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ダンジョンを出て協会に戻り、さなえさんに報告を行う。


「コウさん、他に変わった事とか無かったですか?」

「あっ、サナエさん。テイマーの冒険者ってどのくらいいるものですか?」


「テイマーですか?


日本ではそこまで多くはありません。それとSランダンジョンに入って無事生きて帰れるような人は日本にはいないですね」


「そうなんだ。今日レイラって言う冒険者と会ったよ、テイムしているモンスターで俺をずっと監視してたみたいだけど」


サナエさんが、バン!とデスクを叩き立ち上がる。「レイラ!! コウさん、その冒険者がレイラと名乗ったのですね」


「ああ、シルバーウルフやポイズンスパイダーなんかをメインにテイムしてたよ。

後、大鎧熊に乗ってダンジョンの中を移動してた」


「そうですか。それで尾けられていませんね?」

「た、たぶん」


ほっとしたのかサナエさんが話し始める。

「その人は、館林 鈴蘭(レイラ)と言って日丘 克典と一緒にアメリカに渡った人です。


この時期に帰ってきたと言うことはスカウトしに戻って来た。

そう考えて間違い無いでしょう」


この館林 鈴蘭が帰ってきた!! その情報は一気に全国の協会支部に広がった。


レイラ帰国の噂は直ぐに広まり冒険者達の中には自分がスカウトされる。そう思い、様々なダンジョンでアピール合戦が起き初めていると言う。


夜、1人で配信番組の情報を眺めて入るとレイラと名乗った女が映った物を発見。それはすでに生配信された後の録画映像だ。


#レイラ

  

「 はいは~いぃ。レイラです。日本での配信は久しぶりだよねぇ。

何年ぶりだ、みんな忘れて無いかな。ちょっと心配」


            #名無し

            : レイラだ、お帰り


           #名無し

            : 久しぶりに声聞いた


           #名無し

            : う~ん。女神降臨


#レイラ


「おー、有り難う」


#レイラ


「早速だけど、皆さんにお知らせ。


え~っと。


私は今回。皆様をスカウトにやってきました。ワー、パチパチパチパチ。


アメリカは実力さえ有れば豊かな暮らしが出来るよ。日本にいて虐げられてる、そう思うことない?


実力は当然だけど冒険者協会が定めたランクじゃない。ランクが低くても配信で人気者は凄く優遇されるし、強さだけじゃない。それは保証するよ。


後、話が下手でも一生懸命に頑張る系の人。最近人気者だよ。


で-もぉー、一番駄目なのがぁランクは高いけど周りの冒険者に人気無い人。最初はみんな付いてくよ。


でもすぐに周りが離れる。

その辺はみんなシビア、だって売れる為に努力してるのみんな」


           #ムシムシ

            : やっぱ、アメリカ怖い


           #金太郎

            :はよーおせーてぇ


           #名無し

            : 本物の話は説得力高


#レイラ


「まあまあ、そんなに焦らない。


私は来週から全国を回ります。ダンジョンはD~Sまで全部に潜るよ。


我こそはと思うみんなを観察して直接声をかけようと思ってます。


みんな、気合い入れてちゃんと準備してきてね」


           #名無し

            : キター(゜∀゜ 三 ゜∀゜)


           #名無し

            : 偽レイラはいないよね


           #名無し

            : 待ってる見つけてね。 


           #金太郎

            : 俺も見つけてね


           #伝説のFランク

            : 俺を忘れてない?


#レイラ


「 伝説のFランクさん。本物?」


           #伝説のFランク

            : 意味わかんない。配信名に本物も偽者もあるの?


#レイラ


「なる程、それもそうね。皆さんダンジョンで会いましょう。待ってるよ、じゃあね。バイバイ!!」


その動画はすでに1週間も前に配信されていたものだった。しかしサナエさんの話は本当だったな、本当に人を集めにわざわざ来るんだ。


しかし何処にでも入るな自称伝説のFランク。いい加減、俺を解放してくれないかな。


翌日さなえさんに呼ばれ、協会にくる。そこには警察の白石さんと知らないおじさんがいた。


「コウ。悪いな呼び出して」


「いや、白石さんの呼び出しなら喜んで」


「はは、言うようになったな。あの可愛い子に言っちゃうぞ♡」


「え?」


「冗談だ。それより館林 鈴蘭(レイラ)が今度の初級研修に顔を出すことがわかった」


「は? ちょっと待って」

あのレイラが初級研修に来る。もしかして俺が初めて会った奴だから何か疑われているのか。


「あの、それで俺が何かしないといけないの?」


「当然だ。現在の日本でお前ほど自由に動ける冒険者はいない」

は? 何の事を言ってる。もしかして俺にダンジョンに入れと? 

俺がダンジョンに入らないといけないのか?

ダンジョンに入って俺に館林 鈴蘭(レイラ)を倒せと?


「どうしたコウ? 何を呆けている?」

「なぁ、それを俺がやらないといけない理由はなんだ?」


「ふ、考え過ぎだ。要は新人研修を担当して欲しいだけだ」

「はぁ。館林 鈴蘭が来る。つまり、面倒事だ。俺に警察の手助けをしろと?」


「何を言ってる。ダンジョンの中はお前達冒険者の領分だ。そこで起きる事は我々では対象不能だ。

例えどんな結果になってもな」


どんな結果でもか、下知取ったぞ。相手が逃げても俺の責任じゃないからな。

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