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その日は都内にあるSランクダンジョンの下見をして帰って来た、近くに駅は無いし駐車場も無く少し不便な場所だった。


協会の出張所の脇に三台分の駐車場があり、そこは協会出張所に言えば時間300円で借りれるらしい、けど色々と考えていたら腹が減ってきて思考停止してしまう。


いつものらーめん屋に入と店長が俺を隅っこの席に座るように言って端っこに座る。

「コウ、この間のテレビ見たぞ。なんか大変だったな」

「見たんですか? 正直に面倒臭かったですよ」


「で、お前は大丈夫だったか?」

「ええ、何も問題ありません」


すると頼んでいない餃子がらーめんにいつていた。


「俺達は何時でもコウの味方だ」

「あざっす」


いつものようにポーターバッグを背負ってバイクに乗るとSランクダンジョンにくる。協会出張所に声をかけると、バイクなら建物の脇に停めて問題無いと言ってくれた。


初めてのSランクダンジョンに少し緊張しながら入る。


協会出張所で確認したが、今ダンジョンには誰もいないらしい。普段、東京のSランクダンジョンをホームにして活動してるパーティーやクランはいないらしく、県外のダンジョンに行くのが普通なのだと言う。


ダンジョンに入ると最初の階層はミノ系モンスター、群馬のAランクと同じく牛頭鬼の系統のモンスターらしい。


索敵を行い周囲に人がいない事を確認。


「全員出ろ」


キリーが先頭に立ちダンジョンを進むと毛の長い牛頭鬼が1匹来た。2足歩行を行う毛の長い牛だ。


器用に歩きこっちを見る。


「モモー」


コングエイプ2匹が牛頭鬼に向かう。2匹が交互に牛頭鬼を殴り続けて倒してしまうと、突然ステイタスボードが立ち上がった。


中を見る


コングエイプ C+


コングエイプ C+


と+表記があった。どうやらモンスター同士も戦って勝つとレベルが上がるみたいだ、そうと分かれば低い階層でこいつらのレベルアップだな。


ダンジョンの中を隅々まで歩き、出会ったモンスターを全て倒させる。おかげでなにもしないのに、俺のレベルも上がっていった。


牛頭鬼を40匹以上倒した後で次の階層に入る。


次はウルフ系モンスターの最上位のモンスターが出る階層らしい。


キリーが突然俺達を止める。俺の索敵にもかからない程、息を殺したモンスターがいるらしい。


キリーがその大鎌で空間を斬る。


「ジャシャー!」


何かが斬れたと思われた所で向かい合う様にウルフ系モンスター達が待ち構えていた。それは何かの魔法なのか、俺には判断が付かなかったが目の前に敵がいることに違いは無い。


「行け!!」


俺の声にロック、からし、キリーが飛び出すが、大鎧熊とコングエイプ2匹は動けずにいた。


おそらくこの3匹では勝てない奴がいるのだろう。


刀を出してロック達が取りこぼしたウルフ達を倒していく。


時おり完全に仕止め切れなかったものを後ろの3匹が止めを刺していた。


ウルフ達の中でボスを発見、そのボスを一気に攻める。


俺の突進に合わせて両脇をロックとからしが抑え、ウルフ系ボスと直接対峙する。


ウルフ系ボスの体付きはウルフ系の中では小さめだ。だがかなり気が強いらしく唸り声を上げて俺を威嚇する。


覇王の威嚇を発動、ウルフ系の動きを止めるとロック達が一斉にウルフ系を倒し始める。その様子を呆気に取られながら見ているウルフ系のボスの頭を刀で刺す、完全に隙を就いた形で刀が頭の上から体の中に入って止まる。


「敵のボスは倒した。一気に蹴散らせ!!」


後ろでうろついていた大鎧熊とコングエイプも戦いに加わり50匹以上いたウルフ系のモンスター全てを倒す。


ジョブをネクロマンサーに変え常闇の寝床を見て声をかける。


「起きろ。今日から俺がお前達の王だ」


すると58匹のウルフが俺の物になった。


凄い事に3匹がAランクで残りの55匹が全てBランクだった。


特に凄いのが2つ名が付く奴がいる。俺が倒した少し小さい個体のボスが氷帝A++。その脇を確り守っていたのがシルバーウルフ A+とシルバーウルフ Aだ。


シルバーウルフ 氷帝A++


シルバーウルフ A+


シルバーウルフ A


それぞに名前をつける。


A++    シルバー


A+     太郎


A      次郎


うん。こんなもんだろう。


するとからしが太郎と次郎に近付き、なにやら撫でていた。あの野郎、からしって名前をまだ根に持ってやがるな。


「シルバー。お前の氷帝はどういう意味だ」


するとシルバーがダンジョンの壁に向かい氷のブレスを出す。


ブレスが辺り一面を一気に凍り付いてしまう。それを見たロックとからしが少し震える、寒いのが苦手な所もあって震えたのかも知れない。


キリーは寒さは関係無いのかボーっと眺めている。しかし流石はSランクダンジョンだ。ロック、からし、キリーを中心にだいぶ急いだつもりだが、すでにお昼の1時を迎える時間になっていた。


大鎧熊とコングエイプを呼ぶと倒した魔石を全て回収させる。


シルバーの魔石は水色のすんだ綺麗な色をしていた。それを見た時さおりの刀に使う魔石をこれを使おうと思った程だ。


「時間だな、今日は帰る。ダンジョンに他の冒険者がいないか注意して戻るぞ」

するとロック、からし、大鎧熊、コングエイプは常闇の寝床に戻ってしまう。

こいつらは元々索敵や気配察知が苦手だ。


「オオーン」

シルバー、太郎と次郎を残しウルフ達も常闇の寝床に戻る。どうやらシルバー達が俺について移動するらしい、ダンジョンを出口に向かい歩き始めるとキリーが俺の後ろを浮かびながら付いて来る。


便利な能力だ。ダンジョン内の砂漠なんか歩き難いったら無かったのにこいつだけは余裕の表情してたもんな。

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