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ダンジョンから出て諏訪市の協会にくる。
以前来た時に出会った職員ではなく、別の職員の人が来た。ダンジョンで取った大鎧熊の魔石を卸す。
「鬼がしらの情報はありますか?」
「鬼がしらですか?
先月、東京から来た冒険者の方が倒したのが最後ですね。あれから目撃例も無いですね」
そのあと、仮眠室を借りようとしたが今日明日は一杯と言う事で明後日に1日予約。この日はネットカフェに泊まる事にした、まだ夕方だったがネットカフェに入って久しぶりに動画をむさぼる。
するとさちえちゃんと盾折兄妹の動画を発見。
主に顔出ししてるのが兄の亮介だ。
するとさちえちゃんの二次覚醒について話が出ていた。内容を聞くとスキル名は出さなかったがSランクの能力らしい。ちなみに亮介がSランクの能力。妹の未希が回復魔法特化のAランクだと話が出た。
すでに冒険者協会に申請、妹の未希については護衛も付くのだと言う。
確かに、Sランクの戦闘職よりも Cランクの回復特化の職の方が大事に扱われる。それだけ珍しいスキルだしな。
それがAランクの回復職となると日本だけでなく世界中から引く手数多だ、場合によっては暗殺すら起きる可能性がある。
お抱えのクラン、双頭の鷲は大変な騒ぎだろうな。様々なクランからの共闘要請やら協会からも色々な要請があるだろうしな。
御愁傷様。って、言い方酷いか。いや、盾折の親父さんなら喜びそうだな、まぁ知らんけど。
翌日から再度ダンジョンに入るが鬼がしらに会う事ができず数日を過ごし、最終日の土曜日を迎える。
帰る日になりいよいよ焦りだす、午前中にダンジョンに入り昼には帰る事にした。鬼の階層に来てお地蔵様に手を合わせ鬼がしらに会えるようにお願いしてから入る、普通と違うお願いだからお地蔵様も願いはかなえてくれない気がする。
前回、鬼がしらにあった場所に移動。そこまで来て初めてやたらと強い反応を確認。もう、嬉しさの余りダッシュで移動する、絶対に鬼がしらだ。
いた! 鬼がしらだ。
刀を出し躊躇うこと無く鬼がしらに向かい突進、そのままの勢いで一刀両断にする。すると鬼がしらの体が斜め半分になり、ずり落ちる。
直ぐ様レベルアップしていないバトルキングにジョブを変更。
"単独でボスを倒し、また討伐時間が10分かかっていません。
特別ボーナスが加算されます。ボス討伐の経験値は入りませんがレベルが500上がる事になります"
名前 二前 宏
職業 バトルキング Lv3500
HP60030
MP61000
上級職 レベルMAX 10000 リターン(Lv3000)
聖騎士 Lv5512
バトルキング Lv3500
ネクロマンサー Lv4200
その後、ジョブをネクロマンサーに変更。
すると闇王の命令と常闇の寝床に変化があった。
名前 二前 宏
職業 ネクロマンサー Lv4200
HP98030
MP97390
上級職 レベルMAX 10000 リターン(Lv3000)
聖騎士 Lv5512
バトルキング Lv3500
ネクロマンサー Lv4200
任意発動スキル 補助
【隠匿スキルLv5 生命察知Lv5 魔力察知Lv5 気配遮断Lv5】
任意発動スキル 戦闘
【剣術Lv5 格闘術Lv5 体術Lv5 索敵Lv5 縮地Lv5 魔力強化Lv5 金剛力 覇王の威嚇Lv5】
任意発動スキル その他
【金剛力 インベントリ】
常時発動スキル 補助
【必要経験値-50% 獲得経験値+50% 記憶力アップ 運気アップ 精神強化Lv5】
常時発動スキル その他
【魔力鎧Lv5 金剛体 神目 魔力循環Lv5 覇王の目覚めLv5 常闇の寝床Lv3】
聖騎士の時のみ、魔法が発動。
【魔法スキル 火炎魔法Lv5 大風魔法Lv5 水氷魔法Lv5 回復魔法Lv5 解毒魔法Lv5 解呪魔法Lv5】
ネクロマンサーの時発動
【魂の抽出 闇王の命令Lv2 闇魔法 死霊操作術】
常闇の寝床Lv3と闇王の命令Lv2だ。レベルアップすると何か変化でもあるのだろうか。
「お前はこれから俺の忠実な僕だ。出ろ!!」
俺の命令に従い常闇の寝床から鬼がしらが出る、その際自分の魔石をもって出てきた。
何故か鬼がしらに合わせ、ロックとキリーも一緒に出る。鬼がしらから受け取ったその魔石はかなり特殊な物だ。
魔石は通常はくすんだ色が多い、だがこの鬼がしらの魔石はこんじきに輝きを放ち、前回倒した時とはの魔石とは全く違う輝きを放っている。
レアモンスターからはレア魔石が取れるのかも知れない、勝手にそう理解した。
"名前を付けて下さい"
不意にモンスターの名前を付けるように指示が入る。
名前か。鬼がしらだから。鬼殺し、いやなんか違うな。なら鬼辛子か、何故か食い物に目が行ってしまうな。
鬼がしらがそんな俺をチラチラと見ている。何を期待しているのやら、俺のネーミングセンスをばかにするなよ。
「お前はカラシ。カラシだ」
そう、名前は鬼辛子から取ったカラシだ!! 覚えやすくていい。
「ゴォ」
カラシが返事をするが、何故か物凄く落ち込んだように見える。
「やっぱり"かしら"も良いな」そう言うと一気に顔を上げ、胸を張り出す。
「駄目だ、お前はカラシだ!!」
俺の言葉に、さらに肩を落とし、少しへこんでしまう。ふん。これがお前らのボスのネーミングセンスだ、諦めろ!!
「これらか帰る。寝床に戻れ」
ロック、キリー、からしが各々平伏して、常闇の寝床に帰る。その時、ロックとキリーがカラシの肩を叩いていた。
ふん、何度でも言ってやろう。これがお前らのボスのネーミングセンスだ。諦めろ!!




