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協会に来て倒したモンスターの魔石を出すと何時ものように、サナエさんが表情をひきつらせる。


「コウさん。今日もお一人で?」

「そう。だってパーティー組んでないし、平日はさおりも学校だし」


サナエさんが俺を睨む、すると程なくして留萌さんが来た。

「どうしたの緊急って?」

「これを」


そういって俺の出した牛頭鬼とシルバーウルフの魔石を見せる。当然だが、シルバーと太郎、次郎の魔石は外してある。


それを見た留萌さんの流石に顔をひきつらせていた。


「コウ君。これは何日分かな?

出来ればためないで持ってきてくれると助かるだけど」


「はは。すみません。それ、今日の朝のぶんです」


「「はあ?」」


2人が俺を見る。


「コウ君。何階層まで入った?」


「2階層です。

1階層は牛頭鬼。2階層がシルバーウルフ。

1階層はかなり隅々まで行って倒しましたが、2階層は入って直ぐに罠のような物にはまったのか、58匹のシルバーウルフのいる場所につながってしまいました」


「え? まさかダンジョントラップにはまったの?」


ダンジョントラップ? 

「ダンジョントラップって何ですか?」


ダンジョントラップはAランク以上のダンジョンにみられる罠だそうだ。

その多くはモンスターハウスと言う所につながり、その罠にはまると帰って来れないと言われる場所なのだそうだ。


過去、日本人で柴田 円俊と日丘 克典。この2人だけがSランクダンジョンのダンジョントラップにはまり、ダンジョンから生還したのだと言う。


それも都内に有るSランクダンジョンではなく、秋田に有る、超難関のSランクダンジョンから生還したらしい。そんな噂が世界中に広がり、世界中の名だたるSランク冒険者も挑戦したが、生き残ったのは挑戦した者の1割もいないのだと言う。


現在、秋田のSランクダンジョンは世界的に見ても最悪最恐のダンジョンの1つに数えられている。因みに、秋田のSランクダンジョンはまだ完全攻略されていないダンジョンの1つでもある。


「しかし、ここのSランクダンジョンにもダンジョントラップが有ったなんて思わなかった。


サナエさん。後はお願いします。


僕は最近のダンジョンの稼働率を調べて見るよ。もしかしたらダンジョンに入ったままの人がいるかも知れない」


サナエさんが凄く不安そうな顔をする。


その後販売したお金の表示があったけど、流石に凄い事になってしまった。元々Sランクダンジョンに入る人の数が少ない上に取れる魔石が貴重なのだ、その為値段は凄く高かった。


当分ダンジョンに入らなくて良いかな、そう思う程の売上だ。その日、家に帰り部屋の掃除をしているとさおりが来た。


「コウ君。ちょっとかくまって」


かくまう? 何があった?

「どうした? 誰かに付けられたのか?」


「多分、知らない人が学校出てからずっと尾けて来てる」


そう聞いて索敵と生命察知と魔力察知のスキルを同時発動。直ぐに挙動不審な者を確認した、アサシンにジョブを変更してこっそりと家を出て見つけた奴らに近づく。

そこにはさおりの学校と違う制服姿の女の子がいた、その子が見える辺りで観察してると誰かと携帯で話をしている。


すると二十歳位の男が来て女の子と一緒に帰る。多分だけどこの2人冒険者だよね。まだ、一次覚醒したばかりだ。


「さおり、帰ったぞ」

「本当? どんな奴だった?」


「さおりとは違う学校の制服着てた。後、二十歳位の男を呼んで、その男が来たら帰って行った」

「なんか最近さぁ、優美っていうクランからのお誘いがうるさくてさ。ずっと断ってるんだけどしつこいんだよね」


「優美。どっかで聞いた事があった気が」


そんな話をしつつ動画検索に優美と打つ。

すると西日本を中心に活動をしているクランの動画が複数出てきた。そこにさっき家の前にいた女の子が映る動画もある。


「さおり、これじゃないか?

この女の子だね、家の前でうろちょろしてた子」


「ねぇ、コウ君って結構動画みる人?」

「まあね、ダンジョンによって出てくるモンスターが違うから、一応チェックしてるよ。ほら」


そういってBランク以上のダンジョンのマップと階層事に出てくるモンスターを一覧にした物を見せる。


「え? これ、コウ君が作ったの」


「そうだよ。事前の知識も無くダンジョンに入ってみろ、死にに行くようなもんだろう。

どんなモンスターだって、油断したら殺られるんだから。必ず事前調査してからじゃないと入らないよ」


「ふ~ん。それで優美の動画は見たことある?」


そう聞かれて過去履歴をチェック。


「有るな、3回見てそれから観てない。

確かダンジョンの情報が無いんだよね、可愛い装備や持ち物の話題がメインだった気がする。


特に女の子に人気のアイテムとか防具とか、そう言う物が多いんじゃないかな。俺は見た目よりも使い勝手で選ぶから、直ぐに飽きて見なくなったはず」


「そうなんだ。何で私の所に来たのかな? 私の防具も機能性重視だし」

「念のため、明日学校に送って行くか?」


「大丈夫だよ。それにコウ君うちの学校の女子に人気有るんだよね、目移りされたらやだし」

「目移り。まあ、それは良いや。刀の練習はどうだ?」


「あれから上手くいかない。なんかコツでもあれば良いんだけど」

「さおりのスキルに身体強化とか、魔力強化みたいなものは無いの?」


「う~ん。身体強化、硬皮、筋力強化と瞬発力強化なら有るかな。魔力を上手く使うスキルは無いよ。

あの日はコウ君の魔力循環が残っていたから続けて出来た気がする」


なる程、ならここでさおりと手を繋げてお互いの魔力を循環させると覚えるじゃないのか。

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