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報道関係者が俺に群がる。


「悪いがダンジョンで後始末がある。退いて下さい」

イライラとしている俺に果敢にコメントを求めて来るがそれを無視してダンジョンに向かう。


するとルミちゃんと呼ばれた女の子が来た。

「待ちなさい。こんな卑怯なやり方で私が諦めると思ってるの」


チラッとルミちゃんを見る。

「お前も冒険者だろ、大声出したって仕方ない文句があるなら直接かかってこい。ダンジョンの中なら俺を殺してもお前の罪にはならない。


まあ、無理だろうけど。

それにお前も配信目的だろう。お前のその胸に仕込んでいるピンホールカメラ、バレバレだぞ」


「な!」


ルミちゃんが自分の胸に手を当てる。

そしてその姿がバッチリと報道のカメラに映されてしまった。

「良かったな研修が取り消しになって。

このまま始まっていたら、お前は即刻失格だったよ」


「く!」


俺を睨むが報道関係者からの質問にカメラを隠していた事を認めたようだ、俺に群がっていた報道関係者がみんなルミちゃんに集中する。


その後ダンジョンに入り、壊れた機材なんかをかき集めて少し中を散歩してからダンジョンを出て、協会職員にモンスターがいなかったと報告する。


その後協会関係者と5人で再度ダンジョンに入り、最終的にボス部屋まで回って何もいない事を確認してダンジョンを出る。


「コウさん。来週、再度危険がないかの最終確認をお願いしても良いですか?」

「良いよ。職員も誰か行くでしょ。来週までに決めておいてね」


そして帰る時にルミちゃんが俺のバイクの横で地べたに座っていた。

あの後、散々報道関係者の人達にもみくちゃにされたようで何故か服も少しよれよれになっていた。


「オイ、そのバイク俺のバイクなんだよ。寄りかかるの止めてもらえるか」


ルミちゃんが俺を見て睨んで、バイクの前タイヤを蹴った。


カチン!! 本っ当っにムカついた。


俺も大人げない。それはわかるよ。やり過ぎたのも認めます、でもバイクのタイヤを蹴った事が絶対に許せなかったんです。


ハイ、正直にお話しします。

殺意も込もっていました、殺しても良いと私個人としては判断を致しました。怒りのままに、殺意を持って覇王の威嚇を放ちましました。


でも俺は間違った事はしていないと思っております。もうルミちゃんったら失禁した上に失神しちゃうし、や~ね最近の子ったら、恥じらいがなくて。


てへ(笑)。


その後はルミちゃんを放置してバイクに乗って帰って来ました、だって助ける理由も無かったんだもん。


ですがそれが協会職員に見られていたようです、後日。留萌さんやサナエさんから物凄くお叱りを受けました。実はそうなんです、冒険者法により冒険者はダンジョン以外での能力の使用は禁止されているんです。


そして能力の質にもよりますがこれがばれたら、まあ捕まりはしないけど罰金が発生します。


それも結構高額な。


         ◇◇◇◇◇◇


その研修の2.3日後、ルミちゃんが俺を訪ねに協会にきたらしいくサナエさんから連絡をもらって協会にやって来る。


すると協会の一室に通された。


そこにルミちゃんと知らない女の人がいて俺が部屋に入ると女の人が突然頭を下げる。


「あの、今回は妹がとんだご迷惑をおかけしました。大変申し訳ございませんでした」


突然の事で少しぽかんとしてしまった、話によるとその頭を下げた女性がルミちゃんの姉。


名前が武者(ムシャ) (サキ)と言う。


サキは仲間のレイとミルの3人で英雄の姫と言うパーティーを組んでいる。主に、関東郊外や新潟、東北方面で活動しているらしい。


パーティーランクはBランク。メインが動画配信だと言う。


伝説のFランクは全国的に有名になっているらしいが俺が、顔出しを一切断っていることもありほとんどの人間が俺の顔を知らない。


そんなこともあってか、自称伝説のFランクと言う人達が結構いるらしいのだ。

英雄の姫がパーティーで戦闘中に自称伝説のFランクが絡んできてサキが怪我をした。それが原因で約3ヶ月程、冒険者活動をしていないのだと言う。


それをこのルミちゃんが俺が姉を怪我させた奴だと勘違いして、この間の騒ぎを起こしたのだそうだ。その騒動をテレビで見た姉のサキがこうやって謝りに来たのだ。


「ハッキリ言って迷惑なんだよね。


一度警察に容疑がかかると、俺も警察に行って色々と話さないといけないし。自分がアイドルだって事を利用してわざわざ報道関係者なんか連れて来るから、物凄い大騒ぎになるし。


ぶっちゃけ謝って済むもんだいじゃないよ」


「ハイ」

サキがルミちゃんの頭を無理矢理下げさせる。


「各協会支部にまで、俺に謝罪させろって騒いでる人が来るしさ。この状況をどう責任取るの?」


「本当にすみませんでした」


「あんたに謝られてもね。


まあ、良いよ。


ここからは協会の弁護士にも今後の対応の相談しないといけないから。取りあえずはこの子を2度と俺の前に近寄らせないでちょうだい。2度目はないよ、ダンジョンの中では何が起きても自己責任だ。

サキだっけか。あんたらもそれを知ってて配信してるんだろう、2度と俺に関わらないでもらえるか」


「あの、弁護士さんに相談と言うのは?」


「そのままだよ。

今回の報道やこの子が俺に言った事に対する賠償だよ。ここまで事を大きくしたんだ、あんた達も相当の責任は取りなさいね」


サキとルミちゃんの顔色が一気に青ざめて行く。その後、弁護士と相談でアイドルのルミちゃんが公に俺に対する謝罪。で、手を打つことになった。


俺は誰も襲っていないのにルミちゃんが勝手な思い込んで今回の騒ぎを起こした。その事実を含め、ルミちゃんの所属事務所から各報道機関に本人の謝罪コメントを添えて報道された。


姉のサキも自身の動画配信で謝罪を行い、2度と同じ事が起きない事を誓った。


するとまた騒ぎになったが、俺に対する反応は一気に薄れて行った。

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