているとこだ


 364 当たり屋


 何だよそれ

 そんなの聞いてねぇぞ



 365 甘い汁


 凄いの来た

 14桁買うぜ



 366 当たり屋


 うわ、これ、マジ?



 367 不労所得


 儲けの2割、忘れんなよ



 ~~~~~


 早速、掲示板が賑やかになってんな。

 よしよし、なら、そのうち16桁も送ってやろうな。

 おっと、サイトの更新もしとくか。

 競輪サイトでつらつらと……ふんふん、ほおほお、なるなる。

 12日観音寺の自転車の7レースが8-9-4で、栃木の自転車の8レースが9-6-7と。

 これで良いかな。


「なあなあ、あの武器、何処で使うんだ」

「うえっ? 何の話だっけ」

「聞いてなかったのかよ」

「悪い、競輪サイト見ていた」

「お前、そんなのもやってんのか」

「で、何の話」

「ああ、あの武器の話だ。何処で使うんだ、あれ」

「実は地下に専用のパーキングがあってな、そこでやるんだよ」

「そんな場所があるんだな」

「表で振ったらそのまま交番だろ」

「確かにな。で、競輪は当たってるのか」

「予想サイトを利用している」

「そこ、当たるのか」

「入会金1000万でハズレ無し」

「お前もトコトンだな」

「親に隠れて金儲け。そうして隠れてメシを食う」

「ああ、それでか」

「初めては小学5年生」

「そんな頃からかよ」

「小学の頃の仇名はコジキング」

「はぁぁ、やっぱりそんな事になってたんだな」

「給食が唯一の料理だったからな、クラスの連中の嫌いな物、かき集めてひたすら食ってたさ」

「解放されて良かったな」

「ああ、今は本当に楽なんだ」


 本当にいくらでも出て来るな。


 夏とか最悪で、海パンとかも買ってくれなくて、ずっと見学してたんだよな。

 泳げないとか、水着を忘れたってやってたら、最後には服のままプールに突き落とされて、泣きながら帰ったら転んで泥だらけになって、家に帰ったら制服を汚したと親に殴られて、本当に理不尽だと思ったんだ。

 だからもう何があっても親に感情を見せる事も無くなって、体操服も学校で洗濯して干してたんだ。


 そしたらそれを捨てた奴が居てさ、また汚れた服を洗濯して干したんだけど、オレが見ている目の前でまた捨てようとするんだ。

 さすがにあの時はキレてよ、股間蹴飛ばしたうえに、服を全部脱がせて屋上から捨ててやったさ。

 ちょうどあの頃は初めての競輪の後だったから、おっちゃんに頼んで携帯端末の保証人になってもらって、持っていたから何枚か写真を撮って、告げ口したらサイトに流してやるって脅してやったんだけど、あれからあいつ見なかったけど、どうなったんだろうな。

 まあ、裸のあいつがそれからどうなったかとか、そんなの知るかよ。

 ただ、体操服をまた干して、無くなっていてもサイトに流すと脅しておいたのは確かだ。


 もうね、あの頃は一杯一杯だったんだよ。


 だから少しの苛めにも派手に反応してたけど、今なら直接行動はやらないだろうな。

 中学に上がってからはあいつらが守ってくれて助かったと思って、家と学校の苛めの片方が無くなっただけで、かなり楽になったのを覚えている。

 あれで少し余裕が出来たんだ。


「おい、お前の言っていた予想サイトって、もしかしてこれか? 」

「ああ、それそれ」

「何かよぅ、妙に偉そうだよな、こいつ」

「殿様商売」

「ああ、そんな感じだな」

「けど、当たるから問題無し」

「まあなぁ、そんなに当たるんならオレもやりたいけど、元手がな」

「そんな事よりゲームはどうなった」

「ああ、やってるぜ」

「リアルマネーチートで何か面白いのある? 」

「リアチか、うーん、そうだなぁ。お、あるある」

「で、どんなの」

「あのな、一番酷いのがな、100円で1パーツって課金通貨を買うんだけど、高額になる程、お得になっているんだ」

「それの何処が酷いんだ」

「良いか、よく聞けよ。100円で1パーツ。1万円で130パーツだ」

「いい話じゃないか」

「これがまだまだあるんだよ」

「最大を言え」

「ふふん、驚くなよ、1億円で1千万パーツだ」

「盛大にお得だな。10円で1パーツになるって事だろ」

「誰も買わないと思って、やりたい放題だろ、運営の奴」

「パーツってな、トレード出来るのか」

「ああ、直接は無理だけどな、課金通貨ってコインを買ってな、それのトレードはやれるぞ」

「それもお得になってたり? 」

「まあ、お得と言えばお得だけどよ、相当にまとめ買いしないと無理なんだよ」

「つまり、1億で買うような奴ら向けか」

「そういう事。オレらには関係の無い話だけどな、1M、つまり100万パーツで1万パーツコインが120枚買えるんだ」

「10Mなら? 」

「やっぱりそれを聞くか。あのな、1万パーツコインが2000枚だ」

「それ以下はサービス無しか」

「ああ、だから関係の無い話なのさ」

「ロンダリングで増やせないのか」

「さすがにそれは無理だぜ。クレジットは通貨とコインに分かれていて、通貨でコインは買えるけど、コインでコインは買えないんだ」

「でもさ、最大限のサービスを受けたら、1パーツ5円になるんだな」

「マジ嫌がらせだと思うだろ。オレ達は精々、77円ぐらいだと言うのに、金持ちは5円なんだからよ」

「77円で買っているのか」

「正月だけな。普段は85円ぐらいかな」

「売り、1パーツ50円。需要あると思うか」

「あ、お前、そういう事がやれるのかよ」

「ふふん、金はあるぜ」

「頼む、安売りしてくれ。ピンチなんだ、金がよ」

「50円で良いのか」

「充分だぜ」

「転売歓迎、いくらでも売るぞ」

「ならよ、うちのギルメンにも話してみるさ」

「30円で卸してやる」

「うほー、やるやる」


 これもまた裏の商売になるのかねぇ。

 家に帰ってカード投入で入会して課金コーナー。

 1億で1千万パーツにして10Mセットの1万コインを2000枚獲得と。

 面白いからもっと買おう。

 結局、10億投入で1万コインが2万枚になったけど、これ、使い道が無いんだよな。

 どうにも無駄遣いが激しいが、特に使い道が無いのが問題なんだよな。

 裏の稼ぎは途中で止める訳にもいかないからな。

 あれも付き合いみたいなもので、うっかり止めたりしたらもう、裏の関連と切れちまう。


 まさに金の切れ目が縁の切れ目になるのが裏社会だな。


 裏競売は面白いから切られたくないから、だから嫌でも金が増えていくと。

 閃きのままに落札狙っているけど、本当に欲しい品とか滅多に無いんだよな。

 あ、そうそう、キャラ作らないと……あれ、何だこれ。


 時価? 寿司かよ。


 時価コース


 査定額が課金額になる。

 手持ち武器のゲーム内転換。


 何か変わったサービスと言うか、これ、どうすれば良いんだ。

 よし、コンパウンドボウと専用の矢を登録してやろう。

 どうせ課金の使い道とか無いんだし。


 特典

 不壊・不盗・不落・自動回収。


 これって、矢は1本の登録で良いのかよ。

 よし、それなら明細送ってやるか。

 裏工房の名前は消してと。

 しかしこの明細、普通の10倍の価格になっているんだよな。

 仕方が無いから材質だけ出して価格は査定にしちまおう。

 10倍の訳は軍事転用が効くって意味だから、表のゲームには関係無いんだし。

 弓本体に透明防弾の盾が装着出来るようになっていたり、HEAT弾みたいな矢になったり。

 移動矢狭間だもんな、あの盾装着時って。

 でもHEAT弾風の矢は使い捨てになるからな。

 高いんだから使いまわさないとな。


 おっと、性能表も出しておくか。


 225ポンド・有効射程300メートル・14ミリ複合板貫通って、これヤバくないか。

 まあいいや、つらつらと書いて送っておけば。

 そんな事よりキャラメイクしないと。

 

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