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俺がおっさん? こいつとそんなに歳変わらない気がしてるんだが。

優美のクランメンバーの態度の悪さにキリーとシルバーが唸り声を上げる。常闇の寝床から声が漏れないか心配になる程だ。


その後も一方的にさおりに対して勧誘が続くが、留萌さんが話し合いを一旦止める。

「優美の皆さんのご意見はわかりました。さおりさん達の意見を聞きたいのですがよろしいですか?」


「お願いします。どうも我々は我が強過ぎる所があるみたいで」

クランマスターが笑いながらそう答える。


「私の話の前にコウ君に謝りなさい。

誰がストーカー? 

私がコウ君に騙されてる? 

馬鹿にするのもいい加減にしなよ。


コウ君が私を騙してる証拠でもあるの? 

私を洗脳してる証拠でもあるの? 

ダンジョンの中に入って自分の背中を預けられる人をここまで馬鹿にされると腹が立つのよ」


温厚なさおりが怒っている事に、俺とサナエさんが驚いてしまった。


すると優美の若い冒険者が俺を指差して笑い始める。

「おいおい、このおっさんがダンジョンで背中を預けられる人?

ブッハハハハハ。こいつは傑作だ。


冒険者になって10年以上経ってやっとAランク登録した奴がか? 悪いが俺達はみんなAランクだ。この間もAランクダンジョンの一つを完全攻略している。


要するに実力が違うんだよ」


「なら試そうか? 私から見たらあなた達全員、コウ君に一撃も入れれないで終わるじゃない」

うん? 

何か方向が違って来てない? 

俺がこいつらと戦うのか?


「上等だぁ! 後悔するなよ。

それと俺達が勝ったら日丘 さおり。お前は無給で働いてもらう」


「あら、良いわね。コウ君が勝ったら。優美は解散、今まで稼いだお金は私達に慰謝料として全額渡す事。


これでどう?」


この2人は何を考えていやがるんだ?

優美のクランマスターも、呆れた顔をしている。そうだろう、普通はこんな事で決闘なんかしないって。いつの時代だよ。


「勝手な事を言うな」

クランマスターが優美のメンバーを睨み付ける。


「ですが、決闘で勝敗を付けたいなら私は構いません。

もし、我々が勝ったら優美に加入してくれる事を前向きに検討して下さい。

我々が負けたら、正式に謝罪と2度とお二人に近付かない事をお約束します。


この条件でいかがですか?」


「足りないわ。今までも私の家まで付けて来たり、断ってるにも関わらずしつこく学校で待ち伏せしたり。

やってる事はストーカーと変わらないでしょ」


するとクランマスターが何かを取り出す。


「これは、私が以前東京のCランクダンジョンで取った岩蜥蜴のレア魔石になります。

今後、結果はどうあれ付きまとうような事は一切させません。

それとこれを慰謝料の代わりにお渡しします」


「良いだろうか?」

俺が声上げた所でみんなが俺を見る。


「何か勝手に話が進んでいるけど先ずその魔石はしまってくれ。

そんな物もらっても嬉しくもないし、だいたいその程度のクズ魔石でいいなら自分達でいくらでも取って来れるしな。


それで、本当に決闘で決着を付けるのか?

今みたいに頭に血がのぼってる状態で結論を出しても良い結果にならないと思うが」


「いえ、ここまで来たら止まりません。それに私もコウさん、貴方の実力に興味があるんです」


脳筋だ!! こいつらみんな揃って脳筋だ。

そして俺も脳筋だろ、こうなると止まらないじゃない。もっと冷静な人がいないのか?


結局、協会の闘技場を借りる事になった。


優美のクランマスターが前に立つ。

「対戦はお二人でよろしいのでしょうか?

我々はこの6人でパーティーを組んでいます。対戦は我々6人です」


「そうか、こっちは俺1人だ。

俺は元々ソロの冒険者だ。さおりとダンジョンに入る時だけ臨時でパーティーを組む」


「は、負けた時の言い訳か? 早いな」


「クク」「ハハ」


留萌さんが間に立つ。


「お互いの武器は練習用と言え、怪我をする可能性があります。

そらから、お互いにどういった結果であれ後腐れ無いようにお願いします。


では、始め!」


「くたばれぇ」「てめえ死ねや」「ボケが」


等、大声をあげて攻めてくる。おそらく前衛だろう3人だ。


覇王の威嚇を発動。


すると優美のメンバー全員が苦しみ出して立ち止まる。その中を悠々と歩き手に持つ木刀で1人1人の頭をペチペチと小突いて行く。


今のジョブは聖騎士、レベル10000でレベルMAXだ、その覇王の威嚇は強烈だろう。


一番元気だったお兄ちゃんが一番最初に意識を保つ事が出来ずに地面に這いつくばって失神する、そして最後のクランマスターの前に立つと木刀をクランマスターの前にだして言う。


「謝罪しろ、そしたら命だけは助けてやる」

「ここまで、実力に差があったとは」


そう言って、土下座したまま気を失ったようだ。

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