表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
69/195

優美の皆さんが気を失った事でシルバーとキリーの気持ちも少し落ち着いたのか、唸り声がなくなり気分が良くなったみたいだ。

俺に聞こえる声でシルバーが遠吠えをしている。


「留萌さん。俺達は帰って問題無いですかね?」

「そうですね。この分だと起きるのに時間がかかるでしょうから、良いですよ」


さおりを連れていつものらーめん屋にくる。

「昼、らーめんで良いか?」

「うん。ここまで来たらすでに選択肢無いでしょ」


「まあね」


席に付くと店長が俺を睨んで来る。

「コウ、お前。

何をやったらこんな可愛い子と飯食いに来てんだ?」

「可愛い? ホラホラ。彼女が褒められてるよ」

「え、そうなの?」

「おい、コウ。ちょっと来い」


店長に呼ばれ店の奥にくる。


「ここ個室だ。お前、あんまり目立つと不味いだろ」

そう言われて個室に案内された。さおりを連れて個室に入る。


「何でらーめん屋さんで個室有るのかな?」

「さあ、俺も初めてだ。こんな所があったの初めて知った。この店の常連だけど知らんかった」


そしてさおりの夏休みが始まり3日、朝からさおりが俺の部屋に来て夏休みの宿題を全て終わらせた。1日15時間も宿題をやり続けたその集中力には頭が下がる。

おかげで朝、昼、夜と飯を毎日作らされてしまった。


次の日、さおりが友達と遊んだ後で道場で合流。練習が終わり近くの居酒屋に来て晩飯を食べる。ここは剣術師範のタチバナさんの行き付けで、時々俺達も利用させてもらっている。


すると珍しく大将と娘さんが喧嘩していた。


「だから、何度も言ってんだろう。冒険者になっちゃ駄目じゃない、学校を卒業しろそう言ってんだ」

「なんでよ、私以外の人達はみんなダンジョンに入ってるのよ。何で私だけが駄目なのよ。中卒だって立派に食べていってるのに」


「そんなのはたまたまだ。実際に怪我して辞めなきゃない奴だって沢山いる、大体お前がいってるのはあの伝説のFランクの事だろう。

事の発端はあいつだ。あいつがいなければ若くして死ぬ奴は少なかったんだ」


「お父さん、その言い方は酷いよ」

「事実だろう。確かに親御さんは残念だし、周りの奴は最低そのものだ。

でもだからだ、伝説のFランクは誰もわからない位の努力をしている。才能がないのを死ぬ程の努力をしてるからあの若さで飯が食えてるんだ。

お前に同じ努力が出来るのか?」


「そう言われると」

「それと聞いたぞ、福島に有るダンジョンで1日に7万円以上も稼いでいたことも有るらしいじゃないか。人はな、そんな事をみんな出来る訳じゃない。


だからリスクを考えて大学出たり、手に職付けたり冒険者が出来なくなった時の事を考えて動いてんだ。


おまけに伝説のFランクって、料理の腕前は15~16ですでにプロを越えるらしいじゃないか。


最近テレビなんか出ない事を考えると、すでにセカンドキャリアを歩いているんじゃないのか?」


「あの? 入って大丈夫?」


「あ!! らっしゃい。へへ。恥ずかしいとこ見せちまったな」


すると居酒屋の娘がさおりを見る。


「さおりちゃんってまだ高校生だよね。冒険者をどうやって続けてるの?」


「どうやって? そうね基本的に休みの日だけだよ。それとコウ君との約束があるから学校はちゃんと卒業するつもりだよ」


「え?」


親父さんが頷く。

「ところでコウは何でさおりちゃんを卒業させたいんだ?」


「セカンドキャリアかな。俺は中卒だしね。冒険者辞めた所で体使った仕事位しか出来ないから。でもさおりの事を考えるとね、パーティー組んでいるからかな。


大変なのは分かるけど、学校は出てもらって冒険者が出来なくなっても次がある。そうなっていると安心かな」


「なんか、コウ君っておじさん見たい。あんまりおじさんみたいな事を言ってるとさおりちゃんに嫌われるよ」


「うん、おじさん捨てられないように気を付ける」


そんな事があった次の日、冒険者協会の本部に来て、刀鍛冶の人と会っていた。


「コウ、お前さんのパーティーメンバーだったのか。このお嬢ちゃん」

「はは、そうです。今日は刀を打って欲しくてそのお願いです」


「コウ?」

鍛冶士のおじさんが呆れた顔をする。


「あ、その前に試験をしましょう。

最近は刃の無いあの刀を使いこなしているので、その巻き藁で試し斬りしてその上で判断してもらえますか?」


「わかった。お前さんがそこまで言うんだ。見せてもらおう」


さおりが刃の無い刀を取り出す、それを鍛冶士が確認。さおりが巻き藁の前に立ち構えると回りの空気が一瞬静まる。


ヒュッ!  シュパッ


ボダ!


巻き藁が綺麗に斬れて下に落ちる。


「おいおい、ま、マジか?

はは、すげえな。良くこの短期間で覚えたな。おお−すげえぞ!! 姉ちゃん、名前は?」


「日丘 さおり」

「わかった。日丘 さおりだな。

約束する、コウの刀と遜色無いレベルの物を打つ。あんたの努力は本物だ」


「じゃあ、この魔石使ってよ」

そう言ってシルバーから出たレア魔石を取り出す。


「え? え~?

コウ。お前さん、どっからこんなレア魔石持ってきた? まさかと思うけど盗んで無いよな?」


「ナイナイ、普段からレア魔石を集めてるだけだよ。

これは最近だけど偶然取った物だ。あるダンジョンのシルバーウルフの中で氷のブレスを使う貴重種に会った、その時なんとか倒せてね。


そしたらこんな綺麗な魔石が取れたんだ。これなら刀を打つのに適した魔石だと思っただけだよ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ