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ダンジョンに誰も入れないのは仕方ない。


多分、俺とさおりは何もしないけど、俺が連れてる配下は別だ。普段から俺に敵意を持つ奴は殺してしまい兼ねない程になる。おまけにランク的にはSランクを超える者も少しづつ増えた来た。


そんな配下達は俺とさおり以外は他のモンスターを含め全てを敵と認識しているようだ。


レンタカーに乗ってダンジョンにくる。住宅街から少し離れた場所にポツンとダンジョンの入り口が見えた、ダンジョン前には協会の出張所がありその横に車を止める。


出張所に顔を出しておいた。

「おはようございます。検査に来た冒険者です。今日一日、よろしくお願いしますね」


すると職員が慌てる。


「あ、あの。

中に新人3人が入ってしまったです、まだ二次覚醒もしていない本当のど新人なんです。


助けてください」


思わず首をかしげる。それは協会職員の仕事では?


「すみません、私は冒険者では無いのです。一次覚醒もしていないんです。

今日、審査が入るので冒険者の方は誰も来ていません。先ほど見回りした時に本当のど新人が中に入ったのを見たのですが、すみません。私は入れないので連れて来てください」



「はぁ。冒険者はダンジョン内では自己責任です、何があっても我々に文句は言わないで下さい」


仕方なくさおりと中に入る。


「コウ君。仕方ないからちゃんと外に出してあげよう」


「わかったよ、でも死んで無いことを願うよ。

このダンジョンに入った冒険者はほぼトラップに嵌まるらしい、優秀な斥候や盗賊、アサシンがいないと死んでる可能性の方が高いよ」


ダンジョンに入り、索敵するが冒険者を発見できず仕方なく配下達を出す。


「出ろ」


常闇の寝床から、クリス、 ロック、コングエイプ 2匹、キリー、大ちゃん、からし、シルバー、太朗、次郎、三郎、四郎、大岩、ワニ、レット、ホーン、ブルー、トラオ、ケンタが揃う。


「うん? なんか変わってない」

「気にするな、変わってない」

「ふ~ん。そう。って納得するか!!

なんであんなにいたシルバーウルフがいないの? なんであんなごついのが増えたの」


大岩とワニ、トラオとケンタを指さしてさおりが俺に詰め寄る。


「さおり、ダンジョンの中だ騒ぐな」


さおりの大声にモンスターの気配がする。


「ここにいるはずの冒険者を探す、間違っても殺すなよ。それと冒険者を発見したらお前達は一端下がれ、人に見られたら不味いからな」


俺を見て配下が一斉に頷く。


するとキリーとブルー、レットが何かに気が付きダンジョンの壁に向かい鎌を使い攻撃を始める。ダンジョントラップが発生、モンスター溜まりにいざなわれる。


出した配下達を常闇の寝床に一旦戻す。


そこにいたのは日本噛みつき亀だ、口を開き獲物を狙う噛みつき亀に、ちょっかいを出そうとしていた。


「オイ、お前達は何をしている?

今日はダンジョンに入ってはいけない日だぞ」


俺の声に驚いたのか、3人全員が俺を見る。


「さっきも言ったろう。今日は冒険者は出入りしちゃいけない日だ、今日は大人しく帰れ。 そうしたら命だけは保証してやるよ」


「帰らなけばどうするつもりだ?」


1人が俺に聞いてきた。


「どうもしない。この噛みつき亀達の中で放置だ。どうやってもEランク程度の実力だろう、100%生きて帰れる保証は何もない。


自分達で選べ。ここで死ぬか? 俺達の忠告を聞いて今すぐ逃げるか?」


「お前それでも同じ冒険者か? 俺達は配信している、内容は全部出るぞ」


「なら俺も聞こうか?

冒険者はダンジョンの中では全てが自己責任だ。


死ぬ事がわかっていながらダイブするのもお前達の自由だ。だが、どんな理由があってもここは引く場面だ。

ぶっちゃけてお前達のような素人冒険者から死んでいく。


配信は止めるつもりはない、そのうち誰かが発見して弔ってくれるだろうよ」


「お前達はそれで良いのか? 人助けはしないのか?」


「さっきも言ったろう。冒険者はダンジョンの中では完全に自由で自己責任だ、その意味を履き違えている奴らから死んでいく。


噛みつき亀を倒せないならここから引け。冒険者は生きてなんぼの商売だ、死んだら何の意味はない」


パーティーリーダーが俺を見る。


「俺達全員生きて戻れるのか?」

「お前は馬鹿か? 俺が知るか、そんなのお前達の運次第だろう。


何度でも言ってやる。日本噛みつき亀は世界中を見て回っても特に狂暴な部類のモンスターだ、知らなかったじゃ済まされない。


事前にモンスターのリサーチもしないで入って来やがって、俺はお前達のお守りじゃない。生きたければ自分で何とかしろ」


「オイ、亀コロリを出せ」


亀コロリは亀系モンスターがとても嫌いな匂いを発するアイテムだ、リーダーがさおりの誘導に合わせ亀コロリを使い、噛みつき亀を寄せ付けないように離れた。


10分程でさおりが戻る。


「連れていったよ、ダンジョン出たから大丈夫」


冒険者が置いて行ったカメラや集音機材等を全てをからしが出て来て破壊する。


「キリー、ホーンお前達は見張りだ。またあいつらが戻って来たら気を失わせろ。


決して殺すなよ」


「シャァ-」


やる気の無いキリーとホーンの声が聞こえてくる。


「お前ら、干すぞ」


意味はわかって無いかもしれないが俺のイラつきは十分に伝わったらしく配下達全てが緊張感を持って動き出す。


「クリス、周りを確かめろ。何か有れば直ぐに教えろ!!」


「ワフ」


すると頭の中に機械音が流れる。


"闇王の命令が発動しました。皆言い付けに同意しました。これを破ったものは魂が消滅します"


相変わらず恐ろしいコメントが頭の中に流れる。

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