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正直に俺も初対面で「あんたが伝説のFランク?初めて見た、ウケる」とか、「あんた、意気がってるけど協会の手助けがないと意味ないっしょ、俺達のお陰で今まで生きてきんだよ。そこん所を理解しろよ」

とか。

「所詮、会長の気分で冒険者やらせてやってるだけなんだから意気がるなよ」とか、「お前、私らに逆らったらわかってんだろうな」とかさ。


そこまで言うなら、ダンジョンを自力で抜けろよな!! それが俺の本音です。


案の定だ、すでに冒険者を辞め戦闘訓練すら行わない奴らだ。最初の階層で職員ふたりは大怪我をして動けない、いくら肩書きがAランクだろうが、口の悪さがSランクだろうが関係無い。


モンスターは平等だ。自分に倒せる獲物を倒す、俺には分かりやすくていい。


「俺このまま応援よんでくるよ、ここまで戦えない職員って初めてだし正直に最悪だわ。

あんな低レベルのモンスター位倒せよ。先が思いやられるわ」

「ふ、ふざけるなよ。お前がモンスターを全部倒せば良かっただけだろう」


「いやいや。お前達が俺の助けはいらないって言ってただろう、俺が知るか」


するとふたりが録画を止める。


「糞が!! てめえ生意気なんだよ」

「あたしらにこんな怪我追わせてお前だけ生きて帰れると思ってるのか?」


「思ってるよ。ここのモンスターなら目をつむっても問題ない。結局、お前らが弱いだけだろう。人のせいにするなよ」


「…」「…」「…」


「どうでも良いけど、俺以外に助けを呼べる奴はいないぞ。お前達が自力でダンジョン出るのか? その怪我で」


そこでさらに文句を言われて、助ける気持ちが完全に失せてしまった。

「それに俺がダンジョンを出るのに2時間は優にかかるだろうな。ここまで2時間かかってるし、その間お前達を守る奴もいないけど問題ない無いんだな?」


「ハ、バカじゃねえのか?

私らはこの録画機材を体に付けて潜っている。この意味をわかってるのか?」


「なら、俺も聞こうか。お前らモンスターに殺られた死体を見たこと有るのか?


ハッキリ言うが、機材だろうが体だろうが関係無くバラバラだ。出来るだけグルメなモンスターに襲ってもらう事だな、もしかしたら機材だけでも残る可能性があるぞ」


冒険者法によるAランク以上のダンジョンの調査は、冒険者が協会職員に同行を求められた場合は同行をするが、同行した職員の安全を冒険者が守る義務は無いとしている。


むしろ、職員、冒険者のどちらにも安全第一を推奨している。今回のようにトラブルの場合は生き残った者の主張が優先される。それが過去の裁判例だ。


すると本部職員が裏切った。


「俺を連れていけ、俺は生き残らないといけない。地方職員なんかと比べて俺は優秀なんだよ」


それからはふたりの職員の泥試合だ。いい加減面倒になって来る。


「面倒だな。勝手にやってろ。

でも、余り騒ぐとモンスターの餌食だぞ。くれぐれも慎重にな」


「貴様、覚えていろよ」


「なあ、これが何かわかってるか?」

俺がそう言ってカメラを見せると、ふたりの顔が完全に凍ってしまう。


「全て録画済みだ。

俺は1度ダンジョンを出るがこの意味はわかるな。お前達の救出は俺がダンジョンを出て、全てを送信した後だ。


ふたりの幸運を祈るよ」


「まってくれー」


「お願いします、見捨てないで下さい。

私はこれから貴方と共に生きたいと思います」


「こんな手のひら返す奴より俺の方がよっぽど信用が置ける、お願いだ。助けてくれ」


「き、貴様(怒)」


「お願いします 「俺を「私を「連れていってください」」


「その言葉、あと後10分は前に聞きたかったよ」


それから少し離れた窪地に場所を移動する。


「シルバー、キリー。

悪いがあいつらが死なない様にモンスターを近付けないでくれ。間違ってもお前達が怒って殺すなよ」


「シャー」「バウ」


物凄くキリーとシルバーが不機嫌に返事をする。


「後であいつらの証言が必要だ。だから壊すな、そう言う意味だ。

遊ぶ分には文句無いが体を欠損させたり、殺したりしたら許さない。わかったな」


キリーとシルバーの顔が一気に明るくなる。一応大丈夫だよな、やり過ぎ無ければいいけど心配だわ。


すると頭の中に機械音が流れる。


"闇王の命令が発動します。逆らった者は魂まで消滅します"


おいおい、なんだよその物騒なコメントは。


それからモンスターがいない場所を選んで進み40分としないでダンジョンを抜けて、直ぐに車に戻りパソコンに動画を移動。


サナエさんに動画を送る。


「もしもし」

「あ、サナエさん」


「コウさん? どうしたのですか」

「ダンジョンの動画送った。協会職員が大怪我しててね、応援要請」


「動画ですか? って何ですかこれ?

まあ、わかりました。大怪我しており自力で抜けられないと言うことですね」


「話が早くて助かるよ」


サナエさんに連絡した後、協会支部長をしている職員が駆けつけた。連絡して15分位だ。全部で4人、相当の慌てぶりだ。


「お待たせしました。あの2人は生きているのでしょうか?」

「さあ、悪いが中の事までは何とも、生きてる事を祈りますよ。では、急いで行きます。遅れないで下さい」


ダンジョンの中を小走りで進み、モンスターがいたら全て俺が倒しながらすすむ。付いてきた職員達がかなり肩で息をしながら付いてきたくる、そして2人を残した辺りまで来るとキリーとシルバーの魔力を感じる。


「モンスター同士の争いが起きている」


そう言って職員を止める。


「俺が突っ込む、貴方達で2人の職員を安全な所に移動して下さい」


「良いのですか?」

「現在、Aランクダンジョンでまともに戦える人は?」


4人全員が首を横にふる。

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