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さおりと向かい合うように座るとさおりの手を握る。


「これから魔力を循環させる。

多分だけど、さおりは魔力を把握してないだけだと思うよ。魔力を感じて動きをスムーズに出来たら、他のスキルも今より使いやすくなるよ」


それから魔力を循環させる。俺の魔力をさおりに送るとさおりの魔力が微かに俺の体に入ってくる感じがする。


そして約30分程魔力循環を行うとさおりがぐったりとしていた。


「コウ君って魔力循環をどの位練習してたの?」


「最初の内は家に入る間ずっとやってたよ。

何せ、ダンジョンダイブ終わると結構暇でしょ。さおりは意識してやる時間を持つ事かな」


「え~。勉強しないといけないし、宿題も有るし。学生は忙しいんだけど。

おまけに朝、昼、晩のご飯作らないと行けないし」


「そうだよな。友達とも遊ばないといけないしな」

「そうそう。って、そこはほっといて」


「1日30分。時間を作ってやってごらん、継続は力なりだよ。

それと冒険者が頭の動きが活性化して知能が上がるのは魔力の為だって言われてる。魔力循環の時間を作る事で勉強も楽になるはずだよ」


「そう言われると確かにね。二次覚醒してから記憶力なんか物凄く上がったし、動体視力がメチャクチャ良くなって視野も広がって速読も覚えたしね。

そう考えると魔力循環に時間を使った方が、効率的なのかも知れない」


それから3週間程、毎日さおりと魔力循環の訓練を行う。


「さおり。今度の土日どっちか空いてる」

「何々、デートのお誘い。

仕方ないなぁ。時間は作って上げられるよ」


さおりが凄くニヤニヤとしている。


「いや、無理には誘わないよ」

「そこ!! 普通は一緒に行こうって言うところでしょ」


「これ。以前話ししてた千葉のシーパラダイスのシャチショ-の前売りチケット。

丁度2枚手に入ったのね。それと水族館の入館のチケットも2枚有るんだけどなぁ。そっかあ、さおりは忙しいのか」


チラチラとさおりを見る。


「何よ、忙しいなんて言って無いでしょう。

土曜日だと嬉しいな。日曜日は友達と約束あるから」


「じゃ、土曜日ね。朝早いからね」

「え? 何時に出るの?」


「ここを7時かな。土曜日だから渋滞は無いかも知れないけど、途中のSAで朝ごはん食べてから行こうと思ってる」

「了解」


実はこの千葉のシーパラダイスの近くにAランクダンジョンがある、そこに協会の定期検査が入るのでその検査の付き添いだ。


前日に協会が取ってくれたホテルに入り、打ち合わせをして翌日にダンジョンに入る。

何事も無ければそれで終了。このAランクダンジョンが海に有るらしくそこに向かう為の特設の橋が出来ているらしい。


少し観光の要素もあって楽しみにしている。


土曜日は純粋にさおりと観光を楽しんだ。不思議な事にシャチショー以外でさおりが大興奮して見ていたのがセイウチとクラゲだった。


俺の勝手なイメージとして海亀やペンギンの方が好きだとばかり思ってた。さおり、なんかすまん。俺、さおりに対してかなり違った見方してた。

一応、心の中で謝っておく。けど、実際かなり驚いたけど俺に全てを出して見せてくれるさおりに好感を持ってしまった。


それから2週間近くたった日、再度シーパラダイス近くのホテルに来ていた。そこには千葉の職員ともう一人、本部の職員がいる。


で、やられた、はめられた。こいつらは俺の秘密を探りに来ただけだ。協会も一枚岩じゃない。それぞれに派閥がありその争いに巻き込まれた形だ。

ホテルのカフェで打ち合わせを行ったが、リッチのキリーとシルバーウルフのシルバーが、俺だけに聞こえる声で殺気の籠もった唸り声をずっと上げていた。


何せ、打ち合わせの中身が保々俺の能力についての質問ばかりだ。キリーとシルバーは俺が許可してたらこのふたりの職員を確実に殺してた気がするくらいに怒っていた。


翌日にダンジョンに入るが、正直俺はこの2人を守るつもりがない。

その為俺は2人とは別にカメラを持ち込んで自分の保身をはかる。まあ、打ち合わせの時も隠し持って撮影してたけどね。


索敵、魔力察知、気配察知のスキルを使い、モンスターが多くいる場所を狙って進む。

最初の階層は半魚人、人魚、大亀、水蜥蜴等の水生モンスターがメインだ、あえてモンスターが多い場所に誘導する。


今回の定期巡回は法律に寄ってさだめられているもので、冒険者協会が国に代わり行う仕事だ。基本的に同行する冒険者は同行する一般人や職員の護衛が目的だ、だが100%守りきる必要は無い。


今回はそれを逆手に取って仕返ししてやる。

例え、モンスターに襲われて職員が手足を失おうが俺達冒険者に責任は無い。これが留萌さんやサナエさんのようにいつもお世話になってる人なら俺も守るけどね。


だが、初対面のそれも態度の悪い奴は知った事じゃない。

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