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さおりも少し落ち着いたようだ。


「これって所謂ネクロマンサーの能力だよね」

「そうだ、絶体にばれるわけにはいかない能力だ」


俺達の周りを囲むように強力なモンスターがいる。木蜥蜴達は、俺達からかなり離れた場所に避難してしまった。


「木蜥蜴を取ってこい」


コングエイプに命令する。シュタッと軽快な足音でダッシュすると2匹の木蜥蜴を持ってやってきた。


「潰すなよ」

コングエイプがブンブンと勢い良く頭を降る。


「さおり、刃の無い刀だ。

ここで練習する。持ったら魔力を循環させろ」


そう言って刀を渡すが魔力を循環させずに刀を持ち力んでいる、さおりの手の上から合わせるように刀を持つ。


「ヒャイ!?」

「魔力循環をやってみる。その後は自分でも同じようにやってみろ」


そう言ってさおりの手の上から魔力を流し刀まで循環させる。

「う、何か入ってきた。ねえ、これ魔力?」

「そうだ、自分の体にも有るだろう」


「でも、私こんなに強く無いよ」

「強さの問題じゃない、どれだけ魔力を循環させるかだけだ。強さや量じゃない」


「わかった」

そういうと魔力を循環させる。かなり集中が必要なようだ。


「多分、大丈夫だと思う」

「オイ、蜥蜴をここに置け」


コングエイプが言われた通りに2匹の木蜥蜴を重ねて置く。


そこにめがけさおりが刀を振り下ろす。


スパッ!


重なって置かれた木蜥蜴を2匹共に斬る。


「ブッハー。つ、疲れたぁ。

コウ君、いつもこの状態をキープしてるの」


「そうだよ。でもうまく行って良かったよ。

今度から刀の練習は全部これを使って行うと良いよ。俺もかなり練習になったし」


「わかった。それでさ、コウ君の刀見たいな」

「良いぞ」


イベントリから刀を取り出して、抜く。


「すっご! なんか時代劇に出てくるような妖刀みたい。でも凄い綺麗、なんでこんなに虹色に輝いているの?」


「ダンジョン鉱石と魔石だよ、ダンジョン鉱石だけだとその刀みたいに刃が付かないらしい、鍛冶士の人が言っていた。


そこで必要となるのは魔石だ。俺の刀は秋田で取れたSランクダンジョンの鉱石に岩蜥蜴から取れた超貴重な魔石を使ってある。


この輝きはそのレア魔石の輝きだ」


それから再度コングエイプに木蜥蜴を取りに行かせ、合計8匹の木蜥蜴をさおりが斬って終了した。


さおりは魔力循環が苦手らしく凄く集中力がいるみたいだ、さおりとは土日にダンジョンに入り刀に魔力を循環させる練習を行っていく。


そして、数週間経ち初心者研修の日が来た。


この所、初心者ダンジョンに来ることがなかった為か懐かしさを覚えてしまう。バイクに乗りダンジョン近くの駐車場に停めて研修会場に入る。


警察官の白石さんと裁判所の広川さんが来ていた。


「白石さん、広川さん。今日もよろしくお願いします」

「お願いします」「よろしくな」


会場の前を見るといつになく人が多い、おまけに一般人の方も多い。思わず白石さんに聞いてみた。


「今日、人が多くないですか?」


すると白石さんが指を指した。

「あれだ。何でもアイドルが初心者研修に来ているらしい。マスコミに冒険者に様々だよ、何か問題が起きてからじゃ大変だからな。


今回は特に注意してくれ」


めんど。て、いうかこれを知ってて俺にやらせたんだろうな。サナエさんの事だ、俺に何も言わないのは俺の性格を良く知ってるって事だろう。


それから冒険者協会の担当者と会う。今日は女性2人、共にCランクだ。


「ダンジョンは誰もいませんね?」

「大丈夫です。昨日から出入りはないです」


「わかりました」


いつものように広川さんの説明があり、白石さんの説明と続く。俺の番になった時に何故か騒ぎが起きた。


「伝説のFランクだ。おいおい、10年経ってもまだやってんのか?」


何処からか、そう馬鹿にすることを声が出る。


「研修担当の二前だ。

スマートフォン、録画録音出来る機材は全て出すように。

もし、機材を持って中に入った場合は資格停止だ。これから冒険者協会の職員と警察官が回る、持っていたらそこで全てを出せ。


適当にごまかせると思って中に入った奴の命の保証はない。俺からは以上だ」


すると女の子で有ろう声が響く。

「お前は許さない! 私がここに来たのはお前に復讐するためだ」


そう言って俺を指さす。


「そうか、どうでもいい。それより法律は犯すなよ、ダンジョンに入ってしまえば俺がお前達を殺したとしても罪にはならない」


「あんたこそ、その首洗ってまってなさい」

なんか面倒な奴に絡まれたな。そう思っているとこの女の子の周りに人が集まり出す。


「オイ、お前。ルミちゃんに何しやがった(怒)」

「ルミちゃんを守れ!」

「ルミちゃんに何かしたら只じゃおかねぇぞ!」


「……!」


「…!」


「…!」


ここは何の場だ? アイドルのステージと勘違いしてるのか?


するとこの騒ぎにテレビカメラが集まり始める、そのカメラに向かい女の子が声を上げる。

「この伝説のFランクに私のお姉ちゃんは襲われた、私はその敵を討つ」


お姉ちゃん? 襲われた?

良く分からないが、その突然の言葉に周りが騒然とする。

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