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朝の練習を終えると何時ものようにCランクダンジョンにくる。


中に入ると普段入らない階層まで来てみた。モンスターが変わりグリーンエイプと言う猿系モンスターになるはずだ。


グリーンエイプの魔石は結構高値で売れる。


索敵にモンスターがかかった。


気配遮断スキル 生命察知スキル 魔力察知スキル 剣術スキル 体術スキルを発動。


インベントリから刀を出してモンスターを待つ。


グリーンエイプが壁に張り付くようにやって来る、何故通路を歩かないのかは疑問だ。多分、壁を歩きたかったのだろうと思う。


グリーンエイプが俺に気付いていないようで横を通り過ぎる、そのタイミングで縮地を使いグリーンエイプの斜め後ろから刀を振り下ろす。


何かに気付いたのかこっちを見たタイミングで刀がグリーンエイプの首を捉える。


ジュパン!! グリーンエイプの首が飛ぶ。


やった!! やったのは良いが今どうやった?

どうも体は刀の使い方を理解しているようだが、俺にはわからない。どうにも理解出来ない、だとすると体に聞くしかない。そう、脳筋の俺には結局これしか無いのだ。


この階層はグリーンエイプが1匹で行動しているようで、俺からしたらありがたい限り。


何度も何度もグリーンエイプと対峙する。

その度「斬る。押すんじゃなく斬る」もう呪文のように口から出ては消えて行く。

あまりに俺がブツブツと呟いているせいか、グリーンエイプ達が気持ち悪そうな顔で俺を見て攻撃してくるようになった。


これが最後と決めてグリーンエイプに挑む。


朝一でダンジョンに入り、時計を見るとすでに17:40を過ぎていた。流石にやり過ぎな気がしてきた。

けど、おかげでグリーンエイプの攻撃パターンもあらかた理解した。今回は地面スレスレの四つんばいになり、突進してくるつもりだ。そのタイミングに合わせ下段への振り下ろしを決める、右肩と首の間を刀が斬る。


この一撃が致命傷となったようだ。グリーンエイプが立ち上がるタイミングに合わせ首をはねて対戦は終了する。


気付けばグリーンエイプだけで40匹も倒していた。


ダンジョンを出て冒険者協会にくる。


「すみません、買い取りだけお願いできますか?」

「はい。まだカウンター業務中なので大丈夫です」

そう聞いてグリーンエイプの魔石を出す。その際イベントリと気付かれないように鞄から取り出したように見せる。


「グリーンエイプの魔石ですね。って、何個有るんですか?」

「40個です」


受付の女の子が引いた顔をしてる。

「すみません、協会カードを出してもらえますか?」


ちょっとその言い方に違和感を感じる。


俺の協会カードはまだ


名前 二前(ニノマエ) (コウ)


職業 剣士Lv300


のままだ。

何時も協会に来るときは職を剣士に切り替えてから来る事にしている。


「あの、よろしいですか二前さん?」

「はい、なんでしょう?」


「貴方Eランクですよ。

いくらダンジョンに入っていいからと言ってCランクダンジョンのグリーンエイプを倒す何て有り得ないでしょう。

この魔石は何処の誰から取ったものですか? 正直に言って下さい。今なら罪は軽くて済みますよ」


あ、面倒なのに当たった。どうしよう、今日サナエさんいないし。


「それは俺が倒して取った魔石です」

「嘘を言わないで下さい。レベル300の人がグリーンエイプに勝てる訳が無いでしょう?


大体、グリーンエイプはレベル1000が推奨レベルです。二前さん。私の目を見てください、そして正直に言ってください」


そんなやり取りをしてると一番見つかりたく無い人に見つかってしまう。

「どうしたの? 何か困り事、お姉さんが話を聞くよ」


「「日丘さん」」


「うん? 

なんだよ。コウじゃんか。あんた今日は担当がいないからって若い娘を口説きに来たのか?」


「日丘さん、そう言う言い方止めてもらえますか?」

「じゃあ、なんだって言うんだ? ああん?」

日丘さんが何時ものように絡んで来た。


「あの、日丘先輩。私口説かれていたのでは無くて、本当の事を言ってもらいたくて。それだけです」


日丘さんが俺を見る。


「今日は何を倒した?」

「グリーンエイプを40です」


「全部出しな」

魔石を全て出すと日丘さんが一つ一つチェックをして行く。


「コウ。無理はしてないな?」

「はい」


「ならわかった。これ全部買い取りしてやって」

「え? 日丘先輩?」


「大丈夫だよ。こいつはだてに10年も間も伝説のFランクなんて呼ばれてないから。

実力だけならそこらのCランクより上だ。ただ、残念な事に未だEランクなだけで」


「はぁ。日丘先輩がそうおっしゃるなら」

女の子が魔石を持って後ろに下がる。


「コウ、あんたじぃさんに気に入られたみたいだな。留萌さん以来だよ」

「気に入られた? 俺がですか?」


「うん、刃の無い刀を渡されたろう?」

「はい」

「うん。なら道場に行ったら気を付けろよ」

なんか意味深な言い方だ。だが、助かった。



      ◇◇◇◇◇◇◇

お読み頂き有難うございます。

ランキングに入り70位と言う通知が有りました。これ程沢山の方にお読み頂いている事に感謝しております。

今後ともよろしくお願いします。

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