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自由奔放な猫の如く  作者: 黒田明人
2.放置の対策
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0039

 

 期末テストの平均は54点となり、何とか以前の点数とずらすのに成功した。

 その事でまた蒸し返そうとしたので、冷徹の魔眼の話題でなし崩しにしてやった。

 あいつにはあれが生涯効く攻撃になりそうだ。

 あいつらは揃ってβテストに参加しているらしい。

 オレが落ちたのを知り、認定の話になったので63で登録したと言っておいた。


「しかし、さすがだな。63かぁ、オレももう少しなんだけどよ」

「昨日、遂に62を記録したぜ。ずっと60だったけど、これで少し上位だな」

「くそぅ、オレはまだ60のままだぁぁ」

「やっとオレに追い付いたか、斉藤」

「お前、何時から62なんだよ」

「この前、やっとな」

「けどよ、沢田の63は凄いよな」

「何時か抜いてやるぜ」

「今のβ、妙に馴染むんだ。だからもしかすると」

「オレも負けねぇぜ」

「認定ジーニアスか、これで就職もバッチリだぜ」

「ああ、ネトゲで燃えた甲斐があったってもんだ」

「けどさ、まともな就職は70台とか聞いたぞ」

「冗談だろ。世界トップでも75だぞ。なのに70台とか世界ランカークラスだろ」

「けど、そうなれたらよ、国内の関連企業、選り取りみどりだろうな」

「そりゃあちこちからスカウトが来るに決まってるだろ」


 やはりそうか、なら絶対にもうこれ以上の測定はボツだな。

 数値クリアの為に、専用メモリを交換して5万掛かったんだ。

 裏工房に相談したら、数値固定の裏技もあるらしいし、63で固定した専用メモリを頼んでおくか。

 普通は未満がチートで上乗せ数値にして、それが発覚して騒ぎになるらしい。

 だけど実質の数値が固定の数値と同じかそれ以上なら、発覚の確率は限りなく低いって話だ。

 言わば数値超過分をスルーさせるシステムなので、65が出ても63のままの信号になるとか。


 稀に需要があるらしい。


 世界ランカークラスが騒がれないように、下の数値固定にしてプライベイトでゲームを楽しむ場合とか。

 メールでそれを発注しておく。

 システム構築はすぐ終わるらしく、何時でも良いから専用メモリ持参で来いと言われた。


 明日にでも行ってみよう。


「そいつは今、いくつだ」

「63です」

「ほお、既に認定か」

「そうなりますね」

「で、固定で良いのか」

「任意の変更はやれますか? 」

「おいおい、上はバレるぞ」

「それは足りてない場合ですよね」

「まあそうだが、越す自信あるのか」

「ええ、設定数値までは自由に出せますよ」

「これ、どうやって記録した」

「内緒ですね」

「名誉は嫌いか」

「大嫌いですね」

「良いだろう。設定の範囲は60~75だ」

「問題無いですね」

「やれやれ、世界最高もピエロだな」

「ヘッドホン、ハードロック、音量MAX」

「それで63かよ、とんでもねぇ奴だな」

「裏の住人は表に出ないものですよ」

「おいおい、裏を舐めると火傷するぞ」

「櫻木の金主でも? 」

「まだ若いのにそういうのは感心せんぞ。おし、完了だ」

「話しながらとか、プロですね」

「そりゃこれでメシ食ってるからな、100万だ」

「安いですね。どうぞ」

「どうやらフカシじゃなさそうだ。おみそれだな」

「コウです」

「おいおい、あのコウかよ。そりゃ悪かったな」

「うえっ? 」

「裏競売の常連だろ」

「まあそうですが」

「こんなに若いとは思わなかったな。未成年だろ、お前」

「天涯孤独の16才」

「そりゃ大したもんだ」

「ではまた」

「おうっ、何時でも来い」


(裏を舐めているガキかと思えば、すっかりドップリだったとは。コウか……身寄り無しの16才であれだけの資金力、並の才覚じゃねぇな。しかしな、本気で75もいけるって言うのかよ。ありゃあ、75辺りの強度がイマイチなんだが、越す事はあるまいが、越したら壊れるぞ。まあ、73までは保障するが、大体、70台とか世界ランカークラスだしな、そこまで見込んでねぇよ)


 テストをしてみようと街角のVRリースショップ。

 とりあえず30分で入場して数値メモリを挿す。

 早速、ダイブしてオフラインVRゲームを試してみる。

 軽く馴染んでみるも、数値は63のままだ。

 よしよし、これならいけるかも。

 よし、集中して……


【バキッ】


 うえっ?

 うわ、数値が0に……もしかして、壊れた?

 ログアウトして引き抜いてみると、妙に臭い。

 ああ、何か部品が溶けたな。

 強度が足りないだろ、これ。

 やれやれ、また行くか。


「あの」

「どうした、コウさん」

「壊れた」

「お、お前、まさか」

「もっと強度上げて」

「ありゃあ75越したら壊れるのは分かっていたが、75はトップだろうと……悪かったな」

「表のトップと比べてもらっては困るな。こちとら裏のトップを自負してるんだ。金に糸目は付けん。100でも壊れないのを作ってくれ」

「100とか人間じゃねぇだろ。まあ、それぐらいの強度と言うなら組むが、こいつは完全オリジナルになるぞ」

「いくらだ? 10億か? 100億か? 」

「やれやれ……そうだな、5億でいい」

「何時もの口座に振り込んでおくが、何時出来る」

「そうだな、1ヶ月は多いか」

「とりあえずこれと同等なのを仮にくれ。集中しないようにやるから」

「どんな集中だよ。全く、とんでもねぇな。よし、今可能なギリギリで組んでおく。それで壊れたら1ヶ月待ってくれ」

「良いか、100でも壊れない強度だぞ。ぐらいじゃ困る」

「あ、ああ、しっかり強化しておこう」

「ああ、念の為に予備も欲しいから、10個発注な」

「壊れないようにすると言ってるだろ」

「だからな、60設定、65設定って別々に持ちたいんだ。調整式は強度が足りないんだろ」

「調整要らないのか? それならまだ楽だぞ」

「60から100まで40個頼む」

「はぁぁ、どんだけ持ってんだよ」

「今か、うーん、4桁かな」

「やれやれ、とんでもねぇな」

「てな訳で、200億入金するから頼むな」

「ああ、象が踏んでも壊れないようなのを作ってやるさ」

「くっくっくっ」


(裏のトップか……75を越えると言うなら、もしかしたらそうかもな。あいつ、もしかするとパーフェクトジーニアスかも……いや、まさかな。しかしそれなら表には確かに出られんな。裏の奴がそんな数値出したりしたら、もう裏には戻れなくなる。数値80か、どうなんだろうな……しかしな、100でも壊れないとやけに強調して……いや、さすがにそれは。まあいい、限界に挑戦って意味でも、やれる限り強化しておくか)

 

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