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突然、オレの最後の癒しであるコングエイプの一匹がいなくなった。その現実を受け入れる事が出来ずに狼狽えてしまう。


ふと気付くと直ぐそこに黄金に輝く龍がいた。青龍よりもさらにでかく、体長は10mを越えているでかさに思えた。


こいつがコングエイプを潰したのか?


「貴様らなんてざまだ。たった一匹の人間等にやられおって」


俺の例属になった配下達は俺の機微が伝わるようで、沸々と沸き上がる怒りに反応する。

四聖獣が俺と黄龍の間に入り、ロックとクリスが脇に出る。残る配下達は皆、俺の後ろに出て戦闘の準備に入った。


「コ、コウ君。大丈夫?」


「さおり、少し下がっててくれるか」


「う、うん」


声をかけられたが、さおりを見る事も出来ずに潰れたコングエイプを眺めていた。その間、黄龍と四聖獣達がいがみ合い、お互いに距離をとっていた。


「みんな、後ろに下がれ」


「「「「主!」」」」


「聞こえなかったか? 下がれ」


怒りのこもった声に、四聖獣達が後ろに下がった。


「さおりをお願い」


「ハッ」


朱雀がさおりの側に立つ。


「おーおー。朱雀ともあろう者が、人のいいなりッ!! ガハッ」


黄龍が何やら話して入るところを横凪ぎに刀を振り黄龍を斬る。黄龍は自らの鱗に絶対の自信があったのだろう、体が斬られた事に物凄く驚いていた。


「貴様、なに…」


黄龍が何かを言ってはいたが全く耳に入る事はなかった。


警戒して距離を取る黄龍に縮地を使い近付き、そのでかい体を縦横無尽に切り刻む。

でかい事はある意味有利だ。だが的となった時はその限りではない、切り刻むのに狙いを定める必要も無い。


黄龍の体全体が斬られると人の姿になる。


ひげをはやし仙人のような出で立ちに手に何やら丸い水晶のような物を持っていた。かまわずにその仙人に斬りかかる、致命傷にはならなかったが服が斬れ血が流れていた。


俺に対し手を出し何かを叫んだように見えたがその言葉が俺に届く事はなかった。


距離をつめ、仙人が放ったブレスをかわし袈裟に仙人を斬った。手応えがあったが完全には倒していないのだろう。


仙人が姿を消す、すると目の前に黄金の龍が現れた。先程のサイズと違い3mも有れば十分なサイズだ。


やっと本気になった、勝手にそう思い中段に構える。


腰を深く落とし、無心に黄龍を見る。

黄龍の揺らぎが見えた。日丘 鉄斎の揺らぎと違い、明らかに焦りだ。日丘 鉄斎の揺らぎは攻める為のもの、黄龍の揺らぎは自らの敗けを悟っての揺らぎだ。


縮地を使い揺らいでいるように見える箇所を斬り付ける。


「グアー!」大声を上げて黄龍の体が大きくうねった。


そこをチャンスだと思いさらに揺らいでいるように見える箇所を斬る。


すると首を持ち上げブレスを出す。


そのブレスを真っ向から受け止める。俺の怒りに魔力鎧と金剛体が答えてくれる、真っ向から受けきったブレスが途切れた所で黄龍の頭を真っ二つに斬る。


黄龍が動かなくなり、常闇の寝床に入って行った。


俺が黄龍と対戦していた時間が10分を過ぎていたのだろう。何時もの機械音が流れる事はなかった。


「麒麟、黄龍。出ろ」


すると常闇の寝床から麒麟と黄龍が出てくる、麒麟は女の姿で黄龍はじいさんの姿だった。


「お前ら、2度と俺を怒らせるな」


麒麟と黄龍が震えている。


"名前を付けてください"


「麒麟、お前はそのままだ。黄龍、お前はゴールドだ」


麒麟が不満そうな顔をする。


「妾はもっと可愛い名前がいい」


まだ、コングエイプを失った怒りが残る俺の気持ちが伝わったのだろうか、麒麟が震えるとそのまま名前を受け入れる。


ステイタスボードで確認すると。


玄武 将軍


白虎 将軍


青龍 将軍


朱雀 将軍


麒麟 参謀兼医療担当


黄龍 大将軍


と書かれてある。参謀兼医療担当ってなんだ?


「麒麟、医療って何か出来るのか?」


「え? うん。妾は戦闘はからっきし駄目。回復魔法、解毒魔法、解呪魔法、薬事も得意」


そうなのね。


「ゴールド。お前の大将軍ってなにができるの?」


「わしは四聖獣と麒麟をまとめるまとめ役です。戦闘も行います。


属性は光魔法と土魔法となります」


「そうか。わかった、よろしくな」


「「ハ!」」


うん? こいつら普通に話をしてるけど話できるの? 改めて見るとすでに常闇の寝床に戻っていた。


すると残ったコングエイプが麒麟とゴールドの魔石を持って現れた。


「何時もありがとうな」そう言って頭を撫でる。


「コウ君。大丈夫?

なんか凄い怒ってたけど、大丈夫なの?」


「あ、ごめんな。コングエイプって、何時も魔石をとって持って来てくれたり、色々と世話焼いてくれるんだよね。


そいつがいないとなんか寂しくてさ」


「そっかぁ。


わかった。


でも帰ろ。私達が出ていかないとかなり大騒ぎになってるかも知れないからさ」


そう言うと俺の腕に絡み付いてくる。

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