~~朝~~
眠い……なんで三連休なのに毎朝五時半に起きなきゃならんのだ。
俺の睡眠をよこせ~もしくは毛布的なものを~
クロア「そんなこといっても何も出てきませんよ。それに寝る時間がないなら早く寝れば良いじゃないですか」
これでも九時には寝てるんだよ~(泣)
最低でも十時間は寝たい…
クロア「子どもですか!?」
やばい、本格的に眠くなってきた。
クロアの毛皮って気持ちよさそうだね~?添い寝させて?
クロア「ちょ、まっ…きゃあああ…」
さてこっから改変後なー。
こ、この話で改変はお仕舞い……ガクッ
真っ暗な世界…
何もない…ぼくは浮いてるでもなく、地面に倒れているわけでもない。なんとも不思議な感じだ。背中になにかあるのはわかるのに、それを目視することは出来ない。ぼくは何も考えなかった。考えられなかった。しばらくそのままボーっとしていると≪誰か≫が向こうで手を振っている。ぼくは吸い寄せられるように≪誰か≫のところにたどり着く…………
はずなのに…
永遠ともいえる時間の中、近づいては遠ざかるを繰り返す。
待って…待ってよ、誰なの?
君は誰?
僕?
僕はね。
それはポソッと答えた。いや、答えた…というよりも聞こえた……という感じがする。
僕は………
「「牛乳だぞ~~」」
「ひぃ!」
「ぐぼぅ!」「イダッ!?」
なにやら良くわからない夢にビックリして飛び起きたらウィズさんのおでこに自分のおでこがクリーンヒット。持っていた真っ白いミルクが宙を舞って狼のオス二人に降りかかる……。
「あっぶね~」
ことはなかった。ウィズさんはしっかりとこぼれないようにバランスを取っている。…それにしてもここ…。
「どこ?」
「ん、ここか?ここは借家だ。借りたんだよ、マスターからな」
「ます……たー?」
「いきなりのヘッドバットは効くな~」
なにか忘れてるような感じがする。記憶がもうちょっとで出てくるような…。
「ッ………」
「おい!大丈夫か?」
「大丈夫です…頭が痛いだけです…」
「ぶつけたやつじゃなくて?」
「……頭痛のほうです」
ならゆっくり休めやと苦笑いしながらいってベッドに座って肉球のある手で頭を撫でてくれた。父親ってこんな感じなのかな?ちなみにぼくに父親のいた記憶はない。なんかお母さんがもう耐えられません!とかいって離婚届を叩きつけた…とか言ってた。
「まあ仕事は今ないからまだ面倒見てられるからいいけどな」
「仕事…そういえばハンターって行ってましたね。依頼って今受けてないんですか?」
依頼を受けてるところを見たことがないのを思い出して聞いてみた。
「う~ん。特に受けてないけど…今は依頼が終わって休暇中という感じ?」
あとまだこないだの報酬もらってないんだよね…とか頭を掻き掻きつぶやく。こないだの依頼はおそらく、ぼくを助け出したついでの奴隷解放だろう。誰からの依頼だったんだろうか……もしかしたらあのときのおじさんの奥さんかも。家族がいるとか言ってたし…。それより報酬受け取ってないって……。
「何で?」
「依頼ってどんなのかな…って思ったから」
そのことをいうとウィズさんはう~んとうなって何かを考えるようなしぐさをするとまあいいかと自分で納得してとりあえず寝るようにぼくに言いった。
「絶対安静だからな!外に出たら俺特製の滋養強壮の薬を飲ませるからな」
「滋養強壮の薬って…ど、どんなの?」
「ウコンとか煮干しとか生姜とか蕺とかetcを乾燥させて粉にして水で溶いて固めたやつ」
「まずそう…」
さあ、どんな味がするでしょう?とおどけて答えるウィズさん。…やっぱりまずいのかな?でも、ウィズさん料理上手いし…あ、薬って言ってた。薬は料理じゃないか…。
ちょっと興味がある。
「じゃあ明日にも、依頼受けて仕事に行くか…それまでには直しておけよ?明日、簡単な依頼を受けておくから」
んじゃっ!といって部屋から出て行こうとする。灰色の尻尾を振り振り上機嫌な様子…何かいいことあったのかな。獣人は動物と同じように感情を尻尾で表すんだ。………それにしても尻尾が右に行ったり左に行ったり……。
右……左……右…左…右左右…に行かないで左
……………………。
「うにゃ~~~~!!!」
「ひゃん!?」
ベッドから飛び上がりぎゅっと尻尾をつかむと変な声を出して前のめりに倒れ、ビクビクっと震えた。
子犬は猫のように動くものを追いかける習性がある。狼もまた同じ…これは母親の尻尾を目印にして歩くため。
「はっ!?」
ぼくが正気に戻ると目の前にウィズさんが倒れていた。どうやら気絶してしまったらしい。手の中にはウィズさんの灰色の尻尾…。
…………………。
もう、夕方だなぁ…。おなかすいたなぁ…。はぁ………
次の日の午前八時ごろ…ぼくは珍しく台所に立っていた。
(料理なんかやったことないけど…何とかなるよね)
こうなったのもウィズさんがまだ起きないからなんだけど…いかんせん、昨日のこともあるし無理やり起こすことも出来ず、お腹は空くし…そうだ!自分で作ればいいじゃん。的な具合で現在に至る。
まず、何かないかと冷蔵庫や戸棚を漁る。
あ、料理本があった。表紙には素人にも簡単に作れるヘルシー料理と書かれ、豆腐で出来たハンバーグの写真が載っている。ボリュームがあるのが良かったんだけどこの一冊しかないのでこれで作るしかない。一枚一枚爪で破かないようにめくり(ちょこちょこ破けたけど)自分でも作れそうなものを探す。ウィズさんってもともと肥ってたのかな?
……………65ページ目にあったゴマドレサラダパスタ。これなら出来そう。ゴマはは好きだし、何より作り方が簡単だったから…
十五分後……
「出来た~!」
ちょっと不恰好だけど出来た事には出来た。なんかパスタがやわすぎたりするけど気にしない。盛り付けに失敗してパスタが散乱したけど気にしない。
「ウィズさ~ん、これ作ってみたんですけど!」
ウィズさんが寝ているなんて関係ない。今はこの感動を誰かと共有したくてベッドに大声を出しながら向かう。
「…………………あれ?」
いない…いない…あれ~?シーツの中!…いない。じゃあベッドの下!………いない。じゃあ、じゃあ……。
いろいろなものをぶちまける。タンス・ベッド…寝室にはいないから浴室・トイレ・洗濯室をやたらめったらに探す…。
「ウィズさん、いない…………いない………いない……いない…また一人?いやだ、怖いのいやだ。一人怖い。いやっ…いやーーーーーーっ!」
ぼくはうずくまって部屋の隅でおびえ、ガタガタとゆれる。瞳孔は開いていてもうご乱心としか言いようがない状態。
怖い、怖い、怖い怖い怖い怖い――――――――――………
「うるさい!」
「りゅぶっ!」
涙目で後ろを振り向くと三角の耳をペタッと押さえたウィズさんがぼくの頭の上に紙の束を置きながら言った。と、いうより叩きながら言った。
「な~んで、ほんの数分居なかっただけでこんなにぐちゃぐちゃになってんの?クロア、料理作ってたはずだよな? なのになん………」
ポフッとウィズさんの胸に抱きつく。
「ど、どうした?何かあったのか?」
「ウィズさん…どこにも……行かないでください…」
ウィズさんは何やら考えてポソッと耳元で答えた。
「大丈夫…何処にもいかねぇよ……」
まるで何か大きな覚悟をしているような口調だったけどウィズさんは鼻歌を歌いながら台所の方に歩いて行った。
「あぁ、そうそう飯食ったらすぐ準備しろよ。出掛けるぞ」
ぼくがどこに?とクエスチョンマークを浮かべていると、とことこウィズさんが近づいて来て言った。
「昨日言ったろ?依頼に行くって」
言ったけど本当に行くとは思っていなかった。それに今、僕が散らかしたせいでぐちゃぐちゃだし、飯って言ってもぼくが作ったパスタしかないし…
「食わないの?なら俺が食っちゃお~!」
「ちょ、ちょっと待って下さいよ!それ、ぼくが作ったんですよ!」
こうして一日が始まったわけですが、ぼくたちが食べようとしていたパスタ…色が変なのです。紫というか赤というか…。床に転がっている空き瓶にはゴマドレなどのロゴは入っていなく、かわりに触るな危険や混ぜるな危険などのロゴが入っていた…。
ウィズ「………なんで作者とクロアが寝てるんだ?しかも、添い寝って…」
???「教えましょうか。」
ウィズ「誰?」
???「次回になればわかる事…とにかくこれは…かくかくしかじか………」
???「なのよ。次回はわたくしも登場しますのでよろしくですわ。お~ほっほっほっほっ……」
???「………わたしも出るからよろしくね…」
ウィズ「行っちまいやがった…。なんだあいつら?まあいいや、とにかく新しいやつが出るようで…というわけで次回をお楽しみに」
改変後
改変お仕舞い!
突発的なので次回は未定