◇
「ロック、からし。お前達は俺が仲間にしたくてわざわざ迎えにいったんだ。俺をがっかりさせるなよ」
「「コゴガーー!!」」
玄武をはさみ俺とロック、からしが三角形を作る。すると玄武が急に慌て出す。
ロックとからしがその辺に有る岩を持上げる。
やっぱりこいつらは頼もしい。
蛇が恐怖して亀の体により強く巻き付く。
「闇縛り」
そこに数多の闇の腕が延びると玄武を取り押さえる、するとロックとからしが岩を捨てて拳に力を貯めて殴り出す。
だよな、打撃系モンスターの頂点だ。やっぱりこいつらは裏切らない。
するとさおりが駆けてきた。
「さおり、タイミングを合わせる、蛇を斬れ」
「わ、わかった。ごめん。一回しか無理」
「任せろ。お前の彼氏を信じろ」
「言質取ったからなぁー。後で後悔するなよ!!」
さおりの顔が物凄く笑顔になる。
ロックとからしがさおりの動きを隠すように動き、玄武をぼこぼこに殴り付ける。
そこに俺とさおりがタイミングをあわせて亀と蛇の首を同時に斬る。
「キヌー」「シャー」
ボン!! 大きな爆発音がして玄武が常闇の寝床に入って行く。すると、俺とさおりが一気にレベルアップしたようで2人とも伏せてしまう。
「ロック、大ちゃん。俺とさおりを部屋の外に運んでくれ」
俺はその後気を失う。
◇
朝焼けの朱い光の中で仲の良い若い男女に会う。
「おはようございます。今日は良い天気だ」
「そうだな。でも少し朝焼けが強い気がする」
「良いんですよそれで。
貴方は私達の王だ。この気持ちを、私達の全てを連れていって下さい」
「そうか、なら背負う事にしようか。お前達の魂は俺が預かる、後悔するなよ」
「「ハッ。我が王の思いのままに」」
酷く赤い光景の中で微睡みながら目を覚ます。
「コウ君起きた?」
さおりが弱々しく俺に声をかける。
「悪い、どのくらい気を失っていた?」
「大丈夫、まだ10分位だよ」
"レベルアップしました、ジョブをいれかえてください"
いつもの器械音が頭の中に響き渡ってジョブを切りかえる。
"これから超級に切り替わります。
英雄 世界に認められた者。
味方に取っては生きる希望であり、敵に取っては死神を想像させる者。
ナイトメア 世界に嫌われた者。
味方に取っては英雄であり、敵に取っては絶望の象徴である"
名前 二前 宏
職業 ナイトメア Lv10000
超級職 レベルMAX 50000 リターン(Lv50000)
英雄 Lv10000
任意発動スキル 補助
【隠匿スキルLv5 生命察知Lv5 魔力察知Lv5 気配遮断Lv5 英雄の叫び ナイトメアの喜び】
任意発動スキル 戦闘
【戦闘術Lv5 索敵Lv5 縮地Lv5 魔力強化Lv5 金剛力Lv5 覇王の威嚇Lv5】
任意発動スキル その他
【インベントリLv5 常闇の寝床Lv5】
常時発動スキル 補助
【必要経験値-50% 獲得経験値+50% 記憶力アップ 運気アップ 精神強化Lv5 英雄の鼓舞 闇王の命令Lv5 死霊操作術Lv5】
常時発動スキル その他
【魔力鎧Lv5 金剛体Lv5 神目 魔力循環Lv5 覇王の目覚めLv5】
魔法スキル
【火炎魔法Lv5 大風魔法Lv5 水氷魔法Lv5 回復魔法Lv5 解毒魔法Lv5 解呪魔法Lv5 闇魔法Lv5】
【魔装 火炎纏 風纏 水氷纏 闇纏】
"貴方は正式に覇王と認められました。今後活動に期待します"
「うるせぇ。どうでも良い、俺はさおりを生きて連れて帰るそれだけだ」
機械音に思わず文句を言う。声を出すだけで体中に痛みが走り、息を吸うだけで死ぬ程の痛みが走る。
「ねえコウ君? 大丈夫、何か文句言ってるけど?」
さおりが何か神妙な顔で俺を見る。
「大丈夫だ。俺のステイタスボードに文句を言っただけだ。
成長スキルの凄く面倒な所だ、全く理解できない事が多すぎる」
「そうなの? 今のジョブって何?」
「英雄とナイトメアだ。どちらも敵に取っては死神だったり、絶望だったりするらしい」
「死神に絶望? 良いんじゃない。何かコウ君らしいよ」
「さおり、それよりも腹へった。飯食おうぜ」
「何ストックしてるの?」
「普段言ってるラーメン屋のらーめんと替え玉のセット×4。
後は俺が作ったパスタシリーズ。
丼ものシリーズ。
サンドイッチシリーズ。
中華シリーズと和食シリーズ。
極めつけが買ったお刺身と買ったお蕎麦&うどんシリーズかな」
「そ、私は中華シリーズね。
天津飯や海老チリ何か最高だよね、あれはお店に負けてないレベルだよ」
「そうか。いずれは冒険者辞めて、町中華でも始めたら良いだろうか」
「ダメだよ、ラーメン屋の店長さんに怒られるよ。あんなにコウ君を応援してくれてるんだから」
「そうか」
そう言うとイベントリからシートを出して敷く、その上にテイブルと椅子を置いてラーメンと中華を出す。食べ始めると暖かい食べ物にさおりが驚いている。
「不思議だろ。俺も理由がわからないけど温かい物は温かく、冷たい物は冷たいままなんだよ」
「何の説明も無いの?」
「ほとんどな、約20tまでは入るらしい。その他は、俺が死ねば中に入ったものが全部出るらしい」
「それだけ?」
「ああ」
「ひょっとして他のスキルも?」
「そうだよ。
ネクロマンサーの各種能力とかは
常闇の寝床⇒モンスターのいる場所。
魂の抽出⇒躾。
闇王の命令⇒絶対の言葉。
闇魔法⇒説明無し。
死霊操作術⇒躾たモンスターの調教、だぞ。
これでどうやって人に説明するんだ」
「信じられない、私のステイタスボードの説明とかは細かいよ」
「そうか、ステイタスボードも人を見てんだな。くそ!!」




