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「そうか、ステイタスボードも人を見てんだな。くそ!!」思わず悪態を付く。
その後どの順番で入るか決めていく。白虎は風、青龍は水、朱雀は炎。と各々の特徴を持つ。
俺の取得モンスター達は、炎に対する耐性が一番弱い事から朱雀が一番最後に決まった。
風は大岩とワニが耐性があって強い。おまけにキリーやレット、シルバーの俊敏さが有れば何とか攻められるだろと考えて白虎の部屋に向かう。
白虎の部屋は竹林の中に廟のような物が建っている。誰かを祀ってるのだろうか?
すると廟の上から白虎が降り立つ。
玄武もでかいが白虎もでかい、大鎧熊の大ちゃんと変わらない位のでかさだ。
「大岩、ワニ。お前達は防御に回れ。
キリー、レット、シルバー。俺についてこい」
大岩とワニが出ると白虎と対峙する。
早速、白虎の風魔法が飛んで来るが強力な甲羅と鱗に当たると消えて無くなる。大岩とワニは何も影響がないのか、白虎ににじりよる。
大岩とワニが白虎と対峙している脇をさおり達を連れて移動。
「クリス。反対側に出ろ、一気に攻めるぞ」
白虎が三方向から囲まれたのに気付くと頭を低く保ち、動きを止める。
即座にシルバーの氷のブレスとクリスの岩槍が白虎に当たる。
「水氷纏」
刀の表面を水氷魔法が覆う。それを持って白虎の右後ろを斬り付ける。
それにあわせてクリスが岩弾を放ち注意を引く。
白虎の体を竜巻のような風の渦が覆う。
「大岩、ワニ噛み付け」
逃げ出そうとする白虎に大岩とワニが噛み付き、動きを封じる。
「さおり、行くぞ」
刀に火炎を纏わせるとさおりと2人で白虎の首に刀を刺す。
「ガオーー!!」
白虎の雄叫びにさおりが刀を抜いて離れる。
「爆炎」
火炎魔法を刀から出すと、その衝撃で白虎の首が飛ぶ、大岩とワニが白虎を離して後ろに下がった。
どうやら俺は少ししかレベルアップしなかったがさおりは一気にレベルアップしたらしい。少しふらついていた。
こうなるとやっぱり1人でボスを倒してボス討伐のボーナスのレベルアップが欲しい所だ。
白虎の体が自然と常闇の寝床の入る。
すると頭の中に映像が流れた。
目の前の廟に頭を下げ何やらお祈りしている女がいた。
突然、俺がその廟の前に立つ。
「こい、いつまでここにいるつもりだ」
「私はここを離れて良いのか?」
「当たり前だ。これから俺がお前の主だ、俺に従い俺に尽くせ」
「そうか、やっと解放されたか。我が王にこの命を預けます」
女が頭を下げた所で映像が終わる。白虎の部屋を出て廊下にくる。
「さおり、だいぶレベルアップしたか?」
「したね、ちょっと驚く。
後何回か同じ位レベルアップしたらSランク入り出来る位」
「少し休んだら青龍の所だ」
「ねえ休まない、流石に体が厳しいかな」
「そうするか。
みんな出ろ。少し休む、何かあったら教えてくれ」
イベントリから、毛布とタオルケットを取り出してさおりと2人でくるまって一眠りする。
そう言えばほとんどの物をインベントリに入れてるからからか、いつも荷物が少なくて不思議がられたり、新人や週末冒険者に間違われるんだよな。
目が覚めるとまださおりは寝ていた。時間的にまだ余裕がある。
刀を出し研いて手入れを始める、それから必要な物をチェック。すぐ使う物をポーターバックに移動。
「玄武、白虎。出ろ」
玄武 将軍
白虎 将軍
ステイタスボードにはそのように書かれていた。
玄武と白虎が出て俺にかしずく。
「悪いがお前達は特別だ。名前はそのままだ。
玄武、白虎。よろしくな」
「「ハイ、仰せのままに」」
「え? お前達、話し出来るの?」
玄武と白虎がお互いの顔を見てキョトンとしている。
だよな。俺の勘違いだよな。
「ファ~ おっきい」
さおりが目を覚ましたようで玄武と白虎を見て声をあげる。
「さおり、玄武と白虎だ。
名前はそのままにした。この2匹は特別他と比べても強いしな」
するとコングエイプが玄武と白虎の魔石を持ってきた。
その魔石は他のどれよりも大きく、そして澄んだ綺麗な茶色と白の魔石だった。
「ありがとうな」
そう言ってコングエイプから魔石を受けとる。
しかしでかい魔石だな、さおりの顔と変わらない大きさじゃないか。
「コウ君。この魔石はどうする?」
「これは卸せないよ。持っておく」
「そうなの?」
「ああ、この魔石から玄武と白虎の気持ちが伝わって来る気がしてさ。
だから俺が生きてる間は手元に置いておくよ」
キリーもそうだが、あのような体験をしたモンスターの魔石は全て手元に残してある。
「さおり、悪いが今日中に青龍の部屋を終わらせる、朱雀を倒した後に何かしらのイベントが起きそうな気がする」
「イベント?」
「ああ、この四聖獣は他に麒麟と黄龍と言われる強者とも結び付いている。
俺の勘だけど朱雀を倒した後、麒麟か黄龍のどちらか、もしくは両方と連続で対戦しないと行けない気がする」
「ひょっとして、コウ君のスキルの影響?」
「ああ」
さおりが諦めた顔をしている。
「了解。秋田のSランクダンジョンと同じならこれで終わるなんてあり得ないものね」




