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協会内の武器を扱うエリアでうろうろとしながら武器を物色する。
普段、レンタルしているバトルナイフで10万円だ。それの上級武器を見ると同じ形で20万、この違いは何だ?
「こっちかい、これはCランクダンジョンだけで取れる鉱物を使った物だ、持ってみな」
そう言われ持つと軽さがかなり違った。
「驚いたろう。この軽さで強度と切れ味は断然に上だ。
この鉱物はモンスターの解体にも使うんだ。切れ味と耐久性はお墨付きだよ。
戦闘中に折れたと言った話しも聞いた事がない」
「なら、これを下さい」
「あいよ、ギルドの銀行口座からの引き落としで良いか?」
「お願いします」
「なら、割引しといてやる。俺が割引いたって言うなよ」
そう言って4万円も割引いてくれた。
家に帰って管理人室に入るばあちゃんに声をかけて家に入る。
それからスキルの入れ換えをすることにした。
名前 二前 宏
職業 剣士Lv300
【武道家Lv248 ポーターLv228 ゴミ拾いLv227 商人Lv214 料理人Lv300】
【スキル 隠匿(スキルLv1)を取得】
【派生スキル 身体強化Lv2 剣術 精神強化 硬体Lv2 目視強化Lv2 宿地 必要経験値-50% 獲得経験値+50% 記憶力アップ イベントリ】
基本職 一覧を開く。
剣士 Lv300
武道家 Lv248
ポーター Lv228
旅人
商人 Lv214
魔法使い
聖職者
盗賊
料理人Lv300
ゴミ拾いLv227
剣士と料理人は切り替えても良さそうだなと思い、剣士と料理人を外して盗賊と魔法使いを新たな職に入れる。
名前 二前 宏
職業 魔法使いLv1
【武道家Lv248 ポーターLv228 ゴミ拾いLv227 商人Lv214 盗賊Lv1】
【スキル 隠匿(スキルLv1)を取得】
【派生スキル 身体強化Lv2 剣術 精神強化 硬体Lv2 目視強化Lv2 宿地 必要経験値-50% 獲得経験値+50% イベントリ 記憶力アップ 索敵 気配遮断 生命察知 魔力察知 魔力循環 魔力強化 運気アップ】
【魔法スキル 火魔法 風魔法 水魔法を取得】
驚いた事に魔法スキルだけは自分のスキルの中に取り入れる事が出来なかった、あくまでも職業が魔法使いの時のみ使えるようだ。
魔法使いのスキルはわりとポピュラーでパーティーに一人は魔法使いがいる位に多い職業だ。
だが、レベルの差が出やすい職業でもある。
魔法使いだけで構築されたクラン 赤の魔女と言うSランククランまである位だ。
クランとは、パーティー同士が連携して組織を作って活動している集団だ。
冒険者協会を通さず企業などから依頼を受けて成果を上げるクランもある、特に優れているクランをSランククランと呼んでいる。冒険者協会とは持ちつ持たれつと言った関係らしい。まあ、単独行動の俺には関係無い話だけど。
翌日、初級ダンジョンに来た。土日と言うこともありいかにも新人ぽい冒険者が沢山いてその中に俺もいる、そんな新人ぽい冒険者を無視してダンジョンに入が中も人がごった返していた。
10階層に来て職を魔法使いにきりかえて体勢を整える。目の前にシルバードック(モフモフ子犬)が4匹寝転んでいる。
本当にこいつらを倒すには、心がやられてしまう。見た目は可愛いモフモフだがモンスターだ、それこそレベル50位までは蹴られて死ぬ事すらあるモンスターだ。
先ずは魔法使い職の実戦だ。
「風切り(かざきり)」
良くわからないが頭に浮かんだ詠唱を唱える。
風の刃がシルバードック4匹に飛びシルバードックの体を真っ二つにする。
あ、モフモフが。やっぱりこのダンジョンって精神的に厳しいわ。そう思いつつも魔石とポップしたモフモフの毛皮を取ってイベントリの中にしまう。
その後気持ちを持ちなおし亀さんの部屋に入った。
今日は中央ではなく部屋の奥にいるようでゆっくりと岩のある方に移動する。
亀さんが俺に気付いて突進してくる。
ノソモソ ノソモソ ノソモソ。
待ってる方が時間かかってしまう位に足が遅い、歩く亀さんの脇腹辺りから丸太を差し込み無理矢理にひっくり返してバトルナイフを差し込む。もう討伐と言うよりも作業だな。
頭に機械音が流れる。
"単独でボスを倒し、また討伐時間が10分かかっていません。
特別ボーナスが加算されます。ボス討伐の経験値は入りませんがレベルが15上がる事になります"
名前 二前 宏
職業 武道家Lv263
【魔法使いLv3 ポーターLv259 ゴミ拾いLv265 商人Lv230 盗賊Lv1】
【スキル 隠匿(スキルLv2)を取得】
【派生スキル 身体強化Lv2 剣術 精神強化 硬体Lv2 目視強化Lv2 宿地 必要経験値-50% 獲得経験値+50% イベントリ 記憶力アップ 索敵 気配遮断 生命察知 魔力察知 魔力循環 魔力強化 運気アップ】
【魔法スキル 火魔法 風魔法 水魔法を取得】
やっぱりポーターの移動するだけでレベルアップするのは旨味があるな、このまま行けば武道家より先にレベルMAXになりそうだ。
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家に帰るとばあちゃんに呼ばれて管理人室にはいる。
するとさちえちゃんとおばさんがいた。
「コウ君。今、おばちゃんにも伝えたの。
旦那の転勤で、来週からアメリカに行く事にしたの」
「え? アメリカ?」
「うん、コウちゃん。手紙書くね。この携帯、海外でも使えるらしいけどさ、日本語使われなくて全部英語なんだよね。私、英語覚えるまで時間かかりそうだし」
さちえちゃんは初の海外に興奮気味に話す。そしてその横で涙をこらえて送り出そうとして入るばあちゃんがいた。