どんくさいやつ
石を上げると、そこに居た。
のそのそと、動いてた。
僕は、“それ”を突っつく。
“それ”は、ころんと丸まった。
手のひらに乗っけると
ころん、ころんと転がった。
ちょっと放っておくと
また、のそのそと歩き出した。
どんくさいやつよ。
君は何故歩くんだい?
どんくさいやつよ。
君は何故転がるんだい?
植木鉢の下
大きな石の下
家の陰の中
君は何故隠れているんだい?
答えておくれ。
どんくさいやつよ。
手の平の上で
歩いては転がり
歩いては丸まる。
何てどんくさいんだ。
怒らないでよ。
君が猫に襲われても
人に踏まれそうになっても
僕が君を守るから。